![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119792115/rectangle_large_type_2_5f61edd8a97841ba64bb07d6c5b4dc91.jpeg?width=800)
中国四川省の鉄道「芭石鉄路」①
四川省「芭石鉄路」
親戚が鉄道カメラマンなため、これまで中国のあちこちに「蒸気機関車撮影の旅」に連れて行ってもらった。
名目上は、一応、「通訳」兼「ぽんこつ撮影アシスタント」だ。
これは、そのうちのひとつ。
2009年に訪れた、菜の花畑の中を走る鋼鉄の男爵、中国四川省の鉄道「芭石(ばせき)鉄路」の記録。
![](https://assets.st-note.com/img/1698152201867-UHyFq01wGj.jpg?width=800)
躍進駅のC2型蒸気機関車
2009年2月末。
親戚の兄貴――通称「哥哥(グーグ / 中国語で、兄の意)」とともに訪れたのは、中国四川省・成都の南約200キロにある「犍為(けんい)」だ。
ここに敷かれているのが、全長約20キロの炭鉱専用線「芭石鉄路」。
C2型蒸気機関車が現役で走る、狭軌(ナローゲージ)である。
![煙をはきながら走る蒸気機関車](https://assets.st-note.com/img/1698151401841-kVIbbG7LMP.jpg?width=800)
朝、成田空港を出発し、中国四川省の省都「成都」に到着したのは、夕方。
中国の鉄道に詳しいガイドの陳さんと合流し、その日のうちに「犍為」へと向かい、一泊。
翌日、まず向かったのは「躍進駅」だ。
駅には炭鉱を所有する嘉陽集団の事務局があり、まずは所長にご挨拶。
実はわざわざ挨拶に行ったのには、わけがある。
実は今回、なんと芭石鉄路の蒸気機関車を「包車(チャーター)」することになったのだ!
![線路を走りさっていく列車と、開けた踏切のバーをおろそうとしている黄色い服の女性](https://assets.st-note.com/img/1698152428635-odouhH11DS.jpg?width=800)
踏切のバーは手動。バーを上げるために、踏切横には踏切番人小屋がある。
![人でいっぱいの客車](https://assets.st-note.com/img/1698152468199-VmMp1HhTLX.jpg?width=800)
石渓駅での撮影
つづいて向かったのは「石渓駅」。
ここでの最大の目的は、「机務段(きむだん / 機関区のこと)」の見学だ。
![急な階段と、その周囲にたつ古びた集合住宅](https://assets.st-note.com/img/1698152590551-kHbIXnbx4B.jpg?width=800)
階段をのぼって、高台にある「石渓駅」に向かう。
![ホームの隅で、包子や豆乳の入った鍋が湯気をたてている。ホームには列車と、たくさんの乗客、見送る人、車掌さん](https://assets.st-note.com/img/1698152724449-FLv4PFLusl.jpg?width=800)
小さな大衆食堂や、簡単な便利店が並ぶ、駅のホーム。
![湯気をあげる車輪](https://assets.st-note.com/img/1698152741149-AWawLaGeTR.jpg?width=800)
駅にはすでに蒸気機関車が停車している。
![運転席を外から見た様子。運転席内の壁に、上着がかけられている。外側には「No.09」という文字](https://assets.st-note.com/img/1698152757284-JN6yYq2HOm.jpg?width=800)
机務段見学の前に、駅長さんにご挨拶をして、まずは停車中の蒸気機関車を撮影。
![ホームに停車中の蒸気機関車](https://assets.st-note.com/img/1698152804303-ysrb2S5JOE.jpg?width=800)
蒸気機関車の文化的価値
「芭石鉄路」は、炭鉱専用線だ。
けれど近年は、この蒸気機関車を観光の目玉として、大型休日や菜の花の時期になると、立派な客車をつけて観光客を乗せることもしている。
以前訪ねた別の鉄道では、現地で働いている人たちに「なんで機関車なんて撮影するんだ? こんなみっともないものを」と何度も言われた。
彼らにとって、蒸気機関車は「文明の遅れ」を象徴する乗り物でしかなかったのだ。
![ホームを包子をかじりながら歩く駅員さんと、足元にまとわりつく二匹の犬](https://assets.st-note.com/img/1698152827005-o4PDqmD3oL.jpg?width=800)
だが、ここ「芭石鉄路」では、蒸気機関車の文化的価値に早くも目をつけ、積極的に観光客を誘致していた。
鉄道員もそのことを誇りに思っているようで、「どんどん撮影してくれ」と言わんばかりに嬉しそうな笑顔をしていた。
![こちらを振りむく白い子犬](https://assets.st-note.com/img/1698152843394-T434IZaYvz.jpg?width=800)
![女性の鉄道員が立つホームに、新たな青い貨物列車が入ってくる](https://assets.st-note.com/img/1698152880362-9xGAvgj4cT.jpg?width=800)
![客車を外から見た様子](https://assets.st-note.com/img/1698152904580-GRskuGE7e3.jpg?width=800)
これは観光用ではなく、普通の客車。
観光用の客車はもう少し上等で、外をよく見れるように窓を大きくとってある。運賃も少し高めらしい。
けど、古いモノ好きにしてみると、やっぱり心惹かれるのはこのボロボロな客車の方。
![客車を外から見た様子](https://assets.st-note.com/img/1698152925578-l5BiMbOcVv.jpg?width=800)
![赤と緑の手旗が、ホームの隅に用意されている](https://assets.st-note.com/img/1698152941911-WDSW6bxIFx.jpg?width=800)
![駅までの階段脇には、とたん屋根の家々](https://assets.st-note.com/img/1698152959253-bW1HLDNG83.jpg?width=800)
線路の脇には、鉄道員のものだろうか、いくつかの家が並んでいる。
私がかつて留学した中国雲南省では、線路脇は貧しい人たちの生活の場だったが、芭石鉄路ではどうなのだろう?
![ボロボロの錆びた列車が停車している。おそらくは廃車](https://assets.st-note.com/img/1698153003672-lQL3vABVgT.jpg?width=800)
いよいよ机務段の中に潜入取材だ!
次回予告
中国四川省の鉄道「芭石鉄路」②
![蒸気機関車が線路を走ってくる。蒸気機関の前部ステップには、青い作業着を着た男性が立ちのりしている](https://assets.st-note.com/img/1698153105174-lgUwpwvusi.jpg?width=800)
「机務段(機関区)」の仕事の風景を見学させてもらう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?