ネガティブ思考が命を救った

絶対にあってはいけないことが起こった。
軒下に巨大なスズメバチの巣を発見。思わず「うわーーーー」と声が出るほど。スターウォーズのデススターばりの迫力。
最近やたら外を飛んでいるなーとは思っていたが、まさかこんな巨大な巣が出来ているとは、油断したッ。

寝室のわずか数メートル先に、大量のスズメバチが寝泊まりしているというおぞましい現実をいきなり突きつけられた。
女子がよく「生理的に無理」という言葉を使うが、まさにそれと同じ状態。あのビジュアル、色、羽音全てが生理的に耐えられない。無理。

3年前のお盆にお墓参りをしてスズメバチに刺された記憶と痛みは今も強烈に残っている。僕にとって夏というものは蜂に刺されずに無事に過ごせればそれでいい。

刺された痛みとは別にアナフィラキシーの恐怖もある。
アナフィラキシーとは、急性の全身性かつ重度なアレルギー反応の一つ。
よく言われるスズメバチに2度刺されたら死ぬというのはこのアレルギー反応が原因。重度の場合心肺停止まで約15分。一人の時に刺されたら完全にアウトですね。
ススメバチのサイトには迷わず救急車をと書いてあります。僕はなんとか自力で病院まで行きましたけど、命に関わることなので、自分は大丈夫と思わずにひどいケースはすぐに救急車を呼んで欲しいと思います。

駆除すべきか、やりすごすべきか
自分でどうこう出来る大きさではないし、足場も悪いので自分でどうにかするという選択肢はない。業者による駆除には当然お金もかかるので冬を待つ、つまりやりすごすということも少しだけ考えた。

大丈夫だろう。自分は刺されないだろう。という謎のポジティブ思考と、危険を考えたら駆除すべきというせめぎあいがあった。
スズメバチの生態を調べれば調べるほど、無事にやり過ごせるとは思えないし、
「9月に凶暴化」
「巣を攻撃する敵とみなし攻撃してくる」

という記述が決め手になった。これ完全に死亡フラグ。
活動は10月まで続くと書いてあり、それまで怯えながら暮らす経済的損失を考えるとこの出費は必要経費。結局駆除しか選択肢はなかった。

二人の勇者がスズメバチを駆除
実は数年前に同じような場所に巣を作られたことがあって、その時も業者さんに来てもらった。「もうすでに蜂はいなくなってます。12月になれば安全なので自分で落としても大丈夫です」とのアドバイスを受けた。見積もりとアドバイスをいただいたのに一円も支払わなかったのだが、すごく感じのいい業者さんだったので今回もそこにお願いした。ネットで安そうなところもあったが、僕は金よりも人で選ぶことにした。

電話で依頼、巣の確認と見積もり、実際の作業。4時間以内に全てが終了した。感謝しかない。
見積もりは一人だったが、その後道具を揃えて二人で来てくれた。勇者にしか見えない。作業を少しだけ見ていたが、本当に大変な仕事。自分には絶対にできない。
「ラケット」という言葉が聞こえたので、専門の道具があるのか?と思ったが、本当にバドミントンのラケットでちょっと笑った。勇者にふさわしい武器あるでしょう。

作業は日の暮れる少し前の夕方だったが、「戻りバチというのが巣のあった場所に帰ってきますが、数日経つといなくなります、ずっと居座るようなら連絡下さい」とこれからのアドバイスも少しもらった。
これを書いている今も窓の外には大量の戻りバチが乱舞しているが、これ本当に大丈夫か?自分の家がなくなって激怒しているもっとも危険な状態だと思うが。とりあえず絶対に窓だけは開けないようにしないと、巣を除去してもらったのに刺されて死んだら全く意味がない。

働きバチがみな巣に戻り、寝静まっている時を狙う「闇討ち」が正解なのかもしれないが、照明などが必要になるからこれしかないのか。完全駆除ではないのでそこだけがマイナス点。怖いものは怖いよ。

自分だけ大丈夫ということは多分ない
業者さんが除去した巣を見せてくれたが、近くで見ると改めてその大きさに驚いた。電話ではサッカーボールほど大きくはないと伝えたが、実物はバスケットボールくらいあった。死の匂いを感じる。やり過ごすというポジティブな選択をしなくて本当によかった。

例えば不健康な習慣で健康を損なう人は全てこの「自分だけは大丈夫という」という謎の思考回路で自分を痛めつけていく。
「自分だけは刺されない」という選択をしていたら、多分刺されて痛い目を見ていただろう。あれは本当にデススターだった。

夏場暑すぎて全く軒下方面の草刈りができていなかったところ、「ちょっと庭の草刈りでもするか」って思い立って刺される前に気づいてよかった。
またいつ作られるかわからないのでハチの巣積み立ても開始しよう。

毎年20人くらいの人がスズメバチに刺されて命を落とすらしい。
刺されたことのある人はあの痛みがわかるし、死んでしまうかもしれないというのも体でわかるから、お金を払うことをためらわないが、なかなか危険な生き物だという認識は広まらない。

刺されたことのない人には届かないかもしれないが、もう一度言っておきたい。

・9月に凶暴化します
・刺されたら必ず病院へ行ってください、死にます
・濃い色の服、香水等は刺される危険性を高めます
・絶対に一人で山へ入ってはいけません
・お金はけっこうかかりますが巣ができてしまったら業者さんにお願いしましょう

ありがとうございます。有意義なことに使います。