【不動産売却の正しい手順】これだけは知っておいてほしい注意点

不動産売却を思い立つ理由はさまざまです。

きっかけは、「配偶者の転勤」「家族が増えて家が手狭になった」「子どもが家を出た」といった家庭の事情に関することから、「住宅ローンが払えなくなった」「まとまった金額が必要になった」「相続後の税金対策」など経済的なこともあるでしょう。

実際に売却した方の声を基にしたアンケートによると、戸建てを売却する人の3人に1人が「住み替え」を理由としています。

戸建て住宅は、家族の人数が最も多い時に合わせた広さで購入するケースが多いでしょう。そのため、子どもの独立や高齢で広い戸建てを管理できなくなった場合に、住み替えを検討する方が増えるといえるでしょう。

売却を思い立つ理由はそれぞれでも、売却方法や不動産会社への依頼など、基本的な流れは共通しています。この記事では、不動産売却の方法や流れ、費用、税金まで、網羅的にわかりやすく解説します。

売却しようと思い立っても「何から手をつけたらいいのか分からない」「不動産売却するならどこがいいのか」など不安に思っている方でも、この記事を最後までお読みいただくと不動産売却の基礎知識が身に付き、不動産業者への依頼や売却手続きを安心して進められるようになります。

不動産会社選びで、売却は数百万円「売値」が変わります。
査定価格は不動産会社によって違うので、高く・早く売るなら、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切です。
かんたん一括査定で複数の査定価格を取り寄せましょう。

1.不動産売却を始める前の基礎知識

1-1.2022年は不動産売却に適したタイミングか?

結論からお伝えすると、マンション・戸建ともに直近1〜2年の不動産価格が上昇しており、2022年は売却するのに適したタイミングといえます。

国土交通省の不動産価格指数の調査によると、2010年ごろから住宅の不動産価格が右肩上がりの成長を続けています。

コロナの影響もあり、価格指数は2020年に一度落ち込んではいるものの、長期スパンで見ると価格が上がっているのが分かります。不動産価格が上がっているということは、不動産の需要が上がっているということです。需要が上がれば、高値で売却できる可能性が上がります

今後も不動産価格が上昇し続けるかは不透明なものの、現状の不動産価格の推移を見ると、売却するのに適したタイミングといえるでしょう。

1-2.不動産売却の期間を把握することは大切

不動産売却を始める前に知っておく基礎知識として大切なのが、売却に必要な期間です。

不動産売却にかかる期間は、およそ6ヵ月と言われています。早くても、最低3ヵ月はかかると考えておいてください。

相場を調べたり、不動産会社に査定依頼をしたりと普段の生活では行わない作業や、不動産売却の書類の作成に追われると、あっという間に時間が過ぎていきます。
あらかじめ不動産売却の流れを把握しておくことで、資金の準備や住み替え先の家の準備を的確に行うことができます

売却活動をスタートする前に、まずはしっかりスケジュール管理をしておきましょう。

2.不動産売却は2種類の方法がある

不動産売却の方法には、「仲介」と「買取」の2種類があります。

それぞれに関して詳しく解説します。
2-1.仲介

仲介とは、不動産会社に販売活動をしてもらい、買主を探してもらう方法です。個人の不動産売却では、買取よりも仲介の方が一般的で、買取よりも高く売却できる可能性が高いです。

仲介のメリットは買取よりも高く売れる可能性があることですが、デメリットは売却までに時間がかかるということでしょう。家が売れるまでに約6ヵ月の時間がかかるので、資金と売却活動にあてられる時間をふまえた判断が必要です。

2-2.買取

買取とは、買主を探すのではなく、不動産会社に直接不動産を買ってもらう方法です。
買取のメリットは、時間をかけずに売却できることです。対してデメリットは、仲介に比べると売却価格が2割程度低くなる傾向にあります。

買取に向いているのは、以下のようなケースです。

  • 急いで売却したい

  • 内覧対応の手間を省きたい

  • 近隣の住民や知人などに知られず売却したい

  • 築古の物件だが、設備交換や修繕に費用をかけたくない

  • 事故物件など訳アリでスムーズな売却が難しい

3.不動産売却の基本的な流れ

不動産売却の基本的な流れは、以下の通りです。

不動産売却にかかる期間はおよそ6ヵ月ですが、購入希望者が現れないなどの理由で長引くことがあります。それぞれのステップを詳しく解説します。

3-1.相場を調べる

まずは、不動産会社に査定を依頼する前に、自分で相場調査をおこないます。

不動産売却を成功させるために大事なことは、適正価格で売り出すことですが、不動産会社の査定が適正かどうかは、自分自身で相場を知っておかないと判断できません。

なので、以下のサイトを使ってまずは自分で相場を調べておきましょう。

レインズマーケットインフォメーションでは、築年数や間取りなどの不動産の条件において、類似した不動産の成約事例を調べられます。

土地総合情報システムでは、実際の不動産の取引価格だけではなく、地価公示も調べることが可能です。地価公示は、国土交通省の土地鑑定委員会が、適正な土地価格の指標にするために決めている価格です。

