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定義出来ない関係性

Happy Birthday🎂

こうして、彼の誕生日を祝うのはもう何回めなのまかっかろうか。

一番最初は、見栄を張ってお台場のホテルを予約して。ケーキはサプライズで運んでもらって、蝋燭で♡なんて作って。プレゼント🎁は勿論奮発したブランド物のネクタイ👔
朝まで、お酒を飲んで翌日はシルク・ド・ソレイユ観に行ったっけ。

そんな若さ溢れる誕生日祝いをプレゼントしたのなんて、もう8年以上も前だ。

当時は、私にとっての全てだった彼。
遠距離恋愛も本当に必死だった。
金曜日の夜には、お金も無いのに毎週新幹線🚄に飛び乗って。
新卒の時に華金だからと、飲みに歩いた記憶は余りない。帰りは東名高速を使って、東京まで送ってくれた彼。
深夜をかけて名古屋まで戻って、そのまま働きにいく彼。私にとっては、これ以上無いくらい愛してもらったし、愛した。

だけど、私たちは結婚しなかった。
正確には「結婚出来なかった」に近い。
駆け落ちすればどうにかなったのかもしれないけど、そんなに簡単な事情では済まされなかった。

世の中は、残酷だ。
全てを恨んだ。
どちらも好きだと分かっていたのに。

「来世では、絶対に結婚しよう」

名古屋で半同棲した、沢山の想い出が残る部屋の最終日。
2人で、月夜が差す中どちらとも無く発してた。
そこからは、互いの身体を貪りあった。
互いにこの部屋を退去したら、もう一緒に居られなくなることだけは、分かってた。
それでも私たちは「別れよう」だけは、言わなかった。言えなかった。

その後、彼が東京に戻ってきてから、私も部署異動が重なり遠距離恋愛になった時よりも会わなくなった。
毎日のテレビ電話も無くなり、LINEも平気で2,3日しなくなっていた。
だからいつ別れたの?と周囲に聞かれると、今でも私は友人にこの時期を告げている。

それでも、2人が付き合った記念日と互いの誕生日だけはずーっと祝い続けてた。
お互いに、距離感を計りかねた時もあったけれど。
漸く親友となり、互いにとっての彼氏-彼女と言う関係ではなく接することが出来るのに5年は要したのだろうか。

とは言え、周囲にこの関係性は1ミリも理解されないこともまた分かっている。
私たちは、名古屋の部屋でのSEXを最後に1回も身体を重ねていない。
ただお互いにとって、家族以外で1番大切でかけがえのない存在なのだ。

「まるで織姫と彦星みたい」

とはいえ、私にも今は大事にしたい彼氏も出来た。
彼には本当に感謝しないといけない。
私が欠けたパズル🧩のピースを埋めるように重ねて見てしまって、「彼自身」ときちんと向かい合うことが出来ていなかった時も喧嘩しながらだけどずっと向かい合ってくれていた。
そして何より元彼と言う名の親友と言う存在を、容認してくれたのだから。

「俺は、その親友とお前が仮に何かあったんだとしてもそれで壊れるような関係性ではない関係を築いてきた自信がある。」

やっと、前に進める気がした。
過去の恋愛に囚われていた自分の時が、少しだけ動き出した。
きっと互いの誕生日は祝い続けるのだろう。
誰よりも大事な友人として。

定義が出来なかった関係性にも、漸く名前がつけられそうだ。

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