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IPOのP/L一覧 23.07②



GENDA 9166


投資会社、現状の収益はほとんど旧セガエンタテインメント
🖊 同事業に対しては妥当、M&Aプレミアム期待とプライム昇格期待あり

・吸収156億
・ミダスグループの投資会社
・収益の柱はクレーンゲーム主軸のゲームセンター運営(旧セガエンタテインメントを20年12月に買収)で、会長の片岡氏(元イオンファンタジー)が指揮
・コロナ前比で4年で実質CAGR1.5%程度と、現状は低成長
・ラウンドワンやイオンファンタジーに比べると街中の店舗が多いためインバウンドの恩恵を受けやすい
・PERはイオンファンタジーの来期予想と同程度
・流通比率を少し上げればプライム昇格可能
・LUは180日で、ミダス以外のVC残存は限定的
・ミダスはBuy&Sellにおいて上場後保有継続している
・親引け/アセットマネジメントOne(57万4700株) A
・関心表明/SMALLCAP World Fund=Capital group(27億1100万円相当≒153万株) B
・上記A、Bを除く流通株は700万株、プライム昇格時のパッシブ需要は70万株見込

Laboro.AI 5586


AIソリューションの共同開発・コンサル
🖊 典型的なAIソリューション企業

・吸収25億
・顧客企業と共同開発・コンサルを行う、分野の典型的なモデル
・今期は既存顧客のプロジェクト増加を主因として大幅増収
・粗利率は固定的(労務費メイン)
・営利率は12%ほど

エコナビスタ 5585


高齢者施設へ包括的な見守りシステムを提供
🖊 初値高騰予想だが、極めて高い成長ペースと響くカタリスト

・吸収27億
・包括的な見守りシステム(特に睡眠中か否か)を高齢者施設中心に提供
・高齢者施設における人手不足がカタリスト
・23.6増収率は実質47%増と(22.6の一過性売上を除く)
・機器販売費が大きいが、耐用年数5年ほどで買い替えを見込めるモデル
・導入に係る補助金の関係で3月末までの上期偏重と
・チャーンレートは極めて低い
・粗利率が今期計画で67%と高く、労務費率が低いため向上余地も
・販管費率は悪化傾向だがバックオフィス人件費によるもので低下余地

クオルテック 9165


トヨタ系列で、自動車電子部品の不良解析・信頼性試験を行う
🖊 割高に感じるが、好マージンであり今期計画次第で

・吸収35億
・24.6非開示
・自動車向けの下請けとしては営利率10%前後と高水準
・予想EPS100程度
・公開価格でもPERは高水準であるため今期予想が注目となる
・VCは売出で全株EXIT

テクニスコ 2962


レーザー加工に使用される高機能ヒートシンク製品、ガラス製品
🖊 足下で顕著に注文増としており、金価格前提が保守的と見れば魅力的

・吸収12億、スタンダード市場
・全て新株
・72年にディスコの子会社、14年にMBOにより独立
・中国向けが4割
・24.6は前期に顧客の生産調整影響があったヒートシンクが足下で顕著に注文が拡大しており大幅な増収を計画
・原価率悪化がネックで、この背景は金価格上昇、及び24.6は昇給
・PERは高く感じるが、半導体用途のプレミアムと原価見込が保守的と見れば

トライト 9164


人材サービスやデジタルソリューションサービスなど
🖊 高成長だが財務を考慮すると割安感無し。プライム視野

・吸収745億(グロース市場としてかなりの大規模)
・介護、看護向け派遣が中心、ほかに建設向け
・CAGRは20%イメージ
・粗利率は68%、原価のほとんどは派遣の人件費
・販管費率は53%、うち3割は人材募集の広告宣伝費で売上連動的
(22.12はM&Aなどの一時費用があったとしている)
・23.12決算後(24年2月頃)はプライム昇格の要件を満たすことになる
・IFRS採用。暖簾償却費を考慮した場合のEPSは45(1,200円PER27)と高い成長率に見合った水準
・負債を考慮したEV/EBITDA倍率は18.8倍とこちらも同様
・「暖簾+無形資産」(540億)÷株主資本(210億)=2.5。23.12に510/250となっても2.0、24.12に同ペースで伸びても1.6となり、財務リスクが度外視される1以下には距離がある

ナレルグループ 9163


建設技術者派遣、19年にPEファンド傘下入りしてM&Aを進めてきた
🖊 財務面を考慮しても割安感あり。180日LU解除には留意

・吸収102億
・前身は08年設立のワールドコーポ
・増収率20%
(前期まではM&A影響があるが、今期は大きなM&A無く20%増収)
・利益率安定で今期予想12.4%
(原価は技術者人件費メイン、販管費はバックオフィス人件費メイン)
・24.10を20%成長、利益率横ばいとする場合のEPSは217
・配当予想90円
・比較企業はコプロHD、オープンUPでPER17-21倍ほど
→ナレルGがPER20の場合4,300円、配当利回り2%
・「暖簾+無形資産(今2Q:140億)」÷株主資本(同107億)=1.3、今期末1.2と暖簾による財務リスクはそれほど高くない
・VCの上場後保有残は190万株ほどある、LU180日・1.5倍なし

フラー 5583


アプリのUI/UXデザイン
🖊 増収率、変化しにくい利益率に鑑みて予想初値PERは極めて割高

・吸収3億
・増収率は20%ほど
・利益率が低い。売上連動的にかかる労務費・採用費・ツール使用料
(先行投資によるものではない)

小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。