見出し画像

仮装とイジリ

 学生生活の中で、「仮装」をする機会がたまーにあります。
その中でもありがちなのが「男装」や「女装」

 ある演奏会で後輩が女装をしました。
パッと見では男性と感じない出来栄えで、お化粧を手伝った彼と同期の女性も満足だそう。

 そんな仮装を気に入ったのか、単に着替えが面倒臭いからか彼は女装のまま家に帰ろうとしていました。
すると、周りからは「お前めざめたのかよ」「オネエ?」との声が。

 そう言われたからか、彼は「いやいや」と否定しながらウィッグを脱ぎ、服を着替えようとしていました。

 日頃、ジェンダー論の勉強をしているからか、私はそのやり取りが凄くモヤモヤしてしまって、何か行動しなくてはと思いました。そして、着替えを探している彼に「べつに女装が好きな男性でも良いんだよ!」と言っていました。

 こう自分で言ったあと、他にもっと言い方とか言葉とかあっただろ!って後悔しました。言ってることは間違ってないはずなんだけど、なんとなく私の言葉さえ女装をネタにしているみたいになってしまって。

 私がその場で伝えたかったのは、「オネエ」とか「女装、男装」をイジリにしないでほしいという事と、女装が気に入ったのならそれを否定しないよという事です。
 言った本人は気がついていないかもしれないけど、もしまわりに女装、男装を好んでいる人がいたら?

 そもそも彼が女装を気に入っていてその上でイジられたとしたら、彼は傷付いているかもしれないと思いました。
 もちろん彼が女装を気に入っていたかどうか私にはわかりません。たまたま着替えるのが面倒だからそのままの格好だっただけかもしれません。

 男装が好きでも女装が好きでも、それは誰も否定することでは無いでしょう。イジりのネタでもないはずです。

 そして、仮装ではなく自認する性別に合った(その人が心地よく過ごせる)服装でいることは仮装とは違いますし今回の文脈では関係がありませんが、私の友人のトランスジェンダー女性で「女装」イジりをされて傷ついたという方もいます。
 彼女の話を聞いて、女装や男装に対するイジりは想像以上に人を傷つける可能性があることなんじゃないかと感じました。

 こんな事でいちいちうるさいよ、これくらいのイジリで傷付く人はいないよって思われるかもしれません。
 そう、私の気にしすぎなんです。

 こういうことを気にしすぎてつまらない世の中になると思われてしまうかもしれません。

 でも、どうしてもモヤモヤしてしまってこの出来事を共有したくなりました。これはあくまでも仮装が趣味でもなく、トランスジェンダーでもない私がモヤモヤしたという話で、同じようにジェンダー論のお勉強をされている方や、女装を趣味として楽しんでいる方、またトランスジェンダーの方が今回のようなイジリにどう感じているかはわかりません。
 トランスジェンダーと仮装の話をごちゃ混ぜにしてしまってわかりにくい文章でごめんなさい。

 ただ、女装に限らずイジリをしたいと感じたときにはちょこっと「これを言って傷付くかもしれない人が周りにいるかな」と思える人が増えると良いなって思っています。
 ちょっと気を付けるだけでも無意識に傷つける人が減るはずだと思います。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?