相場の調べ方に関する詳しい内容は、以下の記事をご覧ください。

3-2.不動産査定の依頼

不動産相場を自分で調べた後は、不動産会社に査定依頼をします。

査定依頼には以下の2種類があります。

  • 簡易査定

  • 訪問査定

簡易査定は、物件の築年数や土地の面積、エリアなどの情報から簡易的に査定額を算出する方法です。対して訪問査定は、簡易査定をもとに、担当者が実際に現地を確認して査定額を算出する方法です。

また、査定依頼をする際は、複数の不動産会社に依頼できる一括査定サービスが便利です。
3-3.媒介契約の締結

査定結果に納得した後は、不動産仲介会社と媒介契約を結びます。

媒介契約とは、不動産仲介会社と売主の間で、不動産売買の仲介をしてもらう際に結ぶ契約です。媒介契約には、以下の3種類があるのでそれぞれの特徴を確認しておいてください。
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約

3-4.販売活動の開始

媒介契約が完了したら販売活動を開始します。販売活動では、主に不動産会社が不動産サイトに登録をしたり、不動産売却のチラシを配ったりします。

売主は、販売活動ですることは特にありませんが、内覧希望者が出てくる可能性があるので、いつでも内覧できるように掃除や片付けをしておきましょう。また、不動産会社の担当者と相談が必要ですが、リフォームした方が売却に有利となる物件もあります。その場合は、販売開始時期から逆算してリフォームを進める必要があります。

なお、不動産売却は、1年のなかで2月〜3月が一番活発に取引されるので、11月ごろには準備をはじめ12月には販売活動が開始できるのがベストです。

11月ごろから売却活動を開始する理由は、進学や転勤などがある4月に合わせて家を購入する人が増えるからです。そのため、2月〜3月に向けて売却の準備を行います。

3-5.売買契約の締結

販売活動を通して、買主が見つかれば売買契約を締結です。

購入希望者が現れて、金額面や条件面でお互い納得をしたら不動産売買契約を結びます。売買契約では、不動産仲介会社に間に入ってもらい、契約書の確認と押印をするという流れです。

また、売買契約時に買主から契約手付金を受領します。売主は、売買契約時に不動産会社へ仲介手数料の半額を支払うので、まとまったお金を用意しておきましょう。

3-6.決済・物件の引き渡し

物件の引き渡しは、売買契約を締結してすぐに行われるわけではなく、約1ヵ月を目安に行われます。

売買契約を締結してから、所有権移転などの手続きや買主が住宅ローンを利用する場合には、銀行とのやりとりで、1ヵ月ほど時間がかかります。決済と物件の引き渡しが完了すると、買主の所有物になるので、売主は決済までに引っ越しを済ませましょう。

3-7.確定申告

忘れてはいけないのが、確定申告です。

不動産を売却すると、以下の計算式で算出される譲渡所得が発生します。譲渡所得とは、土地や建物などの不動産や資産を譲渡した際に発生する所得のことです。譲渡所得を算出する際には、この計算式で算出します。

譲渡所得 = 譲渡収入金額 – (取得費 – 譲渡費用)

譲渡所得を計算して、利益が出たら税金が発生し、損失が発生すれば税金がかかりません。もし利益が出たとしても、「3,000万円の特別控除」などの特例があるので、譲渡所得がプラスになることは少ないでしょう。

注意点として、「3,000万円の特別控除」を利用した際は、たとえ譲渡所得がマイナスでも確定申告が必要です。

4.不動産売却に必要な書類

不動産売却には、物件情報や権利関係などを記したさまざまな書類が必要となります。書類を提出する主なタイミングは「査定時」と「売買契約時」です。このタイミングまでにどのような書類が必要になるかチェックしておきましょう。

4-1.不動産査定の準備に必要な書類

現地調査を行う訪問査定では、物件の状態や設備状況など細かく調べられます。その際、査定に役立つ書類があると調査もスムーズになるでしょう。

ただし、査定の段階では、複数の不動産会社に依頼しているケースも多いでしょう。そのため、すべての書類を揃えて渡す必要はありません。また、不動産会社によって必要とする書類が異なることもあります。査定を依頼する不動産会社が決まったら、用意すべき書類はあるか確認してみましょう

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