アニメ第6話のファイト解説(カードファイト!! ヴァンガード will+Dress)

廻間ミチル vs 大倉メグミ

8月8日(月)24:00から放送された「カードファイト!! ヴァンガード will+Dress」第6話では、"生きる伝説"と評される強豪・廻間ミチルと、"加賀の伝説"であるダンジを「兄貴」と慕う大倉メグミのファイトが描かれました。
ミチルのファイトが詳細に描かれるのは第2話ぶり。
メグミのファイトは、今回が「will+Dress」シリーズでは初となります。

お互いのデッキの特徴も、おさらいしておきましょう。

ミチルは《ドラジュエルド》を切り札にしたデッキです。
《ドラジュエルド》は、ヴァンガードの下に置かれた「ソウル」4枚をドロップゾーンに置くことで、相手のパワーを強制的に1まで弱体化させて攻撃します。
強力な能力ですが、使用するソウルは「グレードがそれぞれ異なる4枚」という特殊な条件があるのが《ドラジュエルド》の特徴ですね。

メグミは《樹角獣王 マグノリア》と《樹角獣帝 マグノリア・エルダー》を切り札にしたデッキを愛用しています。
デッキの大きな特徴は「後列からもアタックができる」というもの。
通常、後列のユニットは【ブースト】の能力で前列の味方を支援するのですが、メグミのデッキはその気になれば「全員が攻撃」できます。
ただし、全員が攻撃できるようになるのは4ターン目以降になることが多く、序盤は戦力を温存しつつ立ち回るのが難しいデッキでもあります。

※なお、今回の解説もキャラクターの考えなどは私の個人的な解釈です。
※ヴァンガードのルールやゲーム用語は、こちらの記事も参照してください。


序盤戦

ファイトの流れ

ファイトは、メグミの先攻でスタート。
先攻1ターン目はアタックができないので、メグミはグレード1にライドして、ターンエンド。

ミチルはグレード1にライドすると、そのままアタック。
メグミはノーガードを宣言し、ダメージ1点を受けます。
ミチルのターンは、これで終了。

メグミはグレード2にライド。
ヴァンガードの能力でリアガードに《樹角獣 ガボレーグ》をコールし、アタックしていきます。
まずはヴァンガードのアタック。ミチルは手札1枚でガード。
メグミはクリティカルトリガーを引き当てますが、トリガーでパワーアップさせた《ガボレーグ》のアタックも、ミチルは手札1枚でガードします。

メグミの展開はかなり理想的な動きでしたが、ミチルの手札にはガードに使えるカードがありました。
最小限の手札で凌がれてしまったメグミですが「まだまだこれから!」と闘志を燃やし、このターンは終了します。

注目ポイント

初っ端のアタックでクリティカルトリガーをゲットする展開は、第2話のミチルを思い出します。
第2話のミチルは、クリティカルでダンジにいきなり2ダメージを与え、速攻を仕掛けるきっかけにしました。
第6話のメグミは、クリティカルをめくったものの、ミチルに防がれてしまいます。
同じクリティカルトリガーでも、展開は真逆……というのは、ちょっと深読みしすぎでしょうか?笑

ここまでのダメージは、メグミが1に対してミチルは0。
お互いにダメージがほとんどない状況ですが、これが今後にどう影響するのかも注目ですね。

中盤戦

ファイトの流れ

ミチルの後攻2ターン目。
グレード2にライドすると、ソウルからグレード1の《ジュエルコア・ドラゴン》をコールします。
第2話では、このユニットは序盤にアタッカーとして活躍していました。
しかし今回は、ヴァンガードを【ブースト】するため、中央後列にコール。

そしてミチルは、リアガードの《ガボレーグ》にアタックします。
メグミはノーガードで《ガボレーグ》を退却させます。
《ジュエルコア》は能力でソウルに置かれ、ミチルはこれでターンエンド。

メグミの先攻3ターン目。
グレード3の《樹角獣王 マグノリア》にライドし、能力で《樹角獣 ギュノスラ》をコール。
しかし、ここでメグミは気づきます。

ミチルはここまで、メグミに1ダメージしか与えていません。

メグミの《マグノリア》は、受けたダメージをコストにする「カウンターブラスト」の能力で攻めるユニットです。
リアガードの展開にもカウンターブラストを使いたいので、この場面ではダメージがもう1枚欲しかった……!

