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【25Leaders】岩朝しのぶさん(特定非営利活動法人日本こども支援協会) CCJA2021

全国の地域社会に貢献する女性リーダーを称える「チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞(英語名称:Champion of Change Japan Award;略称CCJA)」5回目となる本年度の募集には、全国各地から203名もの応募が集まりました。一次審査を経て選出された25名のリーダーをご紹介します!

岩朝しのぶ(いわさしのぶ)

特定非営利活動法人日本こども支援協会 代表理事

奈良県在住。宮城県仙台市出身。48歳
・特定非営利活動法人 日本こども支援協会 代表理事
・オンライン里親会 設立者
自身も養育里親として14歳女児と暮らしている。
2010年5月5日日本こども支援協会設立。
虐待防止活動、里親啓発、里親支援を主に活動。
講演参加者は10年で約15,000人。
代表的な活動として2016年から『“10月4日里親の日”全国一斉里親制度啓発ONE LOVEキャンペーン』を開始。2019年は67自治体が参加、一般団体37団体、全国で計104ヶ所にて約800人規模で実施。
2020年はコロナ禍の影響により路面キャンペーンを縮小しTwitterにてRTキャンペーンを実施。
2021年4月3日よりFM大阪にて虐待死ゼロを目指したレギュラー番組開始。

活動をはじめたきっかけ

先天性内臓障害児として生を受け、16回の手術を繰り返し、子どもは産めない事を中学生で告知を受ける。養育里親として子どもを受け入れた時に「心身共にこんなに傷ついた状態で託されてくるのか」と大変胸が痛みました。基本的な生活もままならない状態で暮らしてきた子ども達に「普通の家庭」で「あたり前の愛情」を日々受けていき愛着をしっかり形成する事が最も大切であり最も必要な事だと思いました。しかし日本は子ども達の代替養育を施設に8割、里親家庭2割という状況です。現在45,000人の子ども達が養護されていますがそれはこれ以上保護できる場所がないからであり、虐待通報件数の3%しか保護できていません。様々な問題が子ども達を取り巻いていますが、永続的解決、根本的解決、元を絶つ仕組みのためには里親家庭が不可欠です。そこで里親制度普及啓発活動を中心に設立しました。

活動の成果

2016年の児童福祉法改正により社会的養護における代替養育は家庭養育へと舵を切られ各自治体で啓発活動が始まりました。しかし点でしかすぎず大きなインパクトが無い状況でした。点を面にするべく、活動規模を全国へと拡大し、10月4日里親の日を軸に全国一斉里親制度啓発キャンペーンを実施、全国共通のチラシでキャンペーンをする事によりスケールメリットを生み出すことが出来ました。
今では約100自治体が参加するキャンペーンに成長し、6年目の今年も含め27万1千枚を全国で配布。各地において里親家庭、委託も徐々に増えてきました。
一昨年からは「里親不調」も比例し増加しています。里親による虐待、事故、不調は絶対に阻止しなければなりません。昨年、里親不調による平均解除率は31%にもなりました。大変大きな問題となっています。そして解除に至った里親家庭はそのまま登録抹消のケースが多く、里親登録が増えてもギブアップして減っていくという現状です。
通常の子育てと同じで「孤育て」させない環境を整えていかなければならず、しかし里親はまだまだマイノリティーで身近に仲間がいません。そこでオンラインでいつでもどこでも繋がれる「オンライン里親会」を昨年8月に設立しました。誰もが無料で利用できるピアサポートの場となります。里親は繋がりと学びの場を求めていますので里親支援の軸として内容を充実していきたいと思います。9月25日現在、里親候補者1,159名、既存の里親261名が登録。
毎週土曜日に全国オンライン里親サロンを開催、9月4日現在までに69回開催。延べ参加人数1,055名。悩みを抱えた新人里親が専門里親など経験豊富な里親よりアドバイスを受け苦難を乗り越えています。

今後の目標

暴力的な環境から保護されてくる子ども達は、自らも暴力的であったり自暴自棄であったりします。でも、里親家庭で「自分だけをしっかり見てくれる大人」の存在に出会い心身共に安定してくると、勉強や様々な事に興味を持つようになります。社会に出ていった後も、実家のように帰ってくる場所があり悩みも相談できる。些細な事では躓かなくても生きていけるようになる。その後の人生においても永続的に影響があります。
里親制度が次世代の虐待防止につながります。
しかし、里親は色々な悩みを抱え、それを相談できずにいます。委託後1年以内に約31%がギブアップしていくという現状を支えていく事が必要です。
そんな里親に日本こども支援協会は寄り添っていきます。
しかし私たちが目指しているのは「里親がたくさんいるから虐待を受けた子どもが増えても大丈夫ですよ」という社会ではなく、『そもそも里親が必要とされない社会』を目指しています。

コロナ禍の影響

コロナの影響により、里親家庭同士の交流や研修が全て中止され、特に新人里親で委託直後の里親たちは途方に暮れ「もう限界」と行き詰っていました。そのSOSをSNSで発見しすぐにオンライン里親サロンを開催、SNS広告等により周知し、参加してもらいました。
参加者も徐々に増え、多くの里親が藁をもすがる思いで相談に来て、終わる頃には笑顔で「また来週!」と退出していくのを見守っています。コロナ対応で開催した事でしたが、今になって思うのは「これは以前から必要だったものなのではないか?」という事です。
全国で繋がってみると「北海道は毎年冬は雪があるので集まれないんです。」という話が出た際に「秋田もです」「新潟もです」「青森もです」と、いう意見をきき、アフターコロナでもこれは引き続き必要な事なのだと思いました。そして断続的に続く緊急事態宣言により、国から子どもの養育を委託されている里親は子どもを守る責任があるので必要と分かっていてもリアルでは研修が開けません。そこで11月からは社会的養護、児童福祉の権威である大分大学福祉健康科学部 相澤 仁教授の全面協力を得てオンラインセミナーを開催して参ります。

メッセージ

大変光栄な機会をいただきましてありがとうございます。

第五回 チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞 表彰式
◆日程 2021年12月10日(金)19:00開始
・プレ・トークセッション:19:00~19:30
・表彰式:19:30~20:30
・アフター・トークセッション:20:30~21:00
◆アクセス YouTubeで生配信します。参加費無料。
◆参加視聴
表彰式のご視聴・ご取材をいただける際には、公式ホームページの事前登録フォームよりお申込みください。
事前登録を頂いた方に、配信先のURLをメールでご案内いたします。
https://forms.office.com/r/Z5mkS2uXSh

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