「人のさいご」本の発刊について
当協会が支援しているCCH総合診療プログラムの基幹施設である桜新町アーバンクリニック/桜新町ナースケア・ステーション(東京都世田谷区)が制作した小冊子「人のさいご」が、6月に発刊されました。
人の最期はどのような変化が起こるのか、ご本人向けとして丁寧に綴った本です。
クリニックでは販売することが難しいため、当協会が販売元となってお手伝いすることになりました。今年5月に中日新聞・東京新聞に取り上げていただいたことから、予想はるかに超える反響をいただき、長らくSOLD OUT状態となっておりましたが、いよいよ7月から再販します。
「人のさいご」とは、どんな本?
これまで意外となかった、ご本人が読むことを前提として「人が亡くなるまでにどんなことが起こるのか」が書かれたものです。
人が病気や老いで変化し最期を迎えていく過程を、ご本人にも、ご家族をはじめとした関わる全ての人にも伝えられるように、看護師たちが曖昧ではなく分かりやすい言葉を選んで優しく丁寧な文章にし、手に取りやすいものにとこだわって、小さな1冊の本にしました。
制作した背景と目的
最期まで自分らしく過ごしたいけれど、どんな変化が起こるのか?
最期を迎える場所について、病院ではなく「自宅」を希望する人が約6割*を占めるという調査結果があります。
「老衰」が死亡原因の3位という高齢化が進む近年において、できるだけ自分らしく、住み慣れた地域や家で最期まで過ごしたいと願う人が増えているのだと思います。
一方で、長く患者さんに寄り添う在宅医療の医師・看護師たちは、最終段階に近づいていくと、患者さんや家族がその変化に不安や緊張が高まり、動揺して戸惑ったり、本来患者さん本人が望んでいなかったような選択肢を選んでしまったりする場面をたびたび目にしてきたといいます。
ご本人が分からないことで不安や緊張が募ってしまう前に、起こる変化を知っておくことで、残された時間をよりかけがえのない時間にできるのではないかー
長年に亘り在宅医療でお看取りまで経験してきた桜新町アーバンクリニック/桜新町ナースケア・ステーションの看護師たちが、実際に患者さんやご家族から数々の声を聴き、その想いを強くし、この1冊の本に綴り発刊しました。
きれいな挿絵のイラストは、水上多摩江さんによる銅板画です。
ご縁があって、この本のイラストをお引き受けいただきました。
ぬくもりが伝わるかのような、目で見て楽しめる、美しいイラストです。
*日本財団「人生の最期の迎え方に関する全国調査結果」2021年より抜粋
年齢は関係なしー高齢者にも若い人にも知ってほしい大切なこと
自分の人生の最期を想像したことはあるでしょうかー
この記事を読んで下さっている方の中には、いろんな状況の方がいると思います。
ご自身のこと。大切な人の最期を経験したり、想像したこともあるかもしれません。もちろん、これまで自分事として考えたこともなかった、という方もいるのではないでしょうか。
また、人が亡くなるまでの過程を読むと、暗い気持ちになりそう、と思われるかもしれません。
確かにこの本は、専門職の知識と経験に基づいて、その経過においてどんなことが起こるのかが、きちんと書かれています。
ただ、「人のさいご」を読み終えてみてハッとさせられるのは、この本を読むと自然と「最期までどう生きたいか」を考えていることです。
優しく語りかけられるような丁寧な文章から、「こんなことが起こるけれど大丈夫、自分らしく生きてね」と言われているかのようです。
自分を支えてくれる人がいて、一緒に過ごす時間に感謝して大切にすること。自分の良い変化も悪い変化も理解して受け止めること。いかに限られた時間で、心が満たされることや好きなこと、やりたいことを実現していくかを考えること。
誰しもがいつかは最期を迎えます。
この本を手に取ってくださった方が、少しでも自分らしく過ごせるように。
年齢に関係なく、人の命や生き方について考えるきっかけになってほしいと願っています。
ご自身と大切な誰かのために、お役に立てたら幸いです。
「人のさいご」ホームページ・購入について
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