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第246号(2023年12月4日) ロシア軍の総兵力が17万人増へ


【今週のニュース】イランへの軍用機輸出契約を締結 ほか

「ミスティック」が現役復帰?

 ソ連時代に開発されたM-55をロシア軍が偵察機として運用し始めたのではないかという観測が出ている。「ミスティック」のNATOコードで知られたこの航空機はミヤシーシェフ設計局によって開発され、1988年に初飛行した。1982年初飛行のM-17を双胴化したもので、どちらも米国の高高度偵察気球を撃墜することを目的として開発されたものの、気球によるソ連偵察プログラム自体を米国が中止してしまったため、その後は高層大気圏の観測用に使われてきた。
 しかし、最近、このM-55がSu-34戦闘爆撃機用のUKR-RT電子偵察ポッドを搭載した状態でいる様子がジュコウスキー飛行場で目撃されており、偵察機器のテスベッドか、さもなくば偵察機そのものとしての運用が行われている可能性が出てきた。

改良型Su-34の配備

 11月22日、ノヴォシビルスク航空機工場はSu-34戦闘爆撃機をロシア空軍に納入した。数は明らかにされていないが、2023年に入ってからは3回目の納入であり、これによって2020年に契約された24機分の納入が完了したと見られる。また、来年以降は納入量を大幅に増加させる予定であるとしている。

 なお、これら24機はSu-34NVOという改良型で、ロシア空軍への配備は2021年から始まった。UKR-RT電子偵察ポッド(前述)など3種類の偵察システムを搭載できるほか、レーダーや照準システムが改良され、より多様な精密誘導ウェポンが搭載できるようになったタイプであるという。

新型偵察衛星ラズダンの打ち上げ成功

 11月25日、ロシア航空宇宙軍の宇宙部隊は、アルハンゲリスク州のプレセツク宇宙基地からソユーズ2.1b中型ロケットを打ち上げ、ペイロードの軌道投入に成功した。ペイロードは国防省向けとされており、軌道投入後にコスモス2572の識別記号を与えられた。
 コスモス2572の正体は通常の軍事衛星打ち上げと同様、明らかにされていない。ただ、その重量が約7tとかなり大きく、尚且つ太陽同期軌道(SSO)に投入されたことからして、光学偵察衛星であろうとみられており、新型のラズダン偵察衛星であろうと観測する向きが多い。

 14F156ラズダンは現行の14F137ペルソナに代わる第4世代の電子光学偵察衛星であるとされる。当初は2019年に1号機を打ち上げ、2022年と2024年に2-3号機を打ち上げる予定であったようだが、何らかの理由で今回が初の打ち上げとなった。また、当初の予定では3号機から直径2mの巨大な主鏡を搭載して米国のKH-11シリーズに相当する超高分解能を達成する予定であったというが、今回打ち上げられたコスモス2572の性能がどれほどのものであるかは明らかでない。このほか、保秘高速無線通システムが採用されたことが大きな特徴であるとされる。

イランへの軍用機輸出契約を締結

 長らく懸案であったイランへの軍用機輸出契約が締結された模様である。11月28日にイランのタスニム通信がファルヒ国防次官の発言として伝えたものをロシアのマスコミ各社が報じている。
 これらの報道によると、イランに輸出されるのはSu-35S多用途戦闘機、Yak-130高等練習機、Mi-28N攻撃ヘリコプターで、数は明らかにされていない。また、ロシアの国営武器輸出公社であるロスオボロンエクスポルトはこの情報に関して『ヴェドモスチ』紙が試みた取材に対してコメントしなかった。

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