バブルの頃#25:自宅にて

1987年9月19日
会社を辞めて自分を取り戻した気になっている。ゴマをすったことがない自分が、ゴマをすることを生業としているような人たちと、ゴマすりを競ったら、負ける。
自分は仕事がしたい。しかし、だめな人間のかさ上げのために、使われるのはいやだ。いさぎよく、出て行きたい。独りでは何もできないだろうが、仕事は選べる。

この1年間の、出来事を子たちに話していない。ただ、会社を辞めたことだけ。子は父の背中を見ているというが、自分の背中には何と書いてあるのだろう。いままで、言葉に責任を持って行動したいと思っていた。前言撤回は慎んできたつもりだ。撤回すると信頼を失う。逃げたり、言葉を翻したりするのは、自分が創った美学に反する。

今その時を迎えている。目の前に面白い仕事のチャンスがある。見逃して三振したら、悔いが残る。あわやヒットという当りでアウトになるかもしれない、その場合は、次にまたチャンスが来るかもしれない。

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