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【詩】風の色〜シロクマ文芸部〜

風の色が何色だったのか
覚えているはずだった
 
君が大好きなスミレの色だ
いや、違う
君の瞳と同じ青空色!
ああ、そうじゃない
君が着ていたドレスの白?
待て待て、そうだ
君がそっと差し出してくれた
フランボワーズと同じだったかも
 
かも
かも
かもばかり
 
でもきっと
それでいいのかも
 
あの日世界は色にあふれていて
幸せという意味を伝えんと
風は僕らの間で大忙しだった
 
すべての色が君の色
君のための色
僕にとって至上の輝き
 
なのに
そんな風はどこに行ったのだろう
もう吹いていないのか
それとも
 
風を想う僕の胸がチリリと焼けた
甘く痺れるような微かな痛み
忘れてしまったというのは
なんと都合の良い言葉だろう
 
でもきっと
それでいいのかも
 
喜びは綺麗に畳んでしまいこもう
風の色が何色だったのか
それはもう二人だけの秘密
 
 

前回の「月の色」、書きたかったのに
イベントで忙しくて書きそびれ、
と〜ってもと〜っても残念でした。
そんな私、ラッキーな今週のお題に小躍り🎶
張り切って参加させていただきました!


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