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【25Leaders】土肥いつきさん(トランスジェンダー生徒交流会) CCJA2021

全国の地域社会に貢献する女性リーダーを称える「チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞(英語名称:Champion of Change Japan Award;略称CCJA)」5回目となる本年度の募集には、全国各地から203名もの応募が集まりました。一次審査を経て選出された25名のリーダーをご紹介します!

土肥いつき(どひいつき)

トランスジェンダー生徒交流会 主催者

1985年より京都府立高校教員(現職)。2010年より全国在日外国人教育研究協議会事務局次長。2012年に現職教員を続けながら京都教育大学教育学研究科修士課程に入学。2015年に修了。同年大阪府立大学人間社会科学研究科博士後期課程に入学。2021年、学位論文「トランスジェンダー生徒のジェンダー葛藤と性別移行をめぐる実践」により博士号を取得。1997年に自分がトランス女性であることに気づき、2000年頃から性別移行を開始した。2006年よりトランスジェンダー生徒交流会を主催。

活動をはじめたきっかけ

1994年から京都在日外国人生徒交流会を主催しており(現在も継続中)、マイノリティの子どもたちにとってピアサポートグループの必要性を実感した。2003年ごろより全国各地のトランスジェンダー生徒から相談メールが来るようになり、それぞれの県の人権教育担当者と連携をとりながらサポートを行った。そのような中、トランスジェンダー生徒にとっても交流会が必要であると感じ、2006年から活動を開始した。

活動の成果

交流会では出欠などはとっていないため、正確な参加者数は不明である。ただし、毎回のトランスジェンダー生徒の参加者は10人~20人なので、15年間の参加延べ人数は1000人を越すことになる。もちろん、ほとんどの参加者はリピーターであるが、それでも実参加者数は200人以上はいるだろうと考えられる。多くのトランスジェンダー生徒が、自認する性別で学校生活を送る他の参加者の話を聞き、性別移行の希望を捨てずに学校生活を送るようになる。具体的な事例をひとつ紹介する。あるトランス女性は、小学生の頃、作文に「死にたい」と書いた。しかし、交流会への参加を通して中学・高校を女性として通学し、現在は大学生になり、後輩たちのいいロールモデルとなっている。
また、保護者にとってもピアサポートの場になるとともに、自認する性別での学校生活を送るトランスジェンダー生徒の姿は、保護者にとっても希望の存在となっている。

今後の目標

トランスジェンダー生徒交流会をはじめ、マイノリティ生徒のピアサポートグループの活動を今後も続けていきたい。また、マイノリティ生徒に生きづらさをもたらす学校や社会のありようを明らかにする研究も、今後も続けていきたい。さらに、マイノリティ生徒の姿や研究で得られた知見を広く社会に伝えていくことを通して、マイノリティがマジョリティと同等の権利を得られる社会をつくっていきたい。

コロナ禍の影響

トランスジェンダー生徒から交流会参加の機会を奪わないために、交流会の実施を最優先に考えた。そのため、タイミングをはかりながら日程を調整した。毎回の交流会は調理を伴うため、感染対策を念入りに行なった。また、キャンプの移動はマイクロバスを使用していたが、密を避けるために断念し、近畿圏でキャンプを開催した。その結果、合宿は宿泊をともなわない形にはしたものの、年度当初予定していた交流会やキャンプはすべて実施できた。

第五回 チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞 表彰式
◆日程 2021年12月10日(金)19:00開始
・プレ・トークセッション:19:00~19:30
・表彰式:19:30~20:30
・アフター・トークセッション:20:30~21:00
◆アクセス YouTubeで生配信します。参加費無料。
◆参加視聴
表彰式のご視聴・ご取材をいただける際には、公式ホームページの事前登録フォームよりお申込みください。
事前登録を頂いた方に、配信先のURLをメールでご案内いたします。
https://forms.office.com/r/Z5mkS2uXSh

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