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企画参加#「青写真」

フォローしてくださった方が参加している企画があったので、私も書いてみることにしました。

探し物をしにDC のNational Archiveに行った
見つからないかもしれないけれど探してみてとお願いされてきた
何を探しに来たのか説明をして、入館の許可を得た
National Archiveの職員も見つからない可能性を話した
これを使ってね、と白い手袋を渡された
見つからない事に落胆しないように気遣う人達ばかりだった

広い資料館には静かに資料を見ている人が何人かいる
大きなテーブルに資料を広げて見ている
コピー機は資料を広げる大きなテーブルごとに設置されている
資料が見つかったら全部コピーをして持っていける

探し始めると欲しい資料に近い青写真は何枚もあった
欲しい資料はないけれど、それに代わるものはいくつもあった
承認されている青写真と資金の内訳は1つだけのはずなのに
何個もバージョンがある
何回も承認を取り直した理由があるはずだけど、その資料はない

1920年代の目当てのファイルは全部見た
出資していた政府の機関と関連機関のファイルも見た
照合がとれそうな他の書類もいくつか見繕っておく

100年前の書類を探しに行く人はいるだろうか
その当時日本はアメリカと敵対していたから
この青写真を探しに来た人は私だけかもしれない

きっと完成図を見たことがある人は何人もいる
記念碑やメモリアルパークを見た人も何人もいる
でもこの最終版ではない青写真が人の目に触れることはない
何人もの想いが詰まっている青写真なのに実物しか日の目は見ない

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