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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略(定期購読版)

ウクライナ戦争の行方やロシアの軍事力について、毎週月曜日に配信します。単独の記事のみ購読したい方はこちらをどうぞ(https://note.com/cccp1917/m/m59a…
毎号買うのめんどいという声が割とあったので定額版を作ってみました。
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#ドローン

第261号(2024年4月8日) ロシア軍需産業のボトルネックは?

【今週のニュース】NATOが「トランプ対策」の1000億ドル基金を検討中 ほかヤルスICBMによるパトロールを実施  4月1日、国営通信社「RIAノーヴォスチ」は、ロシア戦略ロケット部隊(RVSN)のヤルス道路移動型ICBMがアルタイ共和国でパトロールを開始したことを報じた。パトロールを実施したのは「バルナウルのロケット兵団」とされているので、第39ロケット師団のいずれかのロケット連隊による核抑止任務であろう。 「RIAノーヴォスチ」によると、パトロール距離は最大100k

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第233号(2023年8月21日)もし沢(もし毛沢東がウクライナ軍を指揮したら)

【今週のニュース】米国のイラン関与政策とロシアへのドローン供与問題『ファイナンシャル・タイムズ』によると、米国はイランに対し、ロシアへのドローン供与を取りやめるよう迫っている。これはイランが拘束しているイラン系米国市民を刑務所から自宅軟禁へと移すための交渉と並行して行われているといい、バイデン政権の対イラン関係改善政策と一体のものであるようだ。  ちなみにイランとロシアの間では最近、何かと隙間風が目立つ(以下参照)。米国のイランに対する関与姿勢は、その原因と結果双方の性質

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第232号(2023年8月7日)ロシア「ドローン対策法」成立の傍ら、ウクライナはドローン攻撃を続行

【今週のニュース】ロシア「ドローン対策法」成立の傍ら、ウクライナはドローン攻撃を続行ロシア、2023年の国防支出を倍に  ロシアが2023年度の国防費を激増させたという。ロイター通信が入手した政府のない文書に基づく報道であるといい、当初予算では4兆9816億ルーブルであったものが、最終的には9兆7000億ルーブルまで膨らむ見込みであると記載されていた。  これはなかなかの数字である。このメルマガでも度々取り上げてきたように、従来のロシアの国防費は概ね3兆ルーブル台であり

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第226号(2023年6月19日) ウクライナの反転攻勢難航の背景

【インサイト】ウクライナの反転攻勢難航の背景分厚いロシアの防御体制  6月初頭に始まったウクライナの反転攻勢は、率直に言って難航していると言えるでしょう。前号でも書いたように、ヴェリカ・ノヴォシルカを発起点とする攻勢が始まったのが今月4日頃。続いてオリヒウを発起点とする攻勢が7日に始まりましたが、これ以降、ウクライナ軍はごく限定的にしか前進できていません。ほぼ2週間かけてロシア側が主抵抗線にするつもりであろう要塞地帯にさえ辿り着けていないというのは、かなりの苦戦であることを

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第224号(2023年6月5日)ロシア本土への攻撃 本当のターゲットは米国(かもしれないという話)

【今週のニュース】日本からウクライナ向け砲弾用の火薬を調達?ロシア 徴兵年齢の変更に関する法案が審議入りへ  第214号で紹介したように、ロシアでは3月に徴兵年齢の変更に関する法案が下院に提出されていた。従来、18-27歳の間とされていた徴兵対象年齢を21-30歳に変更するというもの。移行期間にあたる2024年には対象年齢が19-30歳、2025年には20-30歳となり、最終的には2026年移行、21-30歳に固定することが想定されている。  法案を提出したカルタポロフ下院

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第220号(2023年5月8日)クレムリンへの自爆ドローン突入と盛り上がらない戦勝記念日

【今週のニュース】ウクライナ軍反攻をめぐる見通しロシアとウクライナそれぞれの損害  5月1日、米国家安全保障会議のカービー戦略広報担当調整官は、昨年12月以降のロシア軍の損害に関する見積もりを発表した。これによると、過去5ヶ月間におけるロシア軍の戦死者は2万人以上に上り、うち半分が民間軍事会社「ワグネル」の囚人戦闘員であるという。また、負傷者は8万人以上ともカービーは発言している。  一方、その翌日には、ロシアのショイグ国防相がウクライナ軍の損害状況に関する見積もりを発表

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