いろいろ考えを巡らせた結果、メグミはカウンターブラストをオーダーカード《野生の知恵》に使うことに決めました。
ドロップゾーンから《ガボレーグ》と《樹角獣 カリス》をコールし、アタックに入ります。
しかしこのターンも、ミチルはしっかりガードします。
ヴァンガードの《マグノリア》のアタックはノーガードで通りましたが、ダメージは1点にとどまりした。

ミチルの後攻3ターン目。
こちらも切り札のグレード3《魔宝竜 ドラジュエルド》にライドします。
ソウルを増やしながらパワーアップする《ブレインウォッシュ・スワラー》を中央後列にコールし、ソウルチャージ。
さらに《ドラジュエルド》の能力でソウルチャージ。
ここでグレード3がソウルに入ったので、ミチルのソウルにはグレード0・1・2・3の4種類がそろいました。
さらにミチルは《魔宝竜 リスタルゲイラー》を2体コールし、アタックに入ります。

まずは《ドラジュエルド》の能力で、メグミのヴァンガードのパワーを1に減らしてアタック。
メグミはノーガードを宣言し、ダメージ2を受けます。

さらに《リスタルゲイラー》はアタック時に、手札を入れ替えながらソウルを増やし、さらに相手のリアガードを除去するユニットです。
このターン、メグミは3体いたリアガードをすべて失ってしまいました。
ダメージは、ミチルが1に対してメグミは4。

注目ポイント

ミチルの「点止め」が光った中盤戦。
「点止め」は、ヴァンガードのプレイヤーがよく使うゲーム用語で「相手のダメージをあえて増やさないテクニック」のことです。
第2話で、ミチルがダンジとのファイト後に言っていました。

ヴァンガードは相手のダメージを6にすると勝ちなのですが、受けたダメージをコストにする「カウンターブラスト」のように、ダメージを利用することもできるゲームです。
そのため上級者は「いつダメージを与えるか」を意識してゲームを進めることがあります。
相手の行動を制限するために、あえてリアガードにアタックしたり、アタック回数を減らすことで、相手にダメージを与えないプレイングを「点止め」と呼んでいます。

今回は2ターン目にミチルがリアガードにアタックしたことで、メグミはカウンターブラストが足りなくなりました。
迷いなくこのプレイングに行きつくところが、百戦錬磨の"伝説"ミチルの強さですね。

また、リアガードを展開して攻めるメグミに対して《リスタルゲイラー》の能力が強烈に効いていました。
ミチルは大会中、他の選手のファイトを見ているシーンが何度も描かれていましたが……《リスタルゲイラー》は、メグミのデッキを考慮したアタッカーの選択かもしれません。

終盤戦~決着

ファイトの流れ

先攻4ターン目、メグミは切り札のグレード4《樹角獣帝 マグノリア・エルダー》にライド!
《マグノリア・エルダー》の能力で、メグミのリアガードはすべて後列からのアタックが可能になりました。
そしてヴァンガードの能力でリアガードをコールし、さらに手札に温存していたアタッカーも展開。一気に盤面を整えます。

特に注目なのは、2体の《ギュノスラ》。

《ギュノスラ》は、アタックする時に味方のパワーを強化する能力を持っていますが、そのパワーアップ量は「《ギュノスラ》自身のパワー」。
つまり《ギュノスラ》から《ギュノスラ》にパワーを渡していくと、とんでもない量の強化ができるのです。

万全の態勢を整えて、メグミのアタックが始まります。
ドライブチェックが3回できる《マグノリア・エルダー》のアタックに、ミチルはノーガード。
そこでメグミは、クリティカルトリガーを2枚引き当てます!
一気に3ダメージを与えますが、ミチルはダメージチェックでフロントトリガーを引き当てます。
ミチルのダメージは合計4、あと2ダメージ与えれば勝利という状況で、ダメージトリガーの影響は大きい。
《ドラジュエルド》のパワー(=防御力)が23000に上がり、残りのメグミのアタックをガードをしやすくなったのです。

