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自粛の逆境も楽しむ! ブランニューノーマルな働く女性のオシャレ

みなさん、こんにちは。猛暑と熱のこもるマスクに苦しんだ夏も終わりを迎え、少しずつ過ごしやすくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか! 自粛も少しずつ緩和されてきて、外出が心地よくなってきました。今回取り上げるのは、そんな今日この頃に気になる「ニューノーマルなオシャレ」について、です。

活気も戻ってきた街を歩いていて近ごろ気になるのが、金髪はもちろん、ピンクや赤、パープルといった色に髪を染めた人が増えていることです。髪全体を染めている人もいれば、インナーカラーやバングカラーのように一部だけ染めている人も見かけます。茶髪に始まった髪染めも、どんどん多様化してきているのかも。実際はどうなのでしょうか。早速データを見てみましょう。

ヘアカラーの色が変わったきた

 [データ概要]
・女性20-30代
・カラーリング剤:色別金額構成比とリフト
・コロナ期間(2020/4/1〜2020/6/30)と前年同時期との比較

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グラフは、4〜6月のコロナ禍と昨年の同時期で、20〜30代女性に買われた髪染め商品の色別の金額構成比を示しているものです。グリーン、パープル、ピンク……と様々な色が購入されていますが、そのなかでも特にグレーやグレージュといった淡い色が大きく増えていることが分かります(グレーに至ってはなんと約350%!)。いっぽうで、これまで主流だったはずのブラウンは減っています。

購入者の中でも、この期間に初めてブラウンやブラック以外の”色”を購入した人はどんな人なのかもデータで見てみると……未婚で家族と同居している人が多く、ドライブ、カラオケ、映画、読書、海外旅行……と多趣味なのが特徴です。美容と癒しに関心があり、メイク雑誌やネイル、レッグ・フットケア用品を購入しているようです。いっぽうで資格試験を受けたり、コロナ禍には英語や海外絵本、自己啓発の書籍を購入したりと、成長意欲が高く活動的なように見受けられます。

”自粛”という制約を、オシャレで楽しむ

これまで女性たちは、制約のなかでオシャレを楽しんできました。女子高生は制服という規則の隙間をぬってルーズソックスを楽しみ、働く女性は落ち着いたビジネス・ジャケットにピアスやネイルといったワンポイントを楽しみました。あるときはルールを逆手にとり、またあるときはルールの隙間をぬって、オシャレによって自分らしさを表現してきたのです。今回、コロナ禍において彼女たちが髪染めにトライしたのは何故なのでしょうか? どんな制約のなかで淡い色を楽しんだのでしょうか? データからは、2つのインサイトが見えてきます。

制約① 外出自粛→「気持ちを少しでも軽くしたい!」
これまでは外に出ずっぱりで働いていたのに、自宅に籠もらざるを得なくなった彼女たち。実家住まいだと親とずっと一緒にいることになり……伸び伸びと自宅で過ごせず、気持ちは重くなりがちです。そんな気持ちを少しでも軽くしてオシャレを楽しみたい!外出が減ってファッションで楽しめない分、髪で変化を付けたい!…という気持ちから、画面越しならそこまで目立たないであろうグレーやグレージュ、パープルといった淡色の髪染めが選ばれたのかもしれません。

制約② モニター内の自分→「バストアップのオシャレ」
リモート会議が増えると、オシャレを楽しめる範囲は極端に狭くなります。PCのモニターに映るバストアップ、かつ正面からの見た目に絞られ、靴や洋服はもちろん、後ろ髪に注力されがちな髪型でもオシャレをすることは困難になります。また、画面越しの打合せだと自分の姿を見る機会が増えるので、自分にも飽きてしまいがち。そんな制約のなかでも楽しめて、モニター越しでも「変わったね!」「かわいいね!」と言ってもらえるようなオシャレ。その発露として、髪染めが選ばれたのではないでしょうか。

オシャレを楽しみたい。できる範囲のなかでも楽しんで、誰かに気付いてもらいたい……そんな制約と願望の狭間でバランスを取る。色々な人に会い色々なことに挑んだ活動的な彼女たちが選んだのは、絶妙に狭いスィート・スポットを突くようなバランス感覚の取れたオシャレでした。

ヘアカラー①

今後生まれてほしい! ニューノーマルなオシャレ

制約のなかでオシャレを楽しむ女性たちから、ニューノーマルなオシャレの未来像が見えてくるのではないでしょうか。彼女たちがどんなかたちでオシャレをし、自己表現していくのか。今後求められるであろうオシャレを考えてみました。

レンタル・オシャレ定期便
メガネ、ピアス、ヘアバンドなど、(リモート打合せでモニターに映る)バストアップのオシャレアイテムが、毎週送られてくるサービス。色々試して気分転換や遊びを楽しむことができ、気に入ったら購入。特に気に入らなければ翌週に返却。自宅までお届け/引き取りを(生協のように)してくれるので、外出自粛に合って負担も少ないサービスです。

ペアピアス
特定の誰かと親密な関係であることを示す、ペアルック。結婚やカップルがつける指輪や、音楽ライブに一緒に行く友人と着るTシャツなどがこれまでは主でしたが、どちらも、直接会って細部や全身を見ないとペアであることが伝わりにくいものです。今後は、バストアップしかモニターに映っていなくてもペアであることを示せる、かつマスクを付けていても隠れないペアピアスが流行るのではないでしょうか。

サイニング・オシャレ
オシャレに気をつかいながら勉強や自己啓発などにも関心の高い彼女たち。モニター内で自分たちの関心や主義思想を提示することが増えるのではないでしょうか。例えば、「小動物の殺処分ゼロに反対を示す◯◯色のバンクカラー」「SDGsの活動をしていることを示す◯◯型のピアス」といったサイニングのオシャレが増えていくかもしれません。

ヘアカラー②

新型コロナウイルスの第二波、第三波が不安視されるなか、私たちは3~5月のように家から殆ど出ない……というようなことはなくなりました。しかし、外出の際にはマスクをし、ことあるごとにアルコール消毒を行い、安全に気をつけながら外出や観光といった経済活動を継続していくことになります。相反する自粛と活動を、同時並行していくことになるのです。

そんななかコロナ禍のニューノーマルは、これまでと変わったもの(マスクや消毒アルコール)と、これまでの傾向が加速したこと(デジタル化、合理化)の、ふたつの日常習慣が折り合わさっています。変わり続ける日常を敏感に感じ取りながら、制約を楽しんでいく彼女たちのオシャレから、”ブラン”ニューノーマル(brandnew normal)の片鱗もまた見えてくるのではないでしょうか。

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