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2017年2月の記事一覧
とある親子の始まりの話
「おとうさん!」
毎日聞いていた、愛しい息子の明るい声。私は「なんだい」と振り向くと、子供らしい絵で、自分の住む街の風景と、笑顔で手を繋ぐ自分達と母代わりをしてくれた我が妹。
「あぁ、とても上手だね」と褒めると、息子は嬉しそうにその絵を私にくれた。
…今でも、宝物だよ。
『―――異常ヲ見ツケタ。』
――あぁ…神よ…
「ぼくが、一人で…?」
「そうだ。父さんと強くなる訓練をしただろう?
哀れな少年の悪夢の話
僕は物心付いた時から冷たい檻の中に居た。
檻には何人も何人も、沢山の人が押し込められたいた。
どの大人も子供も生気がなく、暗く俯いていた。
代わる代わる入れ替わり、入って来ては居なくなり…
そんな様子を、ずっと見ていた。
たまに誰に話し掛けてみても、誰からも返事は返ってこない。
ある日、檻の前に大人数人と女の子がやって来た。
そして、僕を指差してこう言った。
「"アレ"がいい!白く