【今日の一曲】Joni Mitchell - Both Sides Now

100%の気まぐれで始めた企画の第一回はジョニ・ミッチェルの代表曲のひとつ。むしろ今日この瞬間この曲を思い出したときの感覚を形に残しておくためにこの連載を始めたと言っても過言ではない。


とても有名な曲で、ほとんどの人が耳にしたことがあるのではないかと思うが、カバーで有名なものも多く、私自身ジョニ・ミッチェルの曲と知ったのはだいぶ後になってからである、

歌詞の和訳とか音楽的な解説とか(そもそもできないし)そういう野暮ったいことをするつもりはないが、これだけの名曲であればほかのサイトでも解説には事欠かないと思うので、参照していただければいいだろう。


この曲、幼い頃に聴いたときはロクに詩も聞き取れず、漠然と「雲を上下から眺めるなんて、幻想的な曲だなぁ」なんて思っていたりもしたものだが、その思い込みこそがまさにこの曲の言わんとすることなのだと後になって気づくのであるからその普遍性たるや、というものである。

いろいろな人がいろいろな体験をして、いろいろな言葉を書くものだが、そのすべてに共感できる人もいないし、すべてを理解しているなんて人もそうそういない。達観していると傍から見える人であっても、普通の人にとってはあまりにも些細なことで苦悩していたりもするものだ。

そういう意味で、I really don't knowというフレーズは言い得て妙だと思うわけだ。ものごとは二面性だけで語り尽くせるものではない。
他人も自分も、自分に見えているよりはるかに強くて弱いのだ。自分が思うよりはるかに多くのことを知っているし、知らないのである。そしてなにより、自分と他人に見えている世界は、あり得ないほど似ていて違っている。

自分が他人に様々な経験を教わるのと同じように、自分も周りの人たちに自分にしか伝えられない経験を教えていけたらいいなと思う。

一周回って純真で無知だった頃の感性のほうが大切に思えるなんてこともザラだし、案外純粋無垢な人の方が上手く生きていたりもするものだ。そしてそういう人もまた、内面では想像を絶するような苦悩をしていたりする。
という私の考え方もまた、ものごとの見方の一側面に過ぎないわけで…


まあそんなわけで、私はこの曲を全ての人に聴いてほしいと思う。
特に、私の大切な人々には、こういう風な生き方をしてほしいなと勝手に思うのである。もちろん、どちらかというと物事を分かっているかのように盲進しがちな私も含めてだ。

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