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中国四川省の鉄道「芭石鉄路」⑥(最終回)

芭石鉄路よ、永遠なれ

昼食のあとも、引きつづき蒸気機関車の撮影をする。

蒸気機関車の火室
蒸気機関車の火室

線路と日常の風景

菜の花畑の中に立つ「鳴」の標識

線路脇にたびたび見かける「鳴」の文字。
線路が蛇行していて、見通しが悪いため、警告音を鳴らせという意味だろう。

トンネル内部
菜の花畑の中で、少女ふたりが笑っている

学校帰りの女の子と遭遇。
「なにを撮ってるの? 私たちも撮って撮って!」とおおはしゃぎ。
撮影した写真を、デジカメ越しに見せると、「やった」と喜んで、足取り軽く線路を歩いて去って行った。
写真をあげたわけでもないのに、喜んでくれる、その純粋さが嬉しい。
こういうとき、ポラロイドカメラが欲しくなりますね。

「芭石鉄路普通客運票価格標準」と書かれた看板。駅ごとの値段が書かれている
芭石鉄路 普通客運票 価格標準

芭石鉄路の運賃表。
二の欄に「観光大客車」と「普通小客車」と書かれている。観光大客車は、乗り心地のいい、豪華めな客車のことだが、運賃を見るとそこまで極端に値段の差はないようだ。

湾曲した線路を走る蒸気機関車、沿線には鶏や菜の花畑
満員の車内の様子

普通の客車に乗って、車内をパシャリ。立ち乗りの人もいるぐらいに満員だ。

芭石鉄路の夜明け

夜の駅。電灯に照らされた蒸気機関車

翌日、ふたたび夜明け前に集合し、「石渓駅」から客車に乗車。

夜の駅。電灯に照らされた蒸気機関車
夜の駅。焚の火の赤い光で幻想的に輝く

「石渓駅」。朝晩は冷え込むためか、ドラム缶に火が焚かれている。
駅全体をぼんやりと輝かせる明かりにもなっている。

蒸気をあげる煙突

出発直前。蒸気を噴きだす煙突。
夜の蒸気機関車の妖艶なことときたら!

蒸気をあげる蒸気機関車

6:30に「蜜蜂岩駅」に到着。
唯一の便利店であり、宿でもある店で、他の外国人と一緒に朝食。

白い飯

朝食といっても、食べられるのは、大盛りのごはんだけ。
哥哥が例のカレーを取り出し、ごはんにかけてくれた。

早朝の駅。線路の切り替えをする駅員

朝早くから働く駅員さん。線路の切りかえも手動。

蒸気をあげながらバック走行する蒸気機関車

と、そこへ、蒸気機関車が怒涛のバック走行! しゅしゅしゅしゅしゅ!

前進する蒸気機関車

そしてふたたび前進。
やっぱり前進している時の方が、さまになる!

滑るから気をつけて!

菜の花畑のS字カーブを走る蒸気機関車
雨の降るなか、煙をあげて走る蒸気機関車

8:00前後の上り列車を撮影したところで、ふたたび菜の花畑のなかでの撮影を決行。
あいにくの雨。しかし、撮影に適したS字カーブを発見したので、カーブを俯瞰できそうな崖に登り、撮影ポイントを探す。
途中、前を行く哥哥が、こちらを振りかえって言う。

「ここらへん、泥で滑るから気をつけ――うおおお!」

悲鳴をあげて崖から滑り落ちる哥哥。
無事を確認したとたん、私、思わず手を叩いて大笑いしてしまう。注意したとたんに自分が落ちるなんて、まるでコントだ! さいわい怪我はなかった。とっさにカメラを死守した哥哥のカメラマン魂に拍手。

芭石鉄路との別れ

そのほかにも絶妙なS字カーブを見つけたが、あいにく列車が来なかったため、これで撮影を終了することに。

駅にとまる蒸気機関車

「蜜蜂岩駅」から乗車し、ふたたび「石渓駅」に到着。

線路を歩くたくさんの人々
列車から下りて、方々へと散っていく乗客たち

楽しかった「芭石鉄路」の旅もこれで終わりだ。
人生初の「蒸気機関車を包車(チャーター)」という貴重な経験に加えて、憧れの「夜汽車」に乗ることもできた。
とても楽しい珍道中を計画してくれた哥哥と、安心安全な旅にしてくれたガイドの陳さん、惜しみなく撮影協力をしてくれた芭石鉄路の鉄道員さんたちに心からの感謝を捧げたい。太感謝了!

蒸気機関車を背に記念撮影をする六人家族と、カメラを構えた駅員さん
蒸気機関車を背に、記念撮影をするご家族と、撮影を手伝ってくれる鉄道員さん

観光鉄道として、新たな道を進みつづける芭石鉄路。
その栄光よ、永遠なれ。

ご観覧、ありがとうございました!

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