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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略(定期購読版)

ウクライナ戦争の行方やロシアの軍事力について、毎週月曜日に配信します。単独の記事のみ購読したい方はこちらをどうぞ(https://note.com/cccp1917/m/m59a…
毎号買うのめんどいという声が割とあったので定額版を作ってみました。
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#日本

第274号(2024年7月29日) 進む日欧軍事協力とロシアの出方

【今週のニュース】ロシア軍の戦死者数の実態は? ほかウクライナ東部戦線の状況が急速に悪化  広く報じられているように、ルハンシクからドネツクにかけてのウクライナ東部戦線の状況が急速に悪化している。特に今年2月に陥落させたアウディーウカ西方におけるロシア軍の進撃ペースは早く、プログレス(プロフレス)付近では1日に6kmというかつてない速度でロシア軍が進撃したという。当面の攻略目標は道路網の結節点であるポクロウシクであろう。バフムト西方でもチャシウ・ヤールをめぐる激戦が続く。

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第273号(2024年7月22日)「プーチンの平和」を拒絶するために 非・超大国なりのリアリズム

【インサイト】「プーチンの平和」を拒絶するために 非・超大国なりのリアリズムウクライナのNATO加盟をめぐる議論  7月9日から11日にかけて、米国でNATO首脳会合が開かれていました。  これに先立ってはNATO事務総長の交代が決まったり(現在のストルテンベルクからオランダ元首相のルッテへ)、3年連続で日韓の首脳が参加したりといったことはあったものの、ウクライナ支援に関しては今ひとつピリッとするところが少なかったように思います。  まず挙げられるのはウクライナのNATO

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第271号(2024年7月1日)ロシアの中距離ミサイル開発・配備と新たなデカップリング問題

【今週のニュース】カリーニングラードの海軍航空隊戦闘機部隊が航空宇宙軍へ移管  ロシアの軍事シンクタンク、戦略技術分析センター(TsAST)によると、バルト艦隊航空隊第34混成航空師団隷下にあった第689戦闘機連隊が航空宇宙軍(VKS)に移管された模様である。同連隊はカリーニングラードのチカロフスク飛行場を拠点とする戦闘機部隊であり、2011年にも一度VKSに移管されたが、2018年には再び海軍航空隊所属となっていた。今回の措置により、第689戦闘機連隊はVKSの第6航空

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第265号(2024年5月20日) 北方領土と北太平洋の地政学

【インサイト】北方領土と北太平洋の地政学北方領土・千島列島に監視システムを配備?  5月3日、ショイグ国防相(当時)は、クリル列島(北方領土と千島列島を合わせたロシア側の呼称)に太平洋艦隊用の電波監視哨を設けると発言しました。ロシア軍指揮官たちとの会合の中で出たものです。ショイグによれば、今回のウクライナ戦争では黒海艦隊の電波監視哨からの情報でドローン80機以上、無人水上艇20隻を破壊できたとのことで、同じようなものがクリル列島にもなければならない、という趣旨でした(この

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第262号(2024年4月15日) ウクライナ動員法改正、「核兵器禁止条約の登り方」ほか

【今週のニュース】ウクライナで改正動員法がついに可決 ほかロシア軍需産業に対する中国の支援 『フィナンシャル・タイムズ』によると、中国はロシアの戦争遂行能力を強化するための支援を強化している。同紙に対して米政府高官が語ったもので、主に巡航ミサイルやドローンのエンジン、弾道ミサイル用工作機械、半導体(戦車・ミサイル・航空機用半導体の輸入分中約9割)などが含まれるという。また、中露によるドローンの共同生産、中国からロシアへの衛星画像の提供も行われている。  その背景には、ロシ

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