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読みサバ

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サバにまつわる読み物
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読みサバ【13尾目】サバを持っての通行NG?「鯖くさらかし岩」とは?

皆サバ、ご無沙汰しております久々の「読みサバ」です。 このところサバ仕事や「鯖サミットin美浜」の準備などで各地への出張が多いため、机に座ってじっくりサバ思索にふける(→読みサバのネタを思いつく)といった時間がなかなかとれずにいました。 がしかし、常日頃から「サバ」というワードに敏感なため、先日ふとしたところから見つけてしまったネタを今回ご紹介したいと思います。 「鯖くさらかし岩」 なかなかのパワーワードだと思いませんか? 初めて人から聞いたときは、どんな岩やねん!と思わ

半夏生サバ【読みサバ】12尾目

皆サバ、お元気ですか?  7月に入り、梅雨明けの発表を心待ちにしながらも、今年も全国的に酷暑との長期予想に今から戦々恐々としておるサバやしです。 そんな7月の前半、そう丁度この原稿を書いているまさに今日(7月1日)は、「半夏生」です。 これ、知ってる人と知らない人の年齢境界はどこらへんかなあ…サバやしは年齢的には言葉だけは知っていましたが、これまで特に意識することなく生きてきました。   「はんげしょう」、または「はんげしょうず」と読みます。 夏至から数えて11日目、7月2日

ごまさば【読みサバ】11尾目

東西南北に細長い日本では、いくら狭い国土といっても、北⇔南、東⇔西の間では、「えっ!知らなかった…」という“常識の逆転現象”がしばしば見受けられるものですよね。 サバにもあるんですよ、そんな案件が。 先日、こんなことがありました。 福岡に住む知人のNさんと、web会議で雑談中のこと。 「そういえばサバやしさん、東京でおいしいサバが食べられるお店ってありますか?」 「そうねぇ~たくさんあるといえばあるんだけど。そうだ、東京には珍しい生サバが食える店が西新宿にあって、ゴマサバ丼

サバ節【読みサバ】10尾目

こんにちは。突然ですが皆サバは「サバ節」を知っていますか? サバを歌った民謡・・・ではないですよ~。 サバを乾燥させて硬くし、保存性を高めた昔ながらの加工食品です。カツオを乾燥させたものは、ご存知鰹節(カツオ節)。 これに対し、サバを乾燥させるたものが鯖節(サバ節)ですね。 鰹節と同じく、主に削ってだし(出汁)をとるのに使われます。 「だし(出汁)」は、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の、基本中の基本。 和食のだしとしては鰹節、昆布、椎茸などが有名ですが、もちろん

天然とはどう違う?「養殖サバ」を深読みサバしてみる。 【読みサバ】9尾目

 周囲を海で囲まれた島国・ニッポン。近海でさまざまなおいしい魚が獲れ、われわれ魚好きは日々その恩恵に預かっているワケですが、実は、天然魚の漁獲のみならず養殖も各地で盛んに行われています。  たとえば、高級魚だったり天然ものが激減していたりするフグや鰻などを僕でもたまに食べられるのは養殖のおかげ。近年では、近畿大学の養殖マグロも話題になりましたね。変わったところでは珍味と言われる「フジツボ」も、養殖フジツボというのがあるというから驚きです。  われらがサバも、水揚量が多い魚種で

お酒もご飯もおかわり必至! 「へしこ」とは? 【読みサバ】8尾目

突然ですが皆サバ、「へしこ」って知ってますか? 食べ物ですよ。 簡単に言うとサバの漬物、糠(ぬか)漬けです。保存食品であり、発酵食品ですね。 サバ好きであれば知ってるわい!という方も多いですよね。 GoogleやらYahoo!やらを調べてみると、結構検索されているんですね。 きっと頂き物だったり、旅先土産で買ってみたはいいが、はてどのように食べるのであろう?ということを調べているんじゃなかろうかと(サバやし見解)。 切り身も購入できますが、一匹丸っと姿でも販売されていて、丸の

鯖寿司 【読みサバ】7尾目

お正月気分もすっかり抜け、ますます寒さが厳しくなってきましたね。 先日、新春1回目として「サバ旅@小浜」をアップし、鯖街道の起点である福井県小浜市のサバ朝活を紹介させていただきました。 で、今回はその終点、京都が発祥とも言われる「鯖寿司」について、考察してみようと思います。 鯖寿司は、ご存知のように酢飯に鯖が載った寿司。京都のように半身丸ごとで棒状にまとめた酢飯をくるんだものは、棒寿司と呼ばれます。ほかにも、押し寿司では大阪のバッテラ、奈良の名物である柿の葉寿司なんかも鯖寿

