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置かれた場所で咲く

最近、年の瀬ということもあって

この先どう進んでいこう、どう在ろう、みたいなことを考えている。


これまでの人生、自分の進みたいように自由に進んできた。

レンガの校舎と穏やかな校風に憧れ、11歳ながらに「行きたい!」と強く思った中高。受験が必要なんて知らなかったものだから、小6の1年間、人生で一番真面目に勉強した。

文学部、経済学部……いろんな学部を見て回る中で、どうせ4年間勉強するものを選べるなら1番興味があるものがいいと思って選んだ音楽学部という進路。世間や先生から見れば特殊な第一志望ではあったけど、そこまで音楽を学ぶことに執着はなくって、併願は文系の学部。志望校調査の度、純粋に面白そうと思った順番に学部を並べた。本当に運よく第一志望に合格。

大学は、才能溢れる個性豊かな友達に囲まれ本当に恵まれた環境だった。一方で、自分のつまらなさというか味気のなさや、平凡さにため息が出ることもあった。

音楽学部に行ったものの、入学前から、当たり前のように卒業後は就職する気でいたし、進路を家族に相談する時も、そう説明していた記憶がある。言葉通り、一般企業に就職。幸いにも音楽に携われる仕事に就いた。

その仕事は結婚・引っ越しに伴って3年で辞めてしまったけれど、社会常識のなさや自分のダメな所が全部丸見えでご指摘・叱咤をいただく毎日(今ではありがたく思っているし、そういう環境は貴重だったけど、当時は本当に毎日落ち込んだ)、加えて初めての一人暮らしと遠距離恋愛で、今思えば心がギリギリの状態で生きていた。それでも数週間後のデートまでの日数を指折り数えたり、近所の雑貨屋巡りを楽しんだり、少しいい紅茶を仕入れてみたりと、チマチマ心を回復させて過ごした。


ずっと住んだ居心地のよい関東と最後まで貢献しきれなかった仕事を手放し、京都に住むことは一大決心だった。コロナで自粛モードの中、誰にも会わず(会えず)、ひっそりと引っ越しした。


自分が選んだ道は正しいと信じて進んできたし、これまでの選択には満足している。けれど、それでも「なんで今こんな制作してるんだろう」「なんでこんな仕事してるんだろう(特にトラック運転や寒い倉庫での1人作業)」と思ったりだとか、現状に不満を憶えることは多々あった。そういう時は「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を心に薄ら浮かべては、「どんな場所でも生きていってやる!」と耐え忍んだ。(と言いつつ、その本タイトルしか知らないので主旨はわからない……)「とりあえずの3年」を信じ、早く結婚したいと思いつつも丸3年は退職を待ったし、基本的にはどんな環境でもある程度の期間頑張るべきだと思ってきた。

けど最近、”咲く場所”選んでいいんじゃない?と思うようになった。

こんなに心が自由でいられるのは間違いなく、自分一人で生計を立てていないからなのでパートナーには超超超感謝している。実際、私の家計への貢献度は圧倒的に低い(その分家事には貢献するよう努力していますが……)。

今は、教材作成パート(来年から週4フルタイム)、飲食アルバイト(パートが増えるので今月で辞める)をしつつ、ありがたいことにまたご縁をいただいて、前職のコンサートのバイト(不定期)をかけ持ってふらふらと仕事している。半年前まで正社員としてバリバリ働いていたのと比較すると、「こんなに精神的に負担がなくて、定時で帰れて、年末年始も休みでいいのか???」と不安になってしまうくらい穏やかな生活。

そんな今、仕事内容や環境への満足度がかなり高いのは確かだけれど、自分の人生、ずっとこのまま進んでいって、果たしてこれでいいのか……と疑問に思ったりもしている。正直、稼ぎが足りん!という気持ち(焦り)も入り混じっているけど、なんというか、せっかく人生で1番時間も心の余裕もあるんだから、もっと挑戦出来ることがあるのでは……と。

具体的にどうっていうものはまだないのだけれど、たっぷり自分の好きなものに囲まれて、感性に従順になりながら、それでいて人を幸せな気持ちにできればそんなに贅沢なことはないと思う。最近、甲斐みのりさんの『京都おでかけ帖』を読み直していてそんな思いが強まった。

幸いにも、京都には心躍るものがたくさんある。小1時間の散歩でも、愛しいものに出会える。なんなら三方山に囲まれている場所に住んでいるというだけでときめく。甲斐さんのように素敵な言葉は紡げないけれど、京都で出会った好きなものを発信を出来たら幸せかもしれない。その場所として、ぴったりはまるかわからないけどこのnoteを使っていってもいいかなと思った。

なんか残しておくのも違うなって思ってこれまでの記事は消しちゃった。


写真:少し前にお迎えしたチェッカーベリーの苔玉。この子が来てから、南向きの窓からさす光がより優しい。

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