発言がコンテンツ
髪は10年くらい同じ男性美容師に切ってもらっている。
ちょっと年上で、まあまあイケメンで、話が面白い、発言がコンテンツみたいな美容師である。
今日は、そんな美容師「オーさん」との面白い思い出を語ってみる。
わたしが、社会復帰して就職するとなったときの話だ。
わたしが「就職決まったんだ。東京で働く」って言ったら、「マジ!? おめでとう!」って自分のことのように喜んでくれた。
そして、「いつも以上に気合入れて切るわ! いやいつもガチなんだけどw」と言いながらカットしてくれた。
そして、話の流れで「えこちが東京で働くんか~。……垢抜けちゃうかもなあ、さびしい~」と言われた。
「え、待って? 今まで芋だと思ってた? 地味に傷つくが?」
「いやそこまで言ってないけどさ。いや、東京で働くとみんなおしゃれになっちゃうんだよね~」
「え? 今までおしゃれじゃないと思ってた?」
「いやそこまで(以下同文)」
今は垢抜けてないよね、というショックと、垢抜けるの期待してるよ、という垢ハラで胃が痛くなってしまった瞬間だった。
わたしは、なんだか顔が幼く、というかガキっぽく見えるのを気にしているのだが、それをオーさんに相談したところ、「う~~~~~ん」と大いに悩まれたあげく。
「童顔って指摘するとだいたい悪口になるから言いたくないんだよね」
俺の顔はディスるところしかねえんだな?
とは言え、なるべく大人っぽく見えるように、いろいろアドバイスはしてくれたので、良しとする。
なので、最近はわたしは前髪をつくらないようにしている。なるべくデコを出している。
オーさん、わたしが彼氏の話すると「え~えこち彼氏できたの!? さみしい!」とか、男性のお客さんに「え!? 結婚するんすか!? うわさみし~!」とか言ってるくせに、自分はちゃっかり彼女つくっていつの間にか結婚までしてるからこの世はクソだって思う。
え? なんなん?
めっちゃ客に媚び売って「さみしい!」とか言いまくってるくせに!
自分はちゃっかり彼女とカップルヨガしとるし!?
いつの間にか左手薬指にゴールドの指輪輝いとるし!?
世は無常すぎる。
オーさん「牛丼は飲み物」
「えこちが立派な社会人になって、俺は万感の思いです」
「オーさんわたしの父親か?」
友達とポチャッコカフェに行ってきた話をしたとき、オーさんたぶんポチャッコのこと知らなくて、ふんふん、って聞いてたんだけど、だんだん会話が噛み合わなくなってきて、
「めっちゃかわいかったんだよね」
「えこちってそういうの好みなんだ?」
「え? あ~まあ、ポチャッコかわいいよね?」
「俺はどうかな~。うーん、あんま女の子の体重気にしたことない」
????
「ポチャッコって何か知ってる?」
「よく分かんないけどぽっちゃりした女の子でしょ? メイドカフェ的なやつ」
「????????」
分かんないものを分かんないまま放置すんな。
わたしは、サボテンを枯らした女だ。
ついでに言うと、結婚式の引き出物でもらった小さい竹(ミリオンバンブーとかいうやつ…)も枯らした。
わたしは植物を育てるのに向いてないんですよ…って言ったら、オーさんはグリーンが好きなわけなんだが、
「ホームセンターとか百円ショップの多肉はけっこう当たりはずれあるよ。ああいうのは挿し木してあるやつだから、場合によっては購入者が発根させなきゃいけない。発根にはコツがいる」
と慰められて心のつかえがとれた…。
そして次の瞬間。
「でもドラセナ(ミリオンバンブーのことらしい)枯らしたのはウケるw」
心にしこりが残った。
お気に入りの猫シャツ着て行ったときの反応、百点満点はなまるぽんだった。
「俺最近アリペイはじめたんだけどさ」
「(アリペイ……有田哲平のことか?)」
「えこち今アリペイって何のことかめちゃめちゃ考えてる顔してんな」
「うむ…有田哲平のことか?」
「えこち…w」
「こないだ海行った時手に日焼け止めつけたまま太ももに手を置いていたら日焼けが手のひらのかたちに白残りした」
「漫画か?」
「えこち鼻高いよね~うらやま」
「鼻? 別に高くないよ」
「え? でもちゃんと鼻筋に光入ってるし」
「いや、それはハイライト入れてんだわ…」
「完全にだまされた…」
「www」
「ラーメン食べるときに髪の毛がハラリ…って顔にかかるの嫌なんでカットでどうにかしてください」
「それはラーメンとえこちの耳がちっさくて寝てるのが悪いんだよなあ」
「職務放棄! 怠慢!」
「耳の角度変えるのは美容師の仕事じゃねーから」
と、まあこんなふうに、まあまあネタの宝庫な面白いおにいさんなわけなんだが。
最新情報としては「えこちアクセサリ好き?」「なんで?」「で、でた~質問に質問で返す女~wwwウザイ~www会話が成り立たね~www」「そんな言う?」「俺こないだヴィトンのデザイナーコラボのバングル買ったのね」と、散々煽ったくせに何事もなかったかのようにふつうに会話再開されました。っていう。
最近は、完結したから鬼滅の刃を読めと圧をかけられている。
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