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【25Leaders】中島かおりさん(特定非営利活動法人ピッコラーレ) CCJA2021

全国の地域社会に貢献する女性リーダーを称える「チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞(英語名称:Champion of Change Japan Award;略称CCJA)」5回目となる本年度の募集には、全国各地から203名もの応募が集まりました。一次審査を経て選出された25名のリーダーをご紹介します!

中島かおり(なかじまかおり)

特定非営利活動法人ピッコラーレ 代表理事

東京都立大学理学部生物学科修士課程を卒業後、研究職に従事。 第2子出産をきっかけに助産師を目指し、同大に再入学。 助産師として、妊娠から出産、子育てをする女性や家族の隣にいたいと医療現場や地域で活動する傍ら、 特定非営利活動法人ピッコラーレ(旧:一般社団法人にんしん SOS 東京)の運営に代表として携わる。 厚生労働省「健やか親子21(第2次)」の中間評価等に関する検討会構成員(2019年)。 
著書に「漂流女子 にんしんSOS東京の相談現場から」(朝日新書)がある。

活動をはじめたきっかけ

児童虐待死事例で最も多いのは、生まれたその日に亡くなってしまう赤ちゃん。そのほとんどが、母子手帳未交付、妊婦健診未受診という報告がある。
熊本の慈恵病院が運営する「こうのとりのゆりかご」に寄せられる相談の30%が首都圏からのものだと聞き、東京には頼できる相談先がないことを知った。孤立している母子と繋がり、行政の窓口や病院への同行や面談を実施することで、彼らを社会に繫げたい、そう考え、医療と福祉の専門性を持つ仲間たちと妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」を立ち上げた。

活動の成果

・2015年から2019年までの相談内容をまとめた、「妊娠葛藤白書」を発行(2021年1月)
・2018年の超党派成育医療等基本法成立に向けた議員連盟に初回受診料に対する補助を要望したところ、翌年より特定妊婦等に対する産科受診等支援(案) <女性健康支援センター事業の拡充> として予算化された
・にんしんSOS東京での相談対応件数は、相談者は5,191人、延相談件数は29,307件です。(2015年12月1日から2021年9月30日まで)同行・面談の回数は325件にのぼる。
・若年妊婦のための居場所の利用者は18名。(妊婦、新生児、乳児、幼児、キーパーソンとなる友人やパートナーを含む)ここでは、自分のことを自分で決めていい、その決断をしたそのままで、ひとりひとりが幸せに生きていけることを目指して、選択の種類によって居場所を分断せず、SRHRを体現している場所であることを大切にしている。

今後の目標

・若年妊婦の居場所事業の法定化と横のつながりのなかで協議会のような組織を作り、居場所のない妊婦がどこにいても安心して過ごすことができる場所が整備されるように国や自治体に働きかけをしていく。
・ 性と生殖の健康と権利の中でも特に権利のことを社会全体が考えられるような問題提起やソーシャルアクションを続けていく。
・ 妊娠に関わるひとりひとりのニーズを、市場や家族のなかで自己責任とするのではなく、それらの外部で公共的に専門的に満たすことによって、貧困の階層的な分断や固定 化を生み出さず、社会的な自由と連帯の中で満たせるような制度や地域の創造に寄与したい。

コロナ禍の影響

2020年度上半期には10代からの相談が1.5倍くらいに増加。また、2019年と比較し、2020年はにんしんSOS東京ではなかでの件数が3倍になった。
居所のない妊婦からの相談や熱がありコロナ疑いの妊婦からの相談が目立ち、住まいの支援や受診できる病院探しに苦慮した。
私たちが出会う妊婦の背景にある様々な困難はコロナ以前からのものであるが、ひとりひとりが持つ社会資本の量や予備力がコロナ禍のなかで不足してしまうことで、妊娠が抱えきれないような大きな困難になってしまっている状況が継続しており、今まで以上に生活支援の重みが増えている。

第五回 チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞 表彰式
◆日程 2021年12月10日(金)19:00開始
・プレ・トークセッション:19:00~19:30
・表彰式:19:30~20:30
・アフター・トークセッション:20:30~21:00
◆アクセス YouTubeで生配信します。参加費無料。
◆参加視聴
表彰式のご視聴・ご取材をいただける際には、公式ホームページの事前登録フォームよりお申込みください。
事前登録を頂いた方に、配信先のURLをメールでご案内いたします。
https://forms.office.com/r/Z5mkS2uXSh

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