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わたしが色覚検査が必要だと思う2つの理由

自分が小学生のときは、まだ生徒全員が強制的に色覚検査を受けさせられていました。確か小学校4年生だったと記憶しています。
このとき、見事に検査にひっかかりました。

石原式と言われる、様々な色のつぶつぶの中の文字を読む検査です。

色覚異常者のなかには、この図にトラウマを持っている人も多いのではないでしょうか?

しかし、検査を受けた当時の自分は、その結果に特に落ち込むことはありませんでした。
何故なら、ほぼ1クラスに1人以上は検査にひっかかる人がいたからです。
レア度が全然高くないことを知ることができたのです。

先天性色覚異常は病気や疾患ではなく、ただの遺伝です。
遺伝ですから、その比率は変わることはほぼありません。
男性なら20人に1人、女性なら500人に1人、ほぼいます。この比率は変わることはほぼないでしょう。ほぼ。
何故ほぼ、と書いたかというと、フランスや北欧では男性の10人に1人が色覚異常だからです。地域によってある程度のバラつきがあるようです。

色覚検査は2003年までは小学校での検査が義務付けられていましたが、それ以降は希望者のみの検査となりました。

「希望者のみの検査」となっていますが、おそらく希望者を募集することもしていない小学校が多いのではないかと思います。
なぜなら、学校側にとっては特にメリットがない検査ですし、検査結果が原因で生徒同士のいじめ、差別などの問題を起こす要因になると思われるからです。
今の小学校の先生のなかには、色覚異常の存在すら知らない人もいるのではないでしょうか。

しかし自分は、それでいいのか?と少し疑問に思います。疑問に思う理由は以下の2つです。

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1. 色覚異常が一般的であることを実感できない

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学校で全員を強制的に検査をしていたときは、20人に1人という高頻度でひっかかるわけですから、それが原因でいじめは起きづらい状況になります。
しかし、これがもし一部の希望者だけを検査してひっかかってしまうと、母数が少なすぎて色覚異常の一般性が実感できない状態になります。これは色覚異常者にとっても、健常者にとっても同じことが言えます。
また検査でひっかかった場合、同じ境遇の人が他にもいることがわからず、不安に思う気持ちが膨らんでしまうのではないかと思います。

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2. 色覚異常であることを自覚しないまま、自分の進路を決めることになる

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自分の場合は、早めに色覚異常だということを自覚した上で、デザイナーになる、という自分の進路を決めることができました。
そう決めることができたのは、上記で述べたように、色覚異常が珍しいことではないとわかっていたことが大きな要因でした。

「こんなにいっぱい居るなら、色覚異常のデザイナーが居てもいいじゃないか?」と思えたんです。

デザイナーは資格必要ない職業なのでまだいいかもしれませんが、例えば航空機のパイロットは色覚異常ではなれません。早めに自分の特性を知れるということは、自分の将来を考える材料が増えるということです。

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色覚による差別をなくすことを目的に検査を廃したのかもしれませんが、今は多様化の社会です。
むしろ全員への検査を行っておおっぴらにしたほうが、本人や周りの認識を合わせられる期間を長く設けることができるのではないでしょうか。

周りのサポートで色覚異常者はよりよい成果物を上げることができますし、色覚異常者のアドバイスでより多くの人に伝わる表現を作ることだってできるはずです。

そんなわけで、自分は色覚検査を再度義務化したほうがいいのではないかと考えています。
個人的には、まだ自分の専門性を見いだせていない人が多い段階、例えば10歳前後で色覚検査を行うのが良いと考えます。

皆様はどう思いますか?


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