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【日記】2月の光は時々意地悪だから、見つからない言葉〜青ブラ文学部〜

恐ろしくまばゆい午後、
思考がとっちらかって
どうもまともな1つにならない。
新しく書くのは諦める。
と言って、
用意していた過去作を眺めても
投稿ボタンを押す気になれない。

仕方がないからキッチンへ。
La Flamusse(ラフラミュッス)を焼く。
クラフティと何が違うのか、
うん、私が聞きたい。
多分、ほぼほぼ一緒だろう。
フランとかフロニャルドとか、
きっと作られた場所での呼び名の違いでは。
まあ、美味しければそれでよし。

ラフラミュッスはブルゴーニュ地方のお菓子

そうそう、
出来上がったそれは恐ろしく膨らんでいた。
だけどあっという間に凹んでしまった。
……今の私の気分みたいだ。

ため息をひとつ。
指の間からこぼれる言葉を横目に
漂う白昼夢を追いかける。
お気に入りの本と刺繍のセットを持って
天井が高くて静かな部屋にしばし逃避行するとか。
ああ、そんな部屋に似合うのは
真っ白で小さなレアチーズケーキかなあ。
菫の砂糖漬けをのせたらなおいい。

私の庭には春、野生の菫がたくさん咲く。
いくらでも砂糖漬けにできるけど
それは思う以上に手間のかかる作業だ。
でも作らないとやっぱり後悔する。
今年はまたちゃんと頑張ろう(写真は一昨年の)。

水色のミニバケツはお気に入り
厄介な作業も出来上がった花を眺めれば知らず笑顔になるというもの

と書いていたら、山根さんの企画が。
なんだかとっても「今」の感じだ。
なのでありがたく便乗させていただくことに。

早春はどうも前のめりになる。
気が急いて浮き足立って。
伸ばした手は空を切るばかりで
何一つ掴み取れないし、
唇は戸惑うばかりで音を知らない。

この感情をなんと呼べばいいのか、
束の間の、一瞬のきらめきにも似た
2月の日差しの中で途方に暮れる。
あふれ出す想い、萌え出づる春、
ロマンチックの一歩手前はいつだって切ない。


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