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エヴァンゲリオンに学ぶ強迫症へのカウンセリング

強迫症に有効とされるカウンセリングの一つに認知行動療法があります。今回は強迫症になぜ認知行動療法によるカウンセリングが効果的なのか解説していきたいと思います。認知行動療法カウンセリングセンターでは広島、山口、沖縄、大阪、東京の5エリアとオンラインで認知行動療法を行っています。

強迫症とは

強迫症は、「ドアが開いたままではないか」「何か落とし物をしたのではないか」「人を車でひいてしまったのではないか」など自身を不安にさせる考えが繰り返される強迫観念と、その不安を解消するために「何度も確認する」など繰り返される強迫行動によって日常生活に支障をきたす困りごとです。強迫観念と行為には個人差があります。多くの場合、自分ではそこまで確認したり心配する必要はないことは分かってはいるもののそれをやめることができず苦しまれています。万に一つの確率でも恐れている事態に遭遇することを考えてしまうのです。不安や恐怖は感じなくとも強迫行為に悩まされる場合もあります。完璧でないことや曖昧なことに耐えることができず苦しむ曖昧さ不耐性といったものもあります。

強迫症へのカウンセリング①~パターン分析~

強迫症へのカウンセリングでは、最初に問題歴について確認を行います。強迫症状やその他困りごとがいつごろから始まりどのような経過を辿ったのか整理していきます。強迫症の原因はさまざまな要因が絡み合っている場合もあるため無理に断定したり特定することはしません。次に現在繰り返されている強迫症状がどのようなものなのか、どのくらいの頻度や回数繰り返されているのか、強迫観念と行為はどのように行っているかを細かく整理します。合わせて日常生活においても強迫症状を観察し記録してもらいます。この聞き取りにより、繰り返されるパターンを明らかにしていきます。

強迫症へのカウンセリング②~向き合い方~

強迫行為を繰り返すことで一時的な安心を得ることができます。ですが、すぐにまた気になり強迫行為を行ってしまいます。認知行動療法ではしばしば曝露反応妨害法という方法を用いて強迫症状にアプローチします。曝露はあえて不快な刺激に触れるというものです。人目が気になるのであれば、あえて人目が多い場所に行きます。高所が苦手であればあえて高所に行きます。汚れが苦手な人はあえて汚いものを触ってみます。そうやって自分の中の不快感を高めていきます。エヴァンゲリオンでいうところのLCLという液体を肺に満たすような感じです。最中は苦しいですがLCLを受け入れ飲み込み終わると呼吸ができます。ですが、息を止めたり抗うとその分苦しみは続きます。反応妨害は苦しみや不快感を減らすためにやっていることをやめることです。エヴァンゲリオンでいうところのLCLを嫌がり抜け出したり息を止めることです。汚れが苦手な人の場合は手洗いをやめることであり、何度もドアを確認しないと気が済まない場合にはそれを控えることです。

我慢ではなく積極的に

LCLは否応なしに肺を満たしてくれるので積極的にならなくてもいけますが、強迫症状の場合は我慢というより積極さが大切になります。我慢というのは耐えることでどこかで避けてしまっているのです。避けてしまうとその分負担は長期化します。サウナで積極的に暑さを感じに行くイメージが近いかもしれません。

曝露の先に

曝露の先にはいったい何があるのでしょうか。いくつかの変化が生じることが考えられます。
①耐性がつく
②不安や不快感は無理に消さなくても自然乾燥することに気づく
③予想した結果が生じないことで考えが再構築される

これらいずれかもしくはいくつかの結果に結びつくことで強迫症は軽減していきます。

言うは易く行うは難し

上記説明を聞いて理論的な改善策は分かったところで実際にそれをできるかどうかは別問題です。バンジージャンプがいかに安全であるか頭で分かったところで実際にやるのは怖いし不快なのです。だからこそ今の自分にできることは何か検討し、現実的に可能な一歩を踏み出すことが必要になります。それだけでなく、やらざるを得ない仕組みや環境を作ることで実践機会を増やします。極端な話でいうと、汚れが苦手な人の場合は家を離れて数日野宿をするなどがそれにあたります。

認知行動療法カウンセリングセンター

認知行動療法カウンセリングセンターでは、相談者一人一人に合わせた強迫症改善プログラムを提供します。一緒に強迫症と向き合っていきましょう。

https://hiroshima.cbt-mental.co.jp/


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