株式会社イズミ 2025年2月期 第1四半期決算分析

1. 導入 (Introduction)

本記事では、株式会社イズミの2025年2月期第1四半期（2024年3月1日～2024年5月31日）の決算短信を分析します。この分析の目的は、イズミの財務状況や業績の理解を深め、投資判断をサポートすることです。

2025年2月期第1四半期の連結営業収益は 108,784百万円 で、前年同期比で 4.8% 減少しました。営業利益は 5,811百万円 で 28.7% の減少、経常利益は 6,063百万円 で 27.2% の減少となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は 3,933百万円 で 28.9% 減少しました。

2. 会社の業績概要 (Company Performance Overview)

売上高・利益

2025年2月期第1四半期の売上高は 94,812百万円 で、前年同期比で 5.5% 減少しました。この減少は、主にランサムウェア感染被害によるシステム障害が原因とされています。

営業利益は 5,811百万円 で、前年同期比 28.7% 減少しています。これは、売上総利益の減少と販売費及び一般管理費の増加によるものです。

セグメント別業績

• 小売事業: 売上高は 104,474百万円 で前年同期比 5.0% 減少。営業利益は 4,456百万円 で 33.1% 減少しました。

• 小売周辺事業: 売上高は 10,842百万円 で前年同期比 1.3% 増加しましたが、営業利益は 1,227百万円 で 8.4% 減少しました。

3. 財務状況の分析 (Financial Analysis)

キャッシュフローの動向

• 営業活動によるキャッシュ・フロー は 14,441百万円 で、前年同期比 4,974百万円 増加しました。これは、仕入債務の増加や賞与引当金の積み増しが主な要因です。

• 投資活動によるキャッシュ・フロー は 7,740百万円の流出 となり、前年同期比で 3,987百万円 の増加が見られました。主な支出項目は、有形固定資産の取得と子会社株式の取得です。

• 財務活動によるキャッシュ・フロー は 8,518百万円の流出 で、前年同期比 1,837百万円 増加しました。長期借入金の返済が主な支出となっています。

主要財務指標

• 売上高利益率: 5.3% （前年同期比 1.8ポイント 低下）

• ROE: 測定不可 （四半期データでの計算には年間データが必要）

• ROA: 1.2% （前年同期比 0.7ポイント 低下）

• 自己資本比率: 56.6% （前年同期比 0.7ポイント 低下）

4. 重要なイベントやリスク (Key Events and Risks)

重要なイベント

• ランサムウェア感染被害: 2024年2月15日に発生したランサムウェア感染被害が、システム障害を引き起こし、営業収益に影響を与えました。システム復旧は5月1日に完了しましたが、客数の減少と売上の低迷が続きました。

リスク要因

• 経済環境の変動

• サイバー攻撃リスクの再発

• 競争激化による利益率の低下

5. 今後の展望 (Outlook)

会社の見通し

イズミは、2025年2月期第2四半期の累計業績予想を発表しており、営業収益は 238,300百万円 で前年同期比 2.1% の増加を見込んでいます。一方、営業利益は 11,700百万円 で 24.6% 減少すると予想しています。

今後の成長可能性やリスク

ランサムウェア感染被害からの回復が進んでいるとはいえ、サイバー攻撃に対するリスク管理が今後の課題となります。また、持続的な成長を確保するためには、M&Aや新規事業の成功が重要です。

6. 結論 (Conclusion)

• 営業収益は 4.8% 減少。

• 営業利益は 28.7% 減少。

• キャッシュフローは改善傾向にあるが、財務状況には注意が必要。

• 投資判断: 現状は 「ホールド」 が適切。

7. 参考文献やリンク (References and Links)

• 株式会社イズミ公式サイト

• [2025年2月期 第1四半期決算短信 PDF]