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Weekly Pick UP! 2021/12/24

オミクロン株が世界で猛威を奮っています。日本でも市内感染が確認され始めており、注意が必要です。本日のWeekly Pick UP!では、やはり目が離せない、Covid19関連の話題を取り上げます。

1. メルボルンのビッグデータが示す「COVID-19による受診行動への影響」
オミクロン株に注意は必要ですが、その他の疾患を無視してはいけません。どのようにバランスをとっていくのか、Covid19と向き合いながらの医療のあり方を考える必要があります。
2. 4回目のブースター摂取の意義
ワクチンのブースター接種に意義があるのかは議論の余地があります。
議論は、ワクチンの効果だけではなく、経済格差の考慮も必要でしょう。
3. Sinovacのブースター接種はオミクロン株に効果を示さない
パンデミックの対策は急務ですが、そこには政治も経済競争も介入するべきではなく、科学的な事実に基づく対策が必要です。

1. メルボルンのビッグデータが示す「COVID-19による受診行動への影響」

Covid19を抑え込むために厳格なロックダウンが行われた際の、医療機関への受診行動に与える影響が各種ビッグデータから解析されています。

オーストラリアのモナッシュ大学による研究成果では、大学内に設置されているヘルスケアデータベースから、メルボルンのFrankston-Mornington Peninsula地域の救急外来受診・急性期入院・亜急性期入院の分析を行っています。

人口約28万人の同地域は多様な年齢層と社会経済的背景を有し、医療の大部分を「Peninsula Health」という単一のサービスを通じているため、医療における動態調査に関して理想的な環境にあります。

過去4年間の受診データをもとに「COVID-19が発生しなかった場合の2020年の受診状況」を予測し、実際の受診状況と比較分析した結果、ロックダウンが行われた感染の第1波・第2波ともに、予測患者数に対して実際の受診は大幅に下回っていました。特に80歳以上と18歳未満の患者で最も顕著な減少がみられていました。

出典:
The Medical AI Times Link

2. 4回目のブースター摂取の意義

Covid19対応で動きの速いイスラエルでは、ワクチンの4回目の接種を進めることを決定しました(国としての最終決定は未だ)。4回目の摂取に意義があるとする根拠は、デルタ株の感染拡大を3回目の接種で食い止めたという根拠に基づくものですが、果たしてそれが4回目の接種とオミクロン株への抵抗に紐づくものかは依然科学的根拠にかけている状況です。

ワクチン接種の進まない地域もある中、科学的根拠の裏付けのない行動に批判的な意見も上がっていますが、オミクロン株感染拡大の著しい米国では、この動向に注意を払っているようです。

出典:
Wshington Post Link
Bloomberg Link

3. Sinovacのブースター接種はオミクロン株に効果を示さない

香港大学(HKU)と香港中文大学が調査を実施した結果、Sinovacの3回目の接種は、十分なウイルス中和抗体が生成されず、オミクロン株に対する効果が不十分であると結論づけました。一方、Pfizer and BioNTechのワクチンは、以前にSinovacワクチンを接種した人の予後を大幅に改善したことが示されたとしています。

一方、Sinovacは先週、独自の研究で、3回目の接種が「オミクロン株に対して効果的」であることがわかったと述べました。Sinovacを3回投与した人の94%が十分な中和抗体を産生したと言われています。ただし、同社は、3ショットでどのような抗体レベルが生成されたかについては詳しく説明していません。

果たしてこの結果は何を意味しているのでしょうか?

出典:
NIKKEI Asia Link

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