【今日の一曲】New Order - Superheated

筆者の再推しバンドたるニュー・オーダーの2015年の最新作から冬にぴったりの曲を紹介します。

前身ジョイ・ディヴィジョンの最後の作品でありニュー・オーダー最初のシングルである”Ceremony”も冬のイメージがありますが、今回の曲はシングルカットもされていないしアルバムの最後に置かれているからあまり有名ではない(気がした)ので、紹介してみることにしました。

シンセサイザーでない「生の」ストリングスを効果的に配し、ベースのピーター・フックが脱退したことで代名詞的だったベースの使い方を一転、しかし聴いてみればこれまでのニュー・オーダー的ポップの延長線上にあるというようなアルバムで、ベテランの貫禄すら感じさせます。


キラーズのブランドン・フラワーズと共作したこの”Superheated”はニュー・オーダーお得意の別れを歌う切ない詩を、雪に覆われた朝の散歩道の清々しさにも似た底抜けの明るさと感傷に乗せた珠玉のポップチューンで、アルバム最後の曲とはいいつつかなり傑作です。

筆者はポケモン剣盾の冠の雪原をプレイしながらこの曲を聴いて、雪山の景色にぴったりだなと感動した記憶があります。優美なストリングスと静かなベルの音が下手なクリスマスソングよりクリスマス。

”Now that it’s over"のフレーズを繰り返しながら静謐な世界に返っていく締めくくり部分は逆説的に新生ニュー・オーダーの再出発を表しているかのようで切ないです。とにかく曲がいいからなおさら感傷的になります。

そんなわけでニュー・オーダーの隠れた名曲、ぜひ冬の寒い休みの日に聴いてみてはいかがでしょうか。


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