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雲渦巻く〈雲南省〉少数民族自治区探訪記~昆明「小板橋市場」~

昆明最大級の青空市場!混沌たる「小板橋市場」

三輪バイクの幌の中から外をパシャリ

2004年12月、留学仲間の提案で、雲南省の省都「昆明」の中心街から、バスで一時間ほどの郊外にある官渡区小板橋鎮に向かうことになった。
目的は、当時、私たちのあいだで流行っていた「市場めぐり」だ。

雲南省における昆明市官渡区の位置(白地図専門店さま)

田地を越え、荒地を越え、ひたすら走ると、バスは土ぼこりの舞うT字路に着く。そこでさらに三輪バイクに乗りかえ、馬車と三輪バイクとが大渋滞を起こした先に、その市場はある。

昆明最大級の「何でもあり」の青空市場。
小板橋(シャオバンチャオ)市場である。

廃材屋さんだろうか 奥には棚らしきものまで転がっている

小板橋市場は無数のエリアに分かれていて、金属市場、雑貨市場、食品市場などなど、あちこちで青空市場が開かれていた。

こういう継ぎ接ぎだらけの建造物が大好物です
市場だろうが病院だろうが、煙草は必須
こんな足元の悪い場所でもスニーカーではなく革靴をはいている

この市場から感じるエネルギーを言語で説明することは難しい。
ただひたすらに雑多。雑多に雑多を重ねて、さらに雑多で煮込んだような、極上の「雑多」がそこにある。

管を売るついでにヘルメットとか電灯とかバスケットボールも売っちゃう
子供にも大人気のおやつ、さとうきび
青いほっかむりがトレードマークのおばあちゃん店員
どれも中古品 日本で言う「リサイクル」との違いを考える
なんでもない市場の片隅に猛烈に心を惹かれる
一日の売上はどれぐらいなのか訊いてみたい
道で売られているのは、留学中こよなく愛した揚げポテト
辛味や香菜、味精(味の素)と一緒にビニール袋に入れて、シャカシャカと振る

小板橋の一帯には、昆明の中心部では珍しくなった昔ながらの町並みが今も残る。(2004年当時)

路地に小椅子を並べ、裁縫や編み物をしながら小物を売るおばちゃんたち。

籠の上には、獅子の顔が刺繍された子供靴が並んでいる。すべて手作り。獅子には魔除けの効果があるから、子供の健やかな成長を願ったものだろうか。

ひと昔前のスパイ映画に出てきそうな雰囲気のあるおじさん
道端歯医者は、地方に行けばごく普通の光景だ
机には抜いたばかりの歯が、地面に血の痕跡があったりする
白衣姿だけど、帽子にこだわりを感じる
「最新科学技術(手前の卓上のプレート)」であるらしい歯医者の後ろには茶屋
赤い服の男の子は宿題をやっていて、かたわらの男性がそれを見ている
茶屋の軒先で、おじいちゃんたちが、茶、水煙草(右の竹筒)を手におしゃべりをしている
色違いでお揃いの帽子が、何だか可愛らしい
みんないい笑顔をしているんだ
路傍食堂のおばちゃん
ここでは地元の人が普段食べているような素朴な料理を食べることができる
ぱさぱさした白飯、大根の白湯煮、鳥の唐揚げ、漬物などなど……こういうのが旨いんだ!
10元です

不気味なガラスケースを発見!
蛇や大トカゲ、様々な薬草が酒漬けにされている。
ガラスケースは客の購買意欲を掻き立てる作用があるものだが、これは……。
人参のようなものや蛇はわかるが、その下の巨大な爬虫類はなんだろう。
タイヤがついているから、これをひっぱって市場までやってくるらしい。

籠の中には生きたニワトリ
時折顔を出しては、コココッと首を前後させる
定番の飴細工屋さん
精緻な孔雀の細工に割りばしをのせ、板から剥がしたら完成
金魚すくい……ならぬ金魚のおもちゃと、本物のザリガニや貝をとる遊戯
しかも紙皿じゃなくて、ただの網。ぜったいに取れるやつ
これの楽しさを理解できたら、立派な小板橋市場マスター!
この地区の名である「官渡」の扁額がかかった楼閣「凌雲閣」
右手前の建物の「OK」はなんだろう
小板橋の広場 背後の建物は仏教の施設と思われるがうろ覚え
外灯のかわりに笠付きの裸電球が吊るされている
ロバの形をした輿

エネルギッシュな混沌の市場の一日が終わりを告げる……。


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