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【細胞】”DNA”ってご存じですか?#5


【挨拶】

 こんにちは、catです。今回はDNAについて少しお話していこうかと思います。以前の記事(#3)でも、遺伝物質として少し触れましたが、#5では(多少被る部分もありますが)DNAだけに焦点を当てていこうと思います。用語は#3で多少解説していますので、そちらを参照してください。

それでは、ぜひ最後までよろしくお願いします……!


【”遺伝”の研究】

 細胞に、体をつくって生かし続けるのに必要な情報を保持し、必要に応じて取り出し、読み取る、という能力があるおかげで生命は存在しています。遺伝情報は細胞分裂によって娘細胞(分裂の結果できた細胞。娘とありますが、性別とは無関係です。)に引き継がれ、我々のような多細胞生物では生殖細胞を通じて次世代へと伝えられていきます。この情報は全て遺伝子という形で蓄えられています。

 20世紀初めに遺伝の科学が登場して以来、科学者たちの関心は遺伝子の正体に向けられてきました。多細胞生物では一生の間に、遺伝情報が何百万回も写し取られ、娘細胞へ伝わりますが、その間に遺伝情報はほとんど変化しません。このような性格ん複製を際限なく行い、日常の生命活動への指示を出す能力を備えるのは、いったいどんな分子なのだろう……。

 その答えが出始めたのは1940年代になってからでした。遺伝情報とは、タンパク質の作り方の指令(要するに、タンパク質の設計図だと思っていただいて問題ありません)に他ならないと分かったのです。

 この年代のもう一つの大きな進歩は、遺伝情報の担い手が、DNA(デオキシリボ核酸)であると分かったことです。しかし、複製と引継ぎの仕組みや、DNAの情報からタンパク質をつくる仕組みまでは謎のままでした。

 やがて1953年、ワトソンとクリックによってDNAのの構造が決定されると、その構造から、複製方法が明らかになり、タンパク質をつくる仕組みについても、その手掛かりが得られました。

 今日では、DNAが遺伝物質であるという事実は声明を理解するうえでは、あまりにも当たり前のことになっており、ワトソンとクリックの功績がどれだけの知的ギャップを埋めてきれたのか、という評価を正しく行う事は困難を極めています。


【DNAの”構造”】

 生物学者は、DNAの構造が決定される以前から、遺伝する形質などを決める遺伝子と染色体(色素でよく染まることから命名)との関係に気が付いていました。染色体は、真核細胞が分裂を開始する際に核の中に現れる糸状構造として19世紀に発見されています。時が流れて生化学的分析が出来るようになると、染色体にはタンパク質とDNAが含まれることが分かりました。しかしながら、そのどちらが遺伝情報の担い手なのかはまだわかりませんでした。

 現在ではDNAが遺伝情報を担い、染色体タンパク質は主に長いDNA分子を小さく畳みこむ働きをすることが分かっています。ですが1940年代の生物学者にとっては、DNAという化学的によく似た、わずか四種類のヌクレオチドが長く繋がっただけの単純な重合体が遺伝物質である、という考えは受け入れにくいものでした。

 1950年代初めに、X線回折解析法により、DNAはらせん状に巻いた二本の鎖でできていることが判明しました。この結果はきわめて重大な意味を持ち、これが手掛かりとなって、1953年にDNAの正しい構造モデルが提唱されたのです。このことがきっかけとなり、複製法や引継ぎの仕組みがたちまちはっきりしていきました。


【デオキシリボ核酸】

 デオキシリボ核酸分子は、DNA鎖と呼ばれる長いポリヌクレオチド(ポリ:たくさんあることを意味します。)鎖二本からなっています。鎖はそれぞれ四種類のヌクレオチドから構成されており、その塩基部分の間にできた結合によって結びついています。

 四種類のヌクレオチドは塩基部分が異なるだけなので、DNAのポリヌクレオチド鎖は、四種類のビーズ(A,T,C,G)をつなげたネックレスとみなすことが出来ます。また、ポリヌクレオチドを表すとき、塩基の略号と同じ記号を並べます。AGCTCCAGT~とあった場合、このポリヌクレオチドは塩基部分がアデニン、グアニン、シトシン、チミン、シトシン、シトシン、アデニン、グアニン、チミン~であることを示します。


【おわり】

 はい。なんだか中途半端ですが、このまま書き続けると普段の倍以上の長さに記事になってしまいそうなので、ここで区切りたいと思います。次回を#5.5とし、続く予定です。それでは、今回は以上になります。ここまでご覧いただき、誠にありがとうございます!

 このシリーズで参考にしている書籍は「Essential細胞生物学 第四版」というものです。大学の講義で教科書に使われることもあります。文章は海外の物の翻訳なので、読みにくさを感じることもありますが、見やすい図や写真が載っているので、ぜひご覧になることをお勧めします。

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Twitter:@Catkamome

小説を書いています。半端ものですが、ぜひご覧ください。
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