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ベースと睦むための約4本の謎理論

ベーシスト、人じゃない説

俺にとって、20世紀最高のベーシストといえばスーファミである。任天堂の旧世代家庭用ゲーム機ではなく、作曲環境あるいは時代。音楽ジャンルとしてのSNES(欧米での商品名)とも言えるか。

まずもってベースとは、楽器または音色を指すのみならず、音楽的な役割をも意味する。この両項、ただの同音異義語と断じ得るだろうか?

国境を無視するものとして時を遡れば毎夜毎晩のバンドブーム。ベースの生年は凡そ各国各地のジャンルが実験的に交配されゆく過程に時を同じくする。音楽的な役割としてのベースがまず求められ、その用途に適うものとして、音色または楽器としてのベースが結果的に成り立った。そんな器楽史観に真実国会を捻れさせるだけの支持率を見込んでならない。(推定1%未満)

演奏面では愚直なまでの協調性を要求されながら、編曲面では独裁的なまでの豪胆さを要件される概念。比翼不可分にして半透明の神髄は、特定個人の手で弾きこなすことは不可能に近いと言えるだろう。つまり一般的な意味でのベーシストとは、天使。ある理を執行するものである。


ベース、世界で二番目にうまい店説

しかし何故スーファミなのか。それは絶妙な制約があるためだ。第二次東京五輪を彩った、あるいは彼らの好敵手であった数多のアークエンジェルは、弾き継がれ語り継がれ受け継がれるベースラインの多くをスーファミという名の水車小屋にて刺繍したものが現在の天の川です。

生音のサンプリングが困難で、エレキギターのような複雑な波形にも制約がある。同時発音が8トラックに限定される環境下において、1トラックでリズム、コード、果てはリフもアンサンブルもこなせる音色のマスターピースこそがベース。あるまじきコストパフォーマンスで登場率は第二位に相当すると見る。

しかし現代に舞い降りるならキャッチーで剣呑なるものが勝つストリーミングの電波嵐。朴訥然とした出音志向も古色蒼然か、音楽理論的実存をすら思わぬパートに取って代わられがちである。負けヒロインのほうがどう見ても可愛いのありがちかよと。自由恋愛のホムンクルス如きが純愛の負荷に耐えられるわけ?

ロックベースはハンバーガーであって、特定の素材を取り出してベースと言えば語弊がある。昭和歌謡ベースは大将の業前であって、持ち帰るときに寿司の形が崩れる。ごつい車から漏れだしがちなEDM系の極太ベースはチーズであってピザではない。具が大きい超家庭電算カレーを出す食堂は激レアだが14型ブラウン管テレビ16bitのマトリックスではあらゆる場面のために天使たちが歌う。ベースが二番なのはキミのプレイが世界に一つだけの徒花だからだよと。


ぽまいらの耳穴イヤホンジャック説

カレーの難点は油脂分だが、スマホではさすがに飛ばし過ぎてしまう。通話機能はもとより、動画コンテンツにおいても人声こそが絶対要件である。わざわざベースの帯域を再生させるとなるとスピーカーが大型化、電力消費も増大するものと思われる。

通話口に耳を押し当てたところで、ほんのりとしたカレー臭。絡んだコードを解きほぐし、ポロポロ落ちるまたは耳穴が痛いけど外出中だからとイヤホンを着装。しかし普段意識していないベースはアウトオブ意識インダ無意識。雑踏の中、知らない知り合いが手を振ってきて困惑。

ギターさんやドラム君の話に相槌するばっかでさ、何考えてるかわからないよね。なんか掃除のときとか急にテンション上げてくるし。もちろん、ボーカルのお友達として大切にはしたいんだけどさ……なんか絡みづらいってゆうか。ね、どうしたらいいんだろ。

いや、すげえいい奴なんだって。こう、聞き上手っていうか、マジ的確っていうか。なんかイジられたりもしてるけど、アイツだから場が和むわけで……じゃあなくて、こう、難しいことをやってのけるのに偉そうにしないとか……え〜っと先輩、言ってやって下さいっス!


すべからくウルトラソウルメイト説

https://youtu.be/fiQxAV33BJg

YouTubeチャンネル『音楽の秘密基地』様では古今東西の人気ベーシストを専門的な観点から解説なさりがちであるが、誰あろうエアーベーシスト歌広場淳どのの回では力天使の片鱗が顕現している。ナカーマ!

野暮用なりに要約すると、あらゆるエピソードから垣間見える実直な人柄こそベースであり、神の愛をあまねく伝導えんとする気概が熾天使だよねー。マジわかるわー。今知った!!

役割が先にあった世界線でいくと、テクノ歌謡で真顔で微笑むなどなさっていた巫女パートの方も能天使であり、ゆっくり解説動画の霊夢も権天使であり、コメントしようとしたけどやっぱやめたときの俺こそが堕天使。愛で空が落ちてきすぎではないのかと思ったら俺が浮かれておったナリよ。

イヤホンジャックを抜き差しするだけで、だいたいの音楽作品はベースの有り無し検証の場となる。それが天上天下の境界であり、この手に握っているコードがシングルストリングタイプのベースなのだ。俺は学問を勧める気はないのだが、次回は勧めるかもわからん。


まとめ

・もはや僕たちは天使だった事が自明となったので心から小宇宙人が手を振っている

・片翼の天使が現れたら耳穴に世界で二番目の生カレーを流し込めば天の川飛ぶぞ

・考えろ!感じろ!両方やらなくってもそれはそれで堕天使の祝福あるからオッケー

・徒花の視座を借り真世界との対話を試みんとす、システムのデコーダーにして体制への逆エンコード。ベースとは所謂レッドピルの一種だからグノーシスとして扱われるのも今生のうちかもしれないよねー!

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