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【映画感想】『プロヴァンスの休日』南仏の自然が心を癒す、光と風の“ボーイミーツシルバー!”

パリオリンピックを間近に控え、フランスが舞台の映画をどんどん観たくなりました。
で、『プロヴァンスの休日』。冒頭、パリから列車でプロヴァンスへ移動するシーンから始まる。

車窓ぎわで寝とぼけるテオ少年(激カワ・言葉が話せない)の向こうで、景色がどんどん緑に変わっていく。
パリから南仏地方のプロヴァンスはTGVで約3時間だそうです。

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告より

長男・アドリアンと長女・レアとテオくんの3きょうだいは、離婚したての母親の仕事都合で、夏休みの間、プロヴァンスの実家に預けられる。
母親は17年前に駆け落ちして実家とは疎遠、3きょうだいと祖父ポール(ジャン・レノ)は初対面。急な田舎暮らしに孫たち(上2人)は不満タラタラだ。

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告より

祖母イレーネ(アンナ・ガリエナ)が美しくてそれはもう魅力的。胸元を大きく開けたシャツから重ねづけのネックレスがのぞく。
このテイストは、、そうヒッピー。いまはオリーブ栽培に精を出す、大酒飲みで怒りんぼうの夫ポールと、穏やかで知的なイレーネはもとバイク乗りでもとヒッピーだったのだ。

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告より

透明度100%の強い日差しと地中海の強い風、ここプロヴァンスはイタリアとスペインに挟まれたエリアなんですね。
スペインの文化も色濃くて、闘牛の祭りが村のメインイベント。村のハンサムなピザ屋くん(闘牛祭りで大活躍)に恋したレア、鼻眉ピアスのドレッド頭からナチュラルガールへと変貌していく。

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告より

気難しいポールにテオくんだけはいち早く馴染んでいく。ぎゅっと手をつないだりして可愛いのなんの。テオくんとの会話はみんな手話で(ポール以外)その様子もとても良いのだ(テオくんは実際に発話障害があるそう)。

「彼にカマルグへ行こうと誘われた。おじいさんが許さない」と泣くレアに
「本気の恋なの? 初恋の相手は彼でいいの?」と聞く祖母イレーネ。
フランスの高校生は早熟、そして大人も理解がある。
カマルグとは? フラミンゴも飛来する湿地帯で馬も放牧された自然保護エリア。地元っ子にもちょっと遠出の小旅行エリアらしい。

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告より

孫アドリアンが面白がって、勝手にポールをSNS登録したことで場面が動く。SNS繋がりで昔のヒッピー仲間(おじい3人おばあ1人)がプロヴァンスへとひと夏のバカンスのために訪れる(ジープとバイクで)。

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告より

「イージーライダー?」
半笑いの孫2人も、夜通し乾杯を重ね、踊り、ギターで歌い、笑い合うオールドパワーに惹かれていく。
すっかり感化されたレアがスカーフを頭に巻くヒッピースタイルにファッションチェンジ。これもまたかわいいのだ。

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告より

男同士、心の距離を縮めたポールと孫アドリアン。ポールのアルコール中毒(!)のリハビリをサポート、自転車を漕ぐ二人は絆を深めていく。ここプロヴァンスは自転車競技のメッカでもあるのですね。

このオールドチームが、レアが巻き込まれた危機に大活躍を見せる。マッドマックスばりにバイクを駆ける老人たちはまさにヒーロー。
そしてひと夏が終わり、名残り惜しくパリへ戻る孫3人。夏のはじめのわだかまりはそこにはない。
「パリへ来て」
「また来い」
観終わると心にハッピー余韻がのこる、プロヴァンスの陽ざしと空気が美しい、とても気持ちの良い映画です。

映画 『 プロヴァンスの休日』 劇場用公式予告より




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