アニサキスは何がしたいのか?【読みサバ】6尾目

サバ好きのみなさん、今日も元気に楽しくサバを食べていますか?! もちろんボクも、「今日も元気だ、サバが旨い!」毎日を送っています。 しかし、過去に2度、そんなサバ愛を試されるような手酷い裏切りを経験したことがあります。 その名はアニー。 そう、彼女(?)はサバの体内に棲む寄生虫、アニサキスなのです・・・。 ※演出上、擬(女)人化していますが寄生虫は無性生物です。 折しも「サバを食べたら当たってしまい、検索でこの記事が出てきたので」読んでくださっているという方も、もし

サバの灰干し【読みサバ】5尾目

サバにまつわるあれこれを、読んで味わってみようというこの連載、1尾目では「刺し鯖」という伝統的なサバの干物を紹介しましたが、今回も干物シリーズ(続くのか?)で、「灰干しサバ」です。 といっても、実はこの干物の製法は、干さないんです。「焼きドーナツ(揚げないんかい!)」と同じくらいの衝撃度です。 文字面から、加工段階で灰を使うことは容易に想像がつきますね。でも、この灰が「火山灰」だと知ればそれだけで、なんだかスペシャルな干物(干さないけど)なのでは?と思わされませんか? 通

サバを読む【読みサバ】3尾目

鯖にまつわるあれこれを、読んで味わってみようという 「読みサバ」。早いものでこの連載も6尾目ですが今回のテーマは、 ・・・って、 まだ3尾目やないか! と思った皆さん、すみません。ついサバを読んじゃいました^^。 今回の「読みサバ」は、そんな「サバ読み」のお話です。 「サバを読む」、名詞化すると「サバ読み」。今でも会話の中で普通に使われている、現役感たっぷりの慣用句の一つと言えるんじゃないでしょうか。 意味は、数や年齢などを(自分の都合のいいように)ごまかすこと。 特

日本の食卓で活躍するサバ三兄弟!【読みサバ】4尾目

サバ好きの皆さば。 お待ちかねの季節がやってきましたね! サバの美味しい時期は、晩秋から2月頃。この時期、秋に水揚げされるサバは「秋鯖」、冬に獲れるサバは「寒鯖」と呼ばれます。 「秋鯖は嫁に食わすな」ということわざがありますが、4月から6月にかけての産卵期を終え、脂肪を蓄える時期に入るため、秋から冬にかけてのサバは、脂肪分が増え、そのおいしさがぐっとアップするというわけです。 日本の食卓では3種類のサバが活躍しています。 マサバ、ゴマサバ、そしてタイセイヨウサバ(ノルウェ

サバ食文化の作られ方「大阪編」 【読みサバ 】2尾目

サバ好きのみなさんこんにちは。 サバは全国各地いろんな漁港で水揚げされていますね。 足の速い魚ですが、塩漬けにしたり、干したりして保存ができるような工夫が昔からされてきました。そうして、産地のみならず、山間部にも運ばれて、各地にサバ食文化が根付いています。 例えば、僕も大好きな「サバ寿司」は、西日本に多い印象がありますね。 寿司と聞くと、海辺の町で活きのいいサバの握りというイメージももちろんありますが、サバ寿司(鯖寿司)と言えば棒寿司!ですね。 棒寿司は、京都、岡山、兵

刺鯖(さしさば) 【読みサバ】1尾目

鯖にまつわるあれこれを、読んで味わってみようという「読みサバ」。 今回は、耳慣れない方も多いかもしれません。「刺鯖(さしさば)」です。 馬刺しや烏賊刺しみたいに言うところの「鯖刺し」(鯖の刺身)ではないです、念のため。まあ平たく言うと、鯖の干物ですね。マサバを背開きして塩漬けにした後、頭(エラ)のところで2匹合わせて1本としたもの。 冷蔵技術も輸送スピードも未発達だった江戸時代までは、食当たりしやすい生魚を食する習慣はほとんどなく、特に傷みやすい鯖は塩漬けなどの加工・貯蔵