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【第二話】電車に長時間乗るってのがこんなにつらいなんて知らなかった
🍃下北沢
駅のアナウンス『次は下北沢〜』
レモン『ウヒョー!下北着いたよ!
うち一度は来てみたかったのよね〜!
下北!』
キウイ『うげげ。人多すぎて気分悪い』
レモン『んなもんすぐになれるっちゃ!』
🤢駅の改札を出た
レモン『ヒャー。
ここが夢にまで見た下北か♡』
キウイ『おれらの地元の商店街と何が違うんだよ……』
レモン『違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!!全ッ然違う!!』
キウイ『うげ、おれ気分悪い……
ちょトイレ…』
レモン『ああん!?きたねーの!
はよ行ってこい!』
一瞬ではあるが、初めて別れを意識したキウイであった。ヤバいぞレモン!幻術の効果が薄れはじめてるぞ!
レモン『しっかし、せっかくのファースト下北やっちゅうに、出鼻くじくようなマネしやがってからに、どうしようもないやっちゃの。相変わらず果てしなくケタくそ悪いやっちゃわ』
イライラしながらキウイの帰りを待つレモン。
✖ ✖ ✖
キウイ『あー帰りたい』
トイレからゲッソリとしたキウイ。
遠目に見えるのは数人の男にナンパされているレモン。
キウイ『出たよ!少女マンガあるある!
ナンパ野郎達!
ほんとにあるんだ。
こういうシチュエーション。……ただ、彼らが悪役を買ってくれるおかげで男が引き立つのも確か……。
ただ分からん………。
なんて言いながら登場するのが正解なんだ』
体調が良くないのをガマンしながらも、楽しそうに下北ボーイズと話しているレモンのもとへいくキウイ。
キウイ『やめい!オレの女に手を出すな』
物分りの良い下北ボーイズは
『なんでい男つきかあ』と去っていた。
キウイ『お前ヒロインならしおらしく嫌がっとけよ……。
何ナンパ野郎達と楽しくお喋りしてんだよ』
無表情のレモン『……』
キウイ『彼氏待ってますだとか
いくらでもセリフはあるじゃねぇか』
レモン『お前分っかんねぇのか!?お前の見せ場を作ってやるために時間稼いでやってたんじゃろーが!で、せっかく私が舞台を用意してやったちゅーのに。お前ときたら………
やめえ。おれの女に手を出すなて……。
なんかダサいわ。
なんかもっとこうさ、キュンとするようなセリフがないもんかね。
あーあ。
なんかしらけるわー。
下北ボーイズについていきゃよかったかも。まあ終わったことはもうええわ!
後の祭りじゃ!
はよいくぞ!』
開いた口がふさがらないキウイであった。
うう………再び吐き気が……。
キウイ、下北沢駅のど真ん中で盛大にゲロってしまいそのままばたりと地面に倒れる。
レモン『キウイー!!』
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