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京急百貨店コトノワ ワイン上級講座 品種の見極め2(シラー)

先日は京急百貨店コトノワのワイン上級講座の第2回。上級講座のメインテーマは「品種の見極め」、要は同品種のワインについてを同価格帯の生産地違い、中級品、高級品との品質の違いを比較試飲していく内容。

第2回となる今回は「シラー」をピックアップ、実はワインの勉強を始めた当初は最も苦手としていた品種、特にローヌのワイルドさというか獣臭さががどうにも嫌いで…(苦笑)

それがオーストラリアのシラーズの良いのを飲んでから開眼、今じゃ得意分野の一つ、人間の好みって何かのきっかけで大きく変わるんですよ。(笑)という事で今回のサンプルはこちら。

Sample-1
 Cave de Tain Syrah 2020
 カーヴ・ド・タン シラー
 生産地:フランス/コート・デュ・ローヌ地方
Sample-2
 Berton Vineyards Metal The Black Shiraz 2021
 バートン・ヴィンヤード メタル・ザ・ブラック シラーズ
 生産地:オーストラリア/南オーストラリア州
Sample-3
 Andre Brunel V.D.P. Grenache2021
 アンドレ・ブルネル ヴァン・ド・ペイ グルナッシュ
 生産地:フランス/コート・デュ・ローヌ地方

まずセット1は同価格帯の生産地違いの検証とシラー以外の品種探し。
ポイントは生産地の違いによる酸の質と強さや渋味の強さ、発酵方法による果実味の違いなどがポイント。

バートン・ヴィンヤードがかなり気合いの入ったボトルで、並々ならぬ意気込みを感じたが、味わいも相応な物で、果実味爆弾系を想像していたら拍子抜けするほどのジェントルな仕上がりでビックリ。

ボトルを見た時に現代的なモダンな味わいだろうなと想像したらまさにその通り、カーヴ・ド・タンもアンドレ・ブルネルも、フランスワインでありながらもグローバルなマーケットを意識した味わいで、強めではないけどステンレスタンクでの低温発酵による、ほんのり果実味のスタイル。

特にグルナッシュは糖度が上がりやすく、野暮ったいワインになるので、収穫のタイミングやどこまでアルコールを上げるとかも考えられてるなという印象。

Sample-4
 Mariposa Alegre Gran Reserva Syrah 2020
 マリポーザ・アレグレ グラン・レゼルヴァ シラー
 生産地:チリ/アコンカグア・ヴァレー地区
Sanmple-5
 M. Chapoutier Cornas Les Arénes 2018
 ミシェル・シャプティエ コルナス レ・ザレーヌ
 生産地:フランス/コート・デュ・ローヌ地方

次のセットはカーヴ・ド・タンを残しての中級品、高級品との比較。
マリポーザ・アレグレはまだまだシラーの産地としては馴染み薄いチリのワイン。とはいえ、凝縮感もかなりのレベルで色合い同様の重厚な渋味。こちらもステンレスタンクの低温発酵ながら、果実味爆弾系ではなく品に良い果実味の赤ワイン。

最後はローヌの重鎮、シャプティエのコルナス。
香りを取るとすぐにわかる通常発酵によるワイルドな香り。味わいは真逆で滑らかで緻密なタンニン、旨味とのバランスも良く、飲み応えはたいした物。

カーヴ・ド・タンの3倍の価格という事もあるが、むしろクラシックなスタイルとモダンなスタイルの如実な違いが感じられ、どのマーケットに向けて造ったワインかがハッキリと見えてくる、そんなテイスティングでした。

京急百貨店コトノワにご興味がある方は下記のリンクをご利用ください。
ワイン講座は9月まで上級講座で10月より入門講座の予定です。


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