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【25Leaders】石井綾華さん(特定非営利活動法人Light Ring. ) CCJA2021

全国の地域社会に貢献する女性リーダーを称える「チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞(英語名称:Champion of Change Japan Award;略称CCJA)」5回目となる本年度の募集には、全国各地から203名もの応募が集まりました。一次審査を経て選出された25名のリーダーをご紹介します!

石井綾華 (いしいあやか)

特定非営利活動法人Light Ring. 代表理事

・精神保健福祉士
・厚生労働科学研究 革新的自殺研究推進プログラム 研究者
・若者自殺対策全国ネットワーク共同代表・設立発起人
・Mental health anti-stigma global alliance
・Social Skills Training (SST、社会生活機能訓練療法)初級指導者
【略歴】
 1989年平成元年 福島県郡山市生まれ。
 2010年1月   こころの病予防プロジェクトa.light(アライト)設立
 2012年2月〜 法人化の為団体名変更NPO法人Light Ring.設立登記
 2014年7月〜 新宿区自殺総合対策会議 若者支援専門部会 専門委員
 2015年1月〜 港区自殺対策関係機関連絡会 委員
 2015年4月〜 新宿区自殺総合対策会議 委員
        作新学院大学 経営学部 客員講師 就任
 2018年4月〜 作新学院大学 経営学部 客員准教授 就任
 2021年7月〜 厚生労働省心のサポーター養成研修等企画・評価委員

活動をはじめたきっかけ

自身の11歳から始まる摂食障害やアルコール依存症の家族を支えたヤングケアラー経験から、死にたい気持ちを含め精神疾患は病院による治療のみで寛解することは難しいと実感しています。
また自身の闘病中に限らず家族の闘病サポート中にも、身近な支え手である自分自身が辛くなり、精神的に追い詰められました。一方で、専門家ではない支え手の自分や家族にはサポートが得られず、非専門家の死にたい気持ちを持つ人をケアする者(ゲートキーパー・ヤングケアラー)への支援が社会的に必要とされている状況に気付きました。
健康と幸せをつかむためには支えられる側と支える側の両者が心の健康を保つことが不可欠と感じ、「誰もが自分の望む幸せをつかむことができる社会の創出」をビジョンとするLight Ring.を創設しました。

活動の成果

2010年より精神科医などの指導のもと、傾聴支援できる若者「聴くトモ」の育成を開始。以降、カフェと提携して「聴くトモ」による傾聴の場「聴くトモカフェ」を開催(2011~2016年 計80回)。悩む当事者の支援に着手しました。
2012年以降は「ソーシャルサポート力養成講座」を開始し、近年では港区・新宿区からの委託でゲートキーパー養成講座(2017~2020年 計1,406名)を実施。
更に、支え手自身が悩みを聴いているうちに辛くなり、悩む当事者となる可能性を危惧し、悩みや経験の共有の場としてオフラインの居場所「Light Ring Time」を開催(2012~2017年 計27回・319名)し、支え手支援にも取り組みました。2020年は発展させたオンラインの支え手支援コミュニティ「ringS」を開催しました。
全国子ども若者向けセルフケア・ソーシャルサポート提供者は、のべ19,000名に上ります。

今後の目標

「誰もが自分の望む幸せを掴むことのできる社会」の創出。このビジョン実現のためのミッションとして「あなたが周りの人のために動くこと、それが社会課題の解決につながる」と信じ、身近な人をケアする方へ支援を届けて参ります。
これまで傾聴支援できる子ども若者の育成からスタートし、悩む当事者の支援に着手。その後、身近な支え手の育成を行い、彼らの悩みや経験を共有しあえる場をオフラインでつくりました。そして、コロナ渦をチャレンジの機会ととらえて、オンラインによる支え手支援に取り組んでいます。
2022~2023年は拡大フェーズ。これまでのオン・オフの支え手支援に加えて、継続的なケア体制を強化します。短期間で全国に支援の輪を拡大できる運営パッケージの開発及び他団体との協業により、各地方在住の若者が自ら支援の輪を広げられるインフラを構築したいと考えています。
ヤングケアラーの支援も含めて、自殺する子ども若者を減らすべく、ゲートキーパーのケアの仕組みを全国に届けたいと考えています。

コロナ禍の影響

2020年の小中高生の自殺者数は、前年比100人増の過去最多499人(出典「自殺の統計:各年の状況」厚生労働省)。
文部科学省「令和3年度 児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議審議のまとめ(案)」では、在宅勤務や家庭内過密による家族内葛藤の増加、長期休校や行事減少により、友人との交流等の何気ない日常を失い「居場所がない」可能性が指摘されています。
悩む若者増加の一方、コロナの関係で保健所による自殺対策業務が後回しになる実態が生じ、各地域の自殺対策が停止、孤立する子ども若者に手を差し伸べるゲートキーパー負担増により悩む当事者になりかねない可能性を危惧し、これまでのオフライン支援を発展させたオンライン支援コミュニティ「ringS」(2020年度 6回・計66名)を開催。参加者アンケートでは「今後の生活に役に立つ」回答が100%。「初めて支える側の葛藤や悩みを打ち明けることができた」の声も頂き、支える側のケアされる居場所の役割を務めています。

メッセージ

この度はこのような大変貴重なチャンスをいただきありがとうございます。
子ども若者の自殺者数が戦後最悪の実態の今、自殺・社会的孤立を防ぐ支援を広めるため、応援いただけたら心から幸いです。

第五回 チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞 表彰式
◆日程 2021年12月10日(金)19:00開始
・プレ・トークセッション:19:00~19:30
・表彰式:19:30~20:30
・アフター・トークセッション:20:30~21:00
◆アクセス YouTubeで生配信します。参加費無料。
◆参加視聴
表彰式のご視聴・ご取材をいただける際には、公式ホームページの事前登録フォームよりお申込みください。
事前登録を頂いた方に、配信先のURLをメールでご案内いたします。
https://forms.office.com/r/Z5mkS2uXSh

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