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IPOのP/L一覧 23.04



ispace 9348

・今期の売上急増はミッション1完了時点における多額の売上計上
・4月末頃に着陸後14 日間程度してミッション完了
・ミッション1&2はR&Dであって商業化を見込むのはミッション3以降
・ゆえに「資金調達が今後も先行していく」という段階
(今回の上場も公開 << 親引け、と実質は第三者割当)
<過去の資金調達>
(1)約431円×2354万株
(2)851.3円×352万株
(3)851.3円×58万株
(4)1,203.55円×351万株
<公開株とロックアップ>
・上述の株主は「23/10/8」までロック
・親引けする約2,000万株も「23/10/8」までロック
(どうあっても「9月」に入ると懸念が強く先行するだろう)
・親引けを除く 国内/約350万株 海外/約450万株
・ロックアップ期間に流通する金額:254円~1,400円≒20億円~112億円
・絞りに絞った公開株+徹底したロックアップ、の構図はAnycolorを彷彿とさせる


日本システムバンク 5530

・売上が全く伸びていない
・低PER
・高配当利回りとなる可能性
・保有する不動産物件の売却を考えているようで、事業としてプロパティを含めているためその場合は売上や営業利益に計上される


ジェノバ 5570

・利益率が非常に高い
・20.9以降の成長率は低い
・上記からは高い利益成長は見込みづらく、高いPERは難しいのでは


エキサイト 5571

・低マージン、低成長
・占いや相談といったプラットフォーム事業が主力で、同分野だけを見ればそこそこ伸びている


南海化学 4040

・低PER
・今期計画をさっそく5月には開示してくることとなるが、マージンが低いことやコストの見通しが難しいこともあって予想を立て難い
・硫酸リサイクル事業は売上構成としては低いものの合弁会社を立ち上げて注力中の事業であり、本来はマージンが高いとのこと。前期は同部門の利益貢献がほとんど無かったことから、今期貢献要素になる
・13年にMBOを行い、10年たっての上場
・前期に多額の減損処理と資産売却を行っている
・利益剰余金には余力があるが、キャッシュは潤沢とは言えないため高い配当性向を予想することは難しい
・経営陣は吉門氏を除きすべて2016年以降に三菱商事、旭化成、エムスリードクターサポートなど外部から参画している
新卒採用のページにのみ、社長が「現在開発に注力しているテーマの一つが、全固体電池の中枢部分を担う蓄電機の中間体です」とコメント
(ただし、会社HP、目論見書はもとよりWeb上でさえそうした取り組みについて伺い知れる記事などは全く見いだせない)



楽天銀行 5838

ディスクロージャー | 楽天銀行について | 楽天銀行 (rakuten-bank.co.jp)
・上記URLにて過去の決算情報、説明資料などを開示している
・今期の急激な伸びは、預貸率を伸ばしたことが背景
・預貸率はまだ少し伸ばす余地があるかも知れないが、それほど大きなものでは無い
・運用先は、カードローンの買入債権(ほぼ楽天カードから)、投資用マンション用など不動産企業等経由の提携ローン、がメイン
・運用利回りは高く、住信SBIの低利回りで残高の伸びと業績が連動-というモデルとは異なり、借り手の返済状況によって実質の利鞘が変動する
・プライム上場ゆえ、5月末にTOPIX組み入れに伴う買い需要が約500万株程度発生する

👉焦点
◆住信との比較
住信は住宅ローンメインで、積極的な拡大を志向していない。投資用マンション用などでは利回りで競争力を出していない。実質はWeb上で受けるオーダーを捌くことに特化しており、安全性が高く成長性は低い。
楽天は投資用マンション用やカードローンの比率が高く安全性は低い。
安全性の観点からは楽天のほうが低いPERで妥当ということが言えそうで、それを補う成長余地をどのように評価するかがポイントになりそう。
27.3の目標数値(22.4公表 ※)は非常に高く、構図としては借り手の返済状況が不変であれば「これまで預貸率が低すぎた。預金が高いペースで増え続けることを前提に、今後は高めた預貸率を維持すれば預金の増加量に伴う成長が企図できる」形。まずはそれを素直に評価しつつ、市場の反応が異なるようであればTOPIX組み入れまでに処分するといった取り組み方が1つ考えられよう。

220428.pdf (rakuten-bank.co.jp)


レオス・キャピタルワークス 7330

・PERは市場平均並み
・投信運用資産の5年間CAGR(2018.2から)は概ね業界平均(※)に近い7%ほど
・口座数ベースでは69%がつみたてによる買付
・24年1月からつみたてNISAの枠が年40から120となり、かつ口座内で一般NISAと自動的に両立となる
・22.9末でつみたてNISAは466万口座、一般NISAは678万口座
・つみたてNISA利用可能者数は少なくとも2倍以上、可能金額は各口座で3倍以上、計6倍以上となる
・つみたてNISAは認可されたファンドのみ買付可能な制度だが、アクティブファンドは27しか認可されておらず、国内株式は7のみ。そのうち2がレオス
※業界平均は日銀のETF買入分を除いたもの


スタジアム 9157

・原価は労務費と派遣への支払いがメインであり削りようがない
・販管費のうちメインの人件費を22.7に削っており、今2Qも販管費率の減が黒字化の主因
・公開価格に割高感は無いが、規模から初値高騰が予想される


TMN 5258

・20.3にキャッシュレス推進政策(割賦販売法と軽減税率のキャッシュレス決済時ポイント還元)による機器導入特需で端末販売が纏まって入り、売上が49.7億→81.6億にジャンプ
・19.3を起点として24.3に至る「端末販売を除く売上のCAGR」は18%
・原価率は仕入代と償却費がメインで固定的
・今期の販管費率は若干の改善を計画

👉 焦点
◆販管費率の低下可能性
販管費のうち販売費は20%以下と、固定的要素が強い(23.3は販売部門の採用に注力)が、各項目からは増収に伴い2-4%程度の改善余地もありそう
◆バリュエーション
同業のGMOFGやスマレジに比べて償却負担が極めて大きく、ビジネスモデルがかなり異なると言える。成長率の劣後も競争劣後ではないと言えるが、ダイレクトな比較対象が無い難しさがある。EV/EBITDAで見るにしても成長率に比してはやや割高感があること、参入障壁や市場の見通しなどプレミアムは許容される要素を持つこと、が大まかに感じられるイメージ。


小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。