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金言858:夢の跡

勝鬨橋を渡って右側の埋め立て地でモーターショーが開催されていた頃、東京タワーの対岸には東京ガスぐらいしかありませんでした。バブル崩壊前夜に東京都市博覧会招致の動きがあり、カネの臭いを感じた私企業は先行投資をしました。お台場の周辺に笹川さんの船の箱物をしのぐ大きな市場ができました。テレビ局、ホテル、娯楽施設などが建ちならび、船着き場も渡し舟も作りました。そして都知事選で博覧会中止を公約にした青島さんが当選し、公約が果たされました。

中止によりお台場の知名度は上がり企業誘致もすすんでいたのでお客様の数は著しく増えました。想定外の結果となり、大イベント中止による減収を恐れて開業延期した企業は負け組、方向転換や一時停止しなかった企業は勝ち組になりました。話題性で観光客が増えたのが最大の誤算ですが勝ち組には減災のしかけがありました。どうせ閑古鳥がなくということで、減収減益を少しでも軽くするためB級経営幹部とスタッフを採用して人件費削減をしました。安い人件費でコストを抑え赤字を覚悟して開業したところ、想定外の増収となったのでさらに増益という追い風になりました。夢の跡になるはずの赤字プロジェクトが大化けしました。

創業者利益は手にしたでしょうが、その後は商いの世界です。強者が弱者を喰います。人気がでると外資が参入し、AクラスやSクラスの幹部従業員による事業展開をされると、Bクラスのスタッフが運営する事業所に勝ち目はありません。今までどおりなら、マイナス転換でまたひとつ夢の跡が増えることになります。

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