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結石 第3話-帰宅-

もしかしたら生きて帰って来れないかもしれないという心配が嘘のように元気になっている。
病院に行く時には自らキャリーバッグに飛び込むほど容態が悪かったが、帰りには無理矢理キャリーバッグに押し込まなければ入らないほど回復した。
先生も猫が元気になって喜んでいるのがわかり嬉しいしありがたい。

お会計を済ませ、療養用のカリカリとウェットフードを購入し車に乗り込む。
あとから気づいたが、慣れない車で酔ったのか、少し嘔吐した。
念願の帰宅。合計五泊六日の入院だった。

少し模様替えをした我が家に興味津々だ。
「なかなか綺麗になってるじゃないか」
「コタツか、悪くないじゃないか」
と意見をもらった。
その後、疲れが溜まっていたのだろうか、布団に潜り込んで寝てしまった。
やはりゆっくり寝れる環境で寝るのが一番気持ちいいのだろう。

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ストルバイト尿結石による尿毒症。猫はかかりやすい病気らしい。
天国への階段が見えたはずだがなんとか踏みとどまってくれた。

水を飲まない、飲む量が少ない。
これが今回の結石の一番の原因だろう。
元々水をあまり飲まない猫だったが、それに寒さなどが重なってトイレに行くのが減り、結果として生死の境をさまようほどの病気をしてしまった。

明らかに僕にも原因がある。
まず「この子は元気だから大丈夫だろう」という過信があった。
食事やトイレの管理も甘かった。
僕が楽をするための食事の与え方、トイレの処理になっていた。これは改善しなければいけない。今後は猫ファーストに変えていく。

水は飲んでいるか?
おしっこはきっちりしているか?
おしっこの色は大丈夫か?食事の量は適量か?
チェックすべきことは多い。

食事、ミルク、おしっこ、うんちは表を作って時間を記入しきちんと管理することにした。食器を洗っている時のシャワー温水なら喜んで飲んでくれるので、食後に必ず容器を洗いその時にお湯を飲ませるようにした。
おしっこも毎回量と色をチェックするようにした。

「不健康の兆候を見逃すな」
これが今後の我が家の家訓だ。

健康はそこにあるのではなく、自分で作るもの。
これは人間もネコも同じ。いい教訓になった。

そこにいつもネコがいる。
当たり前ではないその幸せに感謝している。

ありがとうございます。有意義なことに使います。