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この世から消えてしまいたいと思ったとき

著名人の自死が報道された時「誹謗中傷は犯罪!」「悪質な書き込みは罰則を設けて処罰しろ!」とテンプレートのように出てくる。

数年前にも同じ様なことが起こった。
でも未だにSNSでの誹謗中傷は止まらず。

あくまで個人的な極論。
誹謗中傷を書く人々に罪の意識はない。むしろ正義感で書いている人も多い。そしてただの暇つぶし。みんなが書いているから自分も書く。自分の意見を書いているのは言論の自由だ!
簡単に指先一つで罵詈雑言を書き込む。

その様な相手に「あなたが同じ立場になったら?誹謗中傷を受ける側になったらどうしますか?」何も効果はないと思う。
なぜなら想像力が欠けているから。年代も、性別も、学歴も何も関係はないと思う。もしかしたら統計データで【誹謗中傷を書きやすいタイプの人】という研究があるかもしれない。

ここで私自身の経験をシェアしたい。
社会人1年目。新卒として総合病院の看護師として勤務が始まった。
ここで初めて大人のいじめを体験した。
仕事を覚えること、勉強をすること、1日の復習と翌日の予習。
学生時代のきつい実習なんて甘いと思えるほどハードな日々だった。

自分自身、不器用で人間関係の立ち回りは上手くはないことを自覚していた。それでも学生時代は学校以外に自分のコミュニティを作って滞りなく過ごしていた。
社会人は全く違った。

日々にコミュニケーションとして数日毎に開催される飲み会。
私はアルコールアレルギーで飲めない。飲んだら命に関わる。
それが標的の対象となった。←典型的なアルコールハラスメント

当時、病棟を仕切っていた看護師、その人に嫌われると1年目は地獄になるなんて話は聞いていた。
毎日のように出勤し挨拶しても無視、そして同期達も逆らえず、長いものには巻かれる主義で一緒になって悪口、陰口。
ある時はクリーニングから返ってきたばかりのユニフォームにマジックの様なものですべて汚されていた。←この事件以来、きれいなユニフォームは自宅に持って帰り保管することにした。

毎日そんなことが続きある時仕事をサボった。もう限界だと思い地元の港まで行き「このまま車で海に落ちれば事故になるかな。保険も降りるし親に少しでもお金を残せるかな」なんて考えていた。

その時に考えた。「相手は笑って生きているのになんで私が死ぬの?まだやりたい事もあるのに何で私が死ななきゃいけないの?」
結果論から言うと【もう消えて楽になりたい】という気持ちが
【このまま黙って死んでたまるか】という怒りが奮起させた。

そして自分の心と体を守るために退職することを決めた。
その前に
ユニフォームの落書きの件、その他諸々のいじめの内容を記録に残した。
ボイスレコーダーもAmazonで買って常に胸ポケットに忍ばせておいた。

余談だがどの業界も【いじめ】という不都合は隠蔽をしがちである。
当時努めていた職場も、同じ様な事が他の病棟で起きているが見ざる、聞かざる、言わざるで被害者は退職するか、部署移動の2択しかなかった。
つなり泣き寝入りだ。

絶対に泣き寝入りなんてしてやるものかと私は人事部に直談判した。
これまでの経緯をまとめたレポート、ボイスレコーダーの内容。
3年分の色々を提出した。
「もみ消すのであれば、このまま労働基準監督署に行きます。そして弁護士にも相談済みなので然るべき対処を取らせて頂きます。」と伝えた。
人事課長はすぐに答えは出せないとの事だったため1週間の猶予を与えた。
1週間後に答えが出せなければこちらも、そういう対応だと判断し対処しますと伝えた。

結果は主犯格1名、加担していた同期3名はバラバラに部署移動。
後で聞いたことだが、移動先の部署の管理職には事の経緯を全て共有していたと。同じ事が起きないように目を光らせて置くということだろうか。

ようやく片付いたと最終出勤日、上長からこんな事をいわれた。
「みんな(いじめに加担していた人も含めて)あなたに謝罪したいと言っている。聞いてくれる?」
答えはNOだ。
「謝るような事をする人間が人の命を預かって看護するんですね。謝罪は結構です。謝って済むなら私は退職しません。一生許しません。そうお伝えください。」と。
大人気ない事を言ってしまったと今なら「結構です。」の一言で終わらせる。
この頃はまだまだ未熟だった。

いま思うのは生きていて良かった。
目標の一つだった留学も行けた。
色んなものを捨てたけど、捨てた以上のものが今はある。

たまたま私の場合は怒りの方が勝って切り抜けられた。
でもそうじゃない人もいると思う。
簡単に「生きていればいいことがある」とは絶対に言えない。
だけどこれだけは言える。
もしも【この世から消えたいと思った時】
良い人にならない、自分が悪いと思わない!

あなたを傷つけている人が本当の悪い人。
いっそのこと相手に中指立てて生きていこう!


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