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転職の主導権はどっちだ? パート2

今回は、前回投稿の記事(転職の主導権はどっちだ?:転職活動をする本人 vs 家族のパート2として、個人と企業における主導権について取り上げてみたいと思います。

転職活動における個人と企業の関係性

転職活動における個人と企業の関係性をみた場合、一般的には力関係は企業の方が強く、応募をしている個人の方が弱いと考えられているのではないでしょうか?

つまり、採用における主導権は企業側にあり、応募する個人はそれに従う立場ということです。

例えば、面接などにおいても企業側が選考をする立場という意識の中で質問をして、応募者は採用してもらう側の立場という意識でそれに答えるというようなケースなどは未だによくみられる事例です。志望動機でスキルではなく意欲や熱意を重視する採用においてはよりこの傾向は顕著となります。

それではなぜ、このようなことが起こっているのでしょうか?
私はそれは以下の二つの点が影響しているのではないかと思っています。

  • 新卒一括採用における根強い企業の上位者意識

  • 需要と供給のバランス

まずは日本に根強く残る新卒一括採用の選考における企業の上位者意識についてです。新卒採用の場合はこの企業側の主導権は更に強い傾向となり、大手企業や人気企業と言われる企業はそれこそ何千人という学生の中から選考をしていきます。そのような構造では、ある意味自然と企業側の選考するという意識が強くなり、「選んでいる」という上から目線の態度や意識が多少なりとも出てきます。

例えば、学歴によっての選考プロセスの違いや経験が少ない学生に対して「それでは社会では通用しないよ」みたいな説教風の面接等に典型的に見ることができます。
一方で選考を受ける学生もとにかく志望企業に入りたいので、「一生懸命頑張ります」みたいな意欲重視になりがちです。

まるでこれではNHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』ではないですが、採用をしてもらうために主従関係が発生しているとも言えなくもない状況です。

しかし、このような新卒一括採用は日本の高度成長期には実はとてもうまく機能したシステムでした。その為、そこでの成功体験を未だに(暗黙のうちに)引きずっている企業が多く、そのことが各企業の中途採用においても影響を与えていると言えます。

次は需要と供給のバランスについてです。
中途採用市場においても世の中の景気の変動に伴い、当然採用における需要と供給のバランスは変わってきます。一般的には、好景気で企業側の採用意欲が旺盛な時は主導権は求職者側にあります。反対に不景気で企業側が採用人数を絞り込んでいる時には主導権は企業側にあります。

これは求人の需給バランスを表しており、
「売り手市場=求職者の数よりも採用数が多い(求職者に主導権)」
「買い手市場=求職者の数よりも採用数が少ない(企業に主導権)」
と言われたりします。

この二つのことが複雑に絡みあい、中途採用市場における主導権争いが起こっているのです。

主導権はなく、対等であることが本来の姿

ここまで見てきたように転職においても、個人と企業との間に主導権が発生するということが理解頂けたと思います。

しかし、重要なことはこの主導権争いをどう捉えるか、という点です。

ただ単に力がある方が強く、弱者はそれに従っているだけということではなく、そういう状況下にある企業・個人はどのように対応していけばいいのかという風に前向きに捉えていくということです。

私はそのポイントは選考において、企業と個人は「対等」の立場であるという認識を双方が持つことだと考えています。

具体的には選考の場で企業・個人双方が等身大の姿(=魅力を包み隠さず見せていくこと)を見せ合い、お互いの長所と短所を踏まえた上で納得感を持って面接ができているかどうかという点が重要なのではないかと思います。

そういう選考では、企業のみならず個人側も「企業を選考する」というスタンスを持って面接などの選考の場に臨んでいる状況です。これが「対等」の立場での選考ということです。

軸を持ち、強みを磨く

このような対等の関係を築く上でポイントとなってくるのは「軸を持ち、強みを磨く」ということだと思います。
企業・個人双方にとってそれぞれ大事にしている軸(価値観やビジョン)をしっかりと持ち、それを実現していくために独自の他社(他者)との差異化ができる強み(スキルや専門性など)を磨くことが必要になってきます。

この軸と強みをベースに選考をしていくことで企業・個人双方にとってお互いが納得のいく結果を得られるのではないかと思います。またこのような点が本来ないと結果的には短期での離職につながることが多く、徒労感だけが残ってしまうというケースがよく起こります。

転職エージェントの介在価値

以上を踏まえると転職エージェントとして大事な役割は

・企業・個人双方に対して等身大の姿を見せていただくように支援やアドバ
 イスをしていくこと
・客観的な立場からそれぞれの軸と強みをベースにした魅力を引き出し、最
 大化していくこと

 

の2点だと思います。
これこそ、転職エージェントが担うべき大事な介在価値なのです。
当社、カタリストエージェントは、この点を踏まえて企業・個人の方にアドバイスをしていきながら双方が目指す「ゴール」に向けてお手伝いをしています。

転職又は採用にお困りの際は、是非下記までお気軽にご相談ください。






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