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読み返すことと、感情の話。

 自分の特色の一つに、「とても忘れっぽい・記憶力が悪い」というのがある。小説も漫画もアニメも、作品を摂取した数か月後にはどんどん忘れて言ってしまう。作品のあらすじから、登場人物の名前から、何から何まで。大体残るのは一部の感情と、摂取したなという事実だけ。何を読んでなくて何を観たか、みたいのは意外と覚えていたりする。
 で、再度読み返したりすることも少ないのだけど、それでもたまーにそういった行為をすることがある。部屋の掃除してたら漫画なんとなく読んじゃうとか、数年ぶりにシリーズ物の新作が出たらあらすじ確認するために読むとか、そういう感じ。で、そういう時に思うのが、割と当時の感想・感情が想起されつつも別の感想が今沸いたりする。
 時が経ってこちらのコンディションが全然違うので当たり前っちゃ当たり前なんだけど、これがなんなんだろうと思ったりする。2回目を読んだ時に過去の感情が掘り起こされると同時に、「全く新しく」1回目として2回目を読んでいることになる。そうなると自身の中では2回目なんだけど、脳的には1回目でもあるんかなとか。不思議な感覚になる。
 
多分もうちょっと忘れっぽくなると2回目で会っても常に新鮮な気持ちで摂取できるようになるのかもしれない。
 逆説的に、1回目で合わなかった作品も時が経てば摂取できるようになるのかなとも思い至ったりする。
 しかし実際には読み返しどころか積みアニメ・本とかはドンドン積まれていく。ただ観るだけでも正直追いきれる人なんてそんなにいないんじゃないかな、とか思う。消費するだけの人生、とか揶揄する人もたまにいるけど消費すら全うするのは難しいもんだ。

 そんなことを思いつつ、いつ手を付けようとリストを眺めるだけの日が続くのである。こう考えると最早読み返すことは逆に贅沢になるのかもな、みたいな。1冊くらい定期的に読み返す、感情のベンチマーク的な本を作るのもいいのかもと思った。

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