しかし、メグミにはパワーが大幅に上がる《ギュノスラ》連鎖があります。
これに賭けて、メグミは懸命にアタック!
パワー50000に膨れ上がった2体目の《ギュノスラ》のアタックでしたが、ミチルはここで完全ガード!
ミチルのダメージは4のまま動かず、メグミは最後に残ったアタッカー《ガボレーグ》でリアガードをアタックし、ターンエンド。
ここでヴァンガードにアタックしてもダメージは5で勝てないので、相手の強力なアタッカーを倒すプレイングも、ヴァンガードにはよくあります。

後攻4ターン目、ペルソナライドからの全面展開で総攻撃の態勢を整えるミチル。
再び《ドラジュエルド》の能力を使って、メグミの《マグノリア・エルダー》のパワーが1に……!
ダメージ4のメグミはノーガードを宣言し、クリティカル2の《ドラジュエルド》のアタックが直撃。
メグミのダメージが6となり、ファイトはミチルの勝利で決着しました。

注目ポイント

今回のファイトの注目ポイントは、観戦していたトウヤの解説と、ファイト後のミチルの感想戦がわかりやすいです!

トウヤの解説を掘り下げると……
序盤からミチルは、メグミのアタックをしっかり止めていました。しかも、手札1枚という最低限の消費で。
この守りと、メグミにダメージを与えない「点止め」によって、メグミは「4ターン目に大ダメージを狙うしか、勝ち筋がない」状態に誘導されてしまいました。
そして4ターン目に一気にダメージを受けるということは、そのターンのダメージトリガーにも期待しやすくなります。
序盤~中盤に中途半端にダメージを受けるより、守りやすいと判断したのでしょう。
序盤にメグミは「まだまだこれから!」と闘志を燃やしていましたが、実はこの時点で、ミチルは4ターン目の猛攻を見据えていた……というわけです。底知れない。

ミチルの感想戦を掘り下げると……
3ターン目に《ギュノスラ》を手札に温存していたメグミのプレイングは、確かに良かったですね。
3ターン目には手札から《ギュノスラ》をコールして《マグノリア》の能力で後列からのアタックを狙うプランもあったかと思いますが、もしそうしていると《リスタルゲイラー》でアタッカーを失って、4ターン目の攻撃力が落ちていたかもしれません。
また、バトル中にカウンターチャージ(カウンターブラストで裏にしたダメージを表に戻すこと)ができる新カード《アルピン(?)》が3ターン目に来ていれば、そこで《マグノリア》の能力が使えたのでダメージが1枚増えていたかもしれません。

ダンジとメグミのファイトを比較

冒頭にも書きましたが、ミチルは第2話でダンジと対戦しています。
メグミはダンジのことを「兄貴」と呼んで慕っており、今回は「ダンジの伝説」を背負って臨んだ対ミチル戦でした。
実はダンジとメグミのデッキには「4ターン目に全力を出して一気に攻め込む」という共通点もあり、メグミのファイトスタイルが、ダンジと似ている部分があっても不思議ではありません。

第2話でダンジと、そして第6話でメグミと戦ったミチルですが、似たようなタイプのデッキと対戦しながら、ミチルのプレイングは大きく異なりました。

対ダンジでは、序盤にクリティカルをめくってから速攻を仕掛け、ダンジに4ターン目を与えずに勝利しました。
フィニッシュに使ったユニットは、2回アタックで相手へのダメージを重視する《ロックアグール》でしたね。

対メグミでは、序盤にメグミにめくられたクリティカルをしっかりガードし、4ターン目の猛攻をしのげるように「点止め」も使いながらファイトの流れをコントロールし、勝利しました。
このファイトでは、相手のリアガードを除去して攻撃力を削ぐ《リスタルゲイラー》が活躍しました。

第2話でダンジは「4ターン目に勝つために、ある程度ダメージは与えておきたかった」と話しています。
そして第6話では「序盤にダメージを与えられなかったメグミは、4ターン目の猛攻で勝ちきれなかった」……。

序盤の手札や状況によって自在に動きを変えたり、相手のデッキに応じてデッキを調整したり。この2つのファイトを通して、ミチルの隙のない強さを見せつけられたように思いました。

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