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ARE.you.HERO.第三話(2人のカリスマ)

倒れている伊藤・ガルシアに近づくと、右腕を振りかざすと
「おいおい、それ以上は駄目だぞ。」
マグネ・テイラーの右腕を掴む、屈強な長身の男はマグネ・テイラーの顔を真顔で見る
掴まれた腕を振りほどき、後ろに下がると驚いた顔で「ダレン・パワード、何故、貴様がここにいる。」
苦虫を噛み潰したような顔でダレン・パワードを
睨む、かつて何度も戦った相手で一度も勝ったことがない。奴はパワーとスピードだけじゃなく、
テクニック、フィジカルも他のヒーローを遥かに凌ぐ、まさにヒーロー界のカリスマである。
「偶然、街のパトロールをしていたら、2人を見つけて降りてみたらお前かぁ、マグネ・テイラー。」
2人のやりとりをボーッとした意識で聞いていた。
地面に叩きつけられ、メタリックスーツのパワーが80パーセントから、さらに20パーセントまで低下、立ち上がることも、手足のを動かすことも
できず、大の字で2人のやりとりを聞く。何もできない歯がゆい気持ちを抑えながら、
「マグネ・テイラー、最近世間を騒がしているグリフォン、その首謀者はお前か?」
指を指すダレン・パワート゚に眉1つ動かすことなく黙っているマグネ・テイラーにしびれを切らし、先手必勝と言わんばかりの、右ハイキックを当てるが指一本で止める。
衝撃が波紋となり、爆風と衝撃波が野球ドームの外へ出る、不敵な笑みを浮かべた。マグネ・テイラー
「あぁ、そうだよ。首謀者は俺じゃなくて兄貴だよ。それと衰えたなぁお前。」
右足を降ろすと同時に、右・左の連続パンチを繰り出すダレン・パワート゚、ギリギリにかわすと
無防備になった腹に左ブローがめり込む「ぐはぁぁぁぁ。」
苦悶の表情で数十メートル後ろに吹っ飛ぶが両足でふんばり、踏みとどまると口から流れる血を拭う。パンチ一発でこれだけのダメージ、そんなバカな、そんなはずがない、この俺が、マグネ・テイラーは動揺を隠せずにいたが、何故か笑う。
「ダレン・パワード、俺はこの時を待っていたんだよ。お前を倒すためになぁ、今日はなんて運のいい日なんだ。」
高らかに笑うマグネ・テイラーを、ずっと動けない状態で見ていた伊藤・ガルシアは、通信で女秘書に連絡、今の状態と半径数十キロに住む住民たちを避難させるように伝えると通信を切り、ほふく前進しながら、入口へと向かう、闘いの邪魔にならないように。
「おい、どこへ行く?逃げるなよ。」
前に立ち塞がると手のひらを、メタリックスーツに触れると、激しく転がりながらバウンド、勢いが止まった時はメタリックスーツごと、地面にめり込んでいる状態のまま気絶、ピクリとも動かなくなる。
「お前変わったなぁ。同じヒーローとして残念だよ。」
手についたゴミをはたくダレン・パワード、民間人に手を上げた時点で、もうこいつはヒーローじゃない。完全にヴィランだと認識すると怒りが身体中を駆け巡る。アドレナリンで筋骨隆々な肉体がさらにパワーアップ、穏やかな雰囲気から一変
、狂気の空気が流れ始める。
「覚悟はできているよな?こうなると俺でも止められない、いくぞーーーー。」
その場から消え、目と鼻の先に現れると、右のボディーブローが当たるすんでのところで止まる。
強い磁波が身体を包み込んでいるマグネ・テイラー、だがそんな小細工は、今のダレン・パワート゚には通用しなかった。磁波を突き抜けボディーブローが炸裂、口から血を吐くと同時に休むことなく、顎に向かって蹴り上げると空へ飛んでいく。
先回りして両手を組みハンマーにして、思いっきり振りかざす。グシャと音をたてそのまま急降下し、地面に叩きつけられると大きなクレーターができる。すぐさま急降下、スピードが乗ったまま
パンチを地面に叩きつけるが、当たる寸前でかわす。マグネ・テイラー
バク転しながら後ろに下がり、立ち止まると少しふらつく、はぁはぁと肩で息をすると、さっきの血よりも多くの血がポタポタとしたたり落ちる。
その血を見て絶叫
「あっ、あ……うぁーーー。」
殴られた場所が瞬時に回復するが、思っていた以上にダメージの蓄積が大きかった。それに奴は衰えてはいなかった。むしろ奴は進化していた。最後に戦ったときよりも格段にパワーアップしていいる。
「どうした?お前の力はその程度かぁ?」
このままでは負ける。焦ったマグネ・テイラーは
ポケットから一本の注射器を取り出し迷う。
こんな奴にほんとは使いたくない、でもこのまま
戦ったとしても勝てる確率は低い。どうする?
