エヴァとアドラー
この前Netflixで久しぶりにエヴァ旧劇『Air/まごころを、君に』を観たんだけど、
アドラー心理学要素満載だったことに驚いた。
全ての悩みは対人関係の悩み。
対人関係のトラブル事例集めました…みたいな。
ヒト同士が関わることで生まれる悩みから、ゼーレやゲンドウは解放されたかったんだなあ。
シンジくんはただでさえ他人と関わることに臆病なのに、
対人関係のトラブルにはちゃめちゃに巻き込まれ過ぎて本当に気の毒だった。
必死で逃げてたのにいきなりとっ捕まえられて、ぶつかり稽古させられてるようだった。
地球代表として全人類の対人関係規範を決定できることになってしまうなんて酷すぎる。
やっと心を開けるようになってきた他人を次々に失ったシンジくんに、カヲルくんを送り込んだゼーレのやり口は本当に汚い。
好きな人に殺してって頼まれるなんて絶望しかない。
僕が死ねばよかったんだ、ってそりゃ思うよ、私だったらそう思う。
ただ、シンジくんに同情していてはいけない。
それがエヴァからの厳しいメッセージだと思っている。
他人と関わると心が傷付いて立ち直れなくなることも多いけど、
だからといって立たせてくれる誰かを待っていてはいけない。
励ましてくれる人、手を差し伸べてくれる人はいても、
その人の力を借りてでもなんでも、
「立ち上がるか」を決めるのは自分なのだ。
その勇気を持つか、持たないか。
デストルドー限界値ののシンジくんを引きずりまわすミサトさんを見ていて、
こんな人はなかなか現実にはいないよ、感謝しろよシンジって思った。
ミサトさんとのシーンは「大人のキス」のせいで
ついそこまでのセリフがぶっ飛んでしまうけど、
「自分で決めた、ということは価値のあること」という言葉が私はとても好きです。
エヴァを観ると「私はここにいていい」という自己肯定への憧れや
「自分を幸せにするのは自分」という自由意志の素晴らしさと残酷さを感じて、いつも刺激をもらう。
ユイさんの「生きていればどこでも幸せになれる」は、
あんなに優しい声でめちゃくちゃ骨太なこと言ってくるよな、
とその半端ない強さに恐れ入る。
新劇でも、人付き合いから逃げてる人をギクッとさせるメッセージを感じているので、
私自身、エヴァが定期的に公開されているこの20年あまり、定期的な戒めになっているかも笑
シン作、楽しみだなぁ〜
・その他雑感
ミサトさんが最期に爆発させた親心の不器用さ、未熟さ、必死さ、そして最期に加持さんのことを想うというか弱げなところに泣かされました。歳近いせいか今までになく感情移入した。
同じく歳近なリツコさんのシーンは、今と言わず昔から大好きです。あの情緒豊かな切ない展開、堪らない。スパコンまで立派なメインキャラに仕立てられてるのが素敵。カスパー…… お前……!!ってなる。
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