認定スクラムマスター研修を受けて受からなかった話(後半)

認定スクラムマスター研修を受けて受からなかった話(前半)で研修の全体のスケジュールや認定までの流れはお話ししたので、後半記事では研修を通じて感じたことをメインに、自戒も交えて書きます。

個人的には 3 日間ずっと精神的に追い込まれ、難しい研修でした。
具体的に研修の中で難しいと感じたことは大きく 2 つあり、
1 つは、30 人以上で行う議論を発散させないこと、もう 1 つは現状を分析する能力です。
これらに対し、常に自分のできなさを痛感していました。

30 人以上で行う議論を発散させないこと

前半記事でも触れたように、研修では『全員が納得できる論理的な説明』が最重要視されたため、多数決を使うことは勧められていませんでした。
このため、研修の中では誰かが論理的でない発言した際は講師やほかの受講生から指摘が飛び交いました。
そうしている間に議論が発散してしまうことも多々ありました。
そのようなケースを見ている間に、自分が発言したら人から指摘を受けて議論が発散してしまうのではないかと思うようになり、
ただ議論の行く末を見ているだけの自分がいました。
しかし、講師の方曰く「発言しないのは論外」でした。
確かに何も行動に移さずに議論を見ているだけの人がスクラムマスターとしてふさわしいとは言えません。
講師のその発言を聞き、自分はスクラムマスターとして取るべき行動を取っていないことを痛感しました。
しかし、発言しない癖がついてしまうとどんどん人からの指摘や反論が怖くなってしまい、発言ができなくなっていきました。
講師の方は所々で「フィードバックはモノに対して行うもので、人に対して行うものではない」と仰っていたのですが、自分にはこの考え方が身についていませんでした。
一方で、フィードバックはする方にも受ける方にも訓練が必要だと知ることができたのは自分の学びに繋がりました。

現状を分析する能力

上記の通り、議論は常時発散する傾向にありましたが、
その原因は何なのか、それをどうしたらよい方向に導いていけるのかを本気で考えられたかというと、正直なところ考えられていませんでした。
受講生の中ではよく発言する人たちが 5 人から 10 人ほどいて、議論を主導しているように見えました。
また、そのような人たちに分析を任せてしまっていたところもありました。
その原因の一つは、やはり自分が発言を諦めてしまったところにあったと思います。
発言をしないことで議論の中心から外れてしまい、そのことによって議論の動きに対して鈍くなり、現状の分析もできなくなっていました。
また、発言をしないことで主体的に考えることもできなくなっていました。
スクラムマスターであるならば、正しく現状を把握して分析し、問題が起こったときに解決に導けるように手助けできなければならないのですが、
現状を把握しきれていなかった点でスクラムマスターとして失格だと思いました。
しかし、発言をしないことで主体的に動けなくなってしまう自分がいることに気づくことはできました。

まとめ

研修内ではスクラムマスターとして考え、発言することが求められていたにも関わらず、それができない自分と常に向き合わなければなりませんでした。
しかし、できない自分と向き合うことで見えてきた気づきもあったため、研修を受けたこと自体は失敗だとは思っていません。
フィードバックを受ける訓練が足りていないことや、人任せにしてしまう面があることを自覚できたことは大きかったと思います。
今回の受講は自分の身の丈には合っていなかったかもしれませんが、普段からスクラムマスターとしての経験があり、その能力を別の場所で試してみたい人にとっては良い研修になると思います。
一方で、スクラムマスターとしての経験や、スクラム自体に経験の浅い人にとっては厳しい研修になる可能性もあります。
CSM も LSM も決して安い研修ではないため、より多くの学びを得て資格の取得に繋げられるよう、研修は慎重に選ぶべきだと思います。

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