この注射はグリフォンが開発した能力ステロイド剤で名前はディアブロといい、まだ動物実験に
一度使われただけで、まだ人間には使われいないが、一本だけ持ってきた。だがら使用した際のデメリットがわからない以上、使うことに躊躇していた。迷っている一瞬の隙をついて、胸に前蹴り
数メートル後ろに下がる。
「くそ、くそ、くそ、くそーーーーーー。」
右手に持っていた注射を右のふとももに打つ。
間髪入れず攻撃のモーションに移ったその時、獣の雄叫びをあげると同時に、髪が逆立ち強力な
磁場が発生すると野球ドームが激しく揺れると、鉄骨が数本地面に突き刺さる。動きを止めるダレン・ハワード、地面に両手をつくマグネ・テイラー、ゴゴゴゴゴゴと音をたて、黒い砂鉄か現れるとダレン・パワート゚に襲いかかる、足に黒い砂鉄が集まると身動きが取れなくなる。脱出しようにも動けない、頭だけを残し身体全体が黒く覆われる。「さっきはよくもやってくれたなぁ。」
左・右・左・右と連続パンチを浴びせる。
ニヤニヤしながら何度も、何度も、何度も、
口から血を吐きながらも、じっと睨むダレン・パワート゚は身体を動かそうにも、黒い砂鉄に身体を
締め付けられ、息ができなくなる。
その様子をジッと見ていた伊藤・ガルシアは
通信で連絡「おい、メタリックスーツのパワーが落ちて動けない、どうにか動かす方法はないのか?」女秘書は淡々と言う「1つだけあります。とても危険ですが。「なんだ、もったいぶらずに教えろ。」「その方法は、あなたの生命エネルギーを転換します。」生命をエネルギーに使う?そんな理解不能な言葉に一瞬頭が混乱するが、迷っている暇はなかった。
「わかった、とりあえずその方法を教えてくれ。」
「いい、私がそのボタンを持っているの?押すわよ。」「いいから、押せ。」
女秘書がボタンを押すと、メタリックスーツが
細い管が伊藤・ガルシアの身体に突き刺さると
赤い血液がメタリックスーツに流れる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ。」
雄叫びをあげると同時に走り出し、マグネ・テイラーにタックルでぶつかると、至近距離から顔面に小型ミサイルを発射、被弾するがダメージがないどころか怒りが増す。「お前ら、楽に死ねると思うなよ、じっくりとなぶり殺してやるよ。」
右手を伸ばして捕まえようするが、左に避けると顔面に右ストレート、左手を伸ばすがさっと避ける。腰に装備された巨大なナイフを右手に持つと
隙ができた瞬間、ナイフを振り下ろすと右腕が
下に落ちるが再生する。頭上には砂鉄が集まり、
巨大な手になると掴みかかろうとする。その手を
巨大ナイフで切り落とすが、なんども再生しきりがない。「どうした、どうした、さっきの勢いは。」次第に追い詰められていく伊藤・ガルシア
「くそ、迂闊には近寄れない。どうしたらいい。」
このままではダレン・パワードを助けられない。
「なにしてるの、だらしないわねえ」誰かの声がした、スコアボードの掲示板に、赤い髪と真っ赤なボディスーツの女性が立っていた。
マグネ・テイラーは驚いた顔で「おっ、お前はソニックレディ。何故、貴様がここに。」
ジャンプしながら移動し、伊藤・ガルシアの側へくると、「彼は私のパートナーなの、だから、彼に何かがあったら助けるのは当たり前なの。マグネ・テイラー久しぶりね。」
目の前にはあの、ダレン・パワードの相棒でパートナーのソニック・レディがいる。
「ねえ、あなたは?」じっと伊藤・ガルシアを見るソニック・レディ「伊藤・ガルシアと言います。「あなた大丈夫?、かなりボロボロだけど。」
心配そうに見るソニックレディ。「大丈夫です。心配は無用です。」苦々しい顔で見るマグネ・テイラー「余計な真似をするな、ソニックレディ。」
砂鉄の槍がソニック・レディに降りかかるが、
華麗に避け、高速のソニックキックを腕に当てると絶叫「なっ、なんだこの痛みは。まさかさっきのレーザーか?」まともにくらったレーザーの威力が徐々に、マグネ・テイラーを蝕み始めていた。ソニックレディはキック、パンチと目にも止まらぬ速さで浴びせていく。的確に当てると、
マグネ・テイラーの顔が歪んでいく。さっきまでの余裕はなくなり、もだえ苦しむ
砂鉄のコントロールを失い。砂鉄が崩れ始めると、ダレン・パワードを包んでいた砂鉄も下に落ちる。「ソニックレディ、来てくれたんだなぁ。伊藤・ガルシアくんでいいのかな?」
ダレン・パワードが近づいてくると、後ろにいた
マグネ・テイラーが砂鉄の槍を投げる。「危ない。」マグネ・テイラーをタックルで体勢を崩し前に出ると、砂鉄の槍が腹部を貫通する。
「だ、大丈夫で.す.か?」その場に倒れる。
「しっかりして。」すぐに駆け寄るソニックレディ
「くそ、どこまでも邪魔をしやがって。お前が死ねばいいんだよ。」再び砂鉄をコントロールしようとするが、上手くいかない。能力ステロイド剤の効力がなくなったせいで、もう力はなくなっていた。「どこまでも、ヒーローの面汚しがぁ。」
ダッシュしながら、右腕が光り輝く、光の渦が右腕を包み込む「これで終わりだぁ。インフィニティナックル」砂鉄の壁が現れるが、壁を突き抜けマグネ・テイラーの顔にインフィニティナックルがクリーンヒット、足で踏ん張るも、インフィニティナックルの衝撃で空へと舞い上がり、パンチの衝撃波が空に響く。「終わったなぁ。ソニック、早く彼を病院に。」


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