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イントロ長すぎるよ「You Could Be Mine」

前回はガンズのNovember Rainを紹介したので、今回はその対になっているアルバムから1曲紹介します。

You Could Be Mineでございます。

映画「ターミーネーター2」でも使われたこの曲。いちおうシングルカットもされていて、ビルボードチャートの最高位は29位。メロディーが美しいタイプの名曲ではありませんが、ロックとしてはかなりかっこいい部類の曲です。

僕が初めてバンド単位で演奏したのはこの曲だったので、強烈な思い入れがあります。
ドラムは台湾からの留学生、ボーカルは可愛い女の子。学生っていいね。

ロックは死んでないけど、イントロは死んだ

現代はストリーミング戦国時代。
最近のヒット曲に顕著なのはイントロがないこと。その原因は30秒以上再生されないと楽曲使用料が発生しないためです。再生数が増えても1円も入らない・・・先にサビを持ってくるのも納得。

ダラダラとイントロを聞かせている間に、視聴者は次の曲に飛んでしまうのです。
イントロを作らなくなる理由もすごくわかる。

昔の曲もラジオエディットといって、イントロや間奏が短くなっているバージョンもあったので、イントロが敬遠されるのは今に始まったことではありません。芸術作品である前に商品であり、売らなければ何も始まらないのです。

最近はイントロ0秒の曲以外は聞かれない傾向にあるため、ミュージシャンがこぞってイントロ0秒の曲をヒットさせた結果、巷にはイントロ0秒の曲が溢れ、若者はイントロがある曲を敬遠するようになってしまいました。

イントロフェチの自分としては悲しいですが、これも時代の流れかもしれません。
映画を倍速で見るような人にとっては、イントロなんか不要だよね。

若者は全員離脱。2021年なら絶対に聞かれない楽曲構成

さてガンズの話に戻りますが、このYou Could Be Mineはイントロがとにかく長い。T-1000(ターミネーター2号機)よりもしつこいです。

最初はドラムから始まり、その上にベースが被さってきます。
ギターが鳴り始めるのが22秒、現代なら完全にスキップの対象曲です。

ギターのスラッシュが、かっこいいイントロリフを弾ききったと思った54秒くらいから、イントロは第二形態へ移行します。「まだイントロあるのかよ」って声が聞こえてきそう。もうこの時点で、若者は全員脱落しているでしょうね。

最初の歌が入るのが1分6秒。そこから先は普通の曲です。
めちゃくちゃかっこいいわけでもないし、サビがキャッチーなわけでもない。いい意味で普通のロックソング。歌が始まる1分6秒までの昂りがこの楽曲のキモなのです。

今だったら絶対受け入れられない楽曲構成。
でも当時はそれが当たり前だったし、イントロが長い曲も普通にヒットしていました。

ロックとヒットソングの文化が違うのは明白。音楽を聴きこむ層とヒットソングをスキップする層は、人種が違うと言えばそれまでです。

ただ個人的には「イントロ」というものが存在しなかったらギターなんて始めてなかったし、イントロは僕のルーツです。
ヒット曲をヒットさせるために必要な箇所を削るのはかまいませんが、イントロを大切にするという文化はなくならないでほしい。

かっこいいイントロってそれだけでテンション上がるじゃないですか。
むしろそれだけで満足みたいなとこありませんかね。

本当の恐怖は未来からやってくるターミネーターではなく、イントロが存在しない時代だった。そんなこじつけで無理やりこの記事をまとめようと思います。

長い話をスキップせず、最後まで聞いてくださってありがとうございました。

ガンズは他にもイントロが長い曲がたくさんありますが、最後にもうひとつだけイントロの長い曲を紹介します。こちらは13億回再生の紛うことなき名曲です。

アイキャッチの画像はダーヤマさんの素材を借りて作っています。
https://jitanda.com/

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