獣になれない私たち第1話 社会の闇を描きすぎ

気になっていたドラマ「獣になれない私たち」
アマゾンプライムで見てはまった「重版出来」と同じ野木亜紀子さんの脚本。
あれだけ話題になった「逃げ恥」は最終話だけ観ました。なんとなく雰囲気はわかったが、ストーリーは全くわからずじまい。

せっかくの新垣結衣主演だし今回はきっちり最初から見てみようと。
22:00までに急いで家事を終わらせたにも関わらず、テレビをつけると日テレ系だけが映らない。テレビ放置してるから、まずはチャンネル設定から。22:10分ごろようやく映る様になる。
ドラマの第1話を期待して見るなんてもしかすると初めてかもしれない。

獣という言葉から、肉食系になれない男女の恋愛模様を描くのかと思っていたら、第1話から超ヘビーでした。若い女性が経験するであろうほぼ全ての社会問題を網羅。
男の自分ですら見るのが辛いシーンが多かった。

朝一で出勤し全ての段取りを無駄なく済ませ社長や社員の出社を待つ。それだけで立派だと思うのだが、待っているのはどうしようもない人物たち。

・怒鳴り散らすだけでまったく人に対する配慮のないパワハラ社長
・責任感ゼロの使えない同僚
・別の女と同棲している彼氏
・その元恋人はゲーム廃人
・彼氏の母親もまったくデリカシーがない
・暴力父、マルチにはまる母、悲しすぎる生い立ち

唯一のオアシスであるはずの行きつけのバーで、松田龍平に
「笑顔がキモい」と言われる。

第1話は全く救いがなかった。

記憶に残ったシーン
彼氏の母親と食事をするシーン。
いきなり相手のプライベートに踏み込むことがいかに失礼かということをこれでもかというほど伝えてくれていてありがたかった。ああいう人たくさんいるよ。
その母親がメッセージの返信だけが早いっていう設定もリアル。スタンプからも自己中心の性格が滲み出てた。

取引先の男が失敗の見返りとして土下座を要求する。
「実際にしなくていいんだよ」といいながら、新垣結衣の頭を撫でるシーン。
ここで我々の怒りは沸点に達した。
彼氏の母にしても、取引先の男もこういう人が嫌われるんだよっていう描き方が秀逸。あれをやったら絶対に嫌われるっていう見本。

社会全体がほぼ同じ体験をしているという恐怖
今回の話は社会の闇がこれでもかというほど描かれていたが、それに共感できるということは自分が同じ様な体験をしているということ、辛くて見ていられない人も同じ様な目にあっているということ。
仕事ができるけど、周りが全く使えない人ばかりっていう経験をしたことがある人はこの第1話はこたえるんじゃないかな。

第2話以降はラブストーリーものに変わっていくらしいので、少しは心を痛めずに見れるのかな。まあ、第1話でこれくらいのインパクトを与えないとドラマは話題にならないし。そういう意味では本当に上手い導入話だと思った。      

ラストシーン、主題歌が流れ始め戦闘服に着替えた新垣結衣。そこに希望の光を見た。
あいみょんの曲も良かったし、来週も楽しみだ。

ありがとうございます。有意義なことに使います。