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ため息128: 有益な出会い

IT企業に転職して、企業風土、社員の気質などの違いや落差に違和感を持つ中で何人かの技術者との有益な出会いがありました。
その1人です。この方は、早大卒で、複数年米国の研究所に在籍した経験をもち、親会社から子会社に4年間出向されました。社内異動で机を並べた時期がありその後4年間、週に1回はランチをご一緒したり、月に1回は会社の近くで軽く飲んだりというお付き合いをさせていただきました。

ひととなり:温厚
特技:英文契約書の読解

彼のパーソナリティは高度情報技術者集団の中で馴染まないようです。一度、新設部門の責任者のポストがまわってきたことがあります。彼はその誘いをことわり、スペシャリストの道を選びました。英文読解力では社内でこの人の右に出る者はいません。

日常会話が堪能な人たちは沢山いますが、米国企業と契約に関するやり取りを適切に理解できるのは、彼だけだったと思います。ただし、営業畑ではありませんので、金の匂いがする契約をあの手この手でまとめていくというプロセスには関心がなかったようです。その辺のことを、経営者は評価していたようです。米国企業とのアライアンスをめぐる英語主導の打ち合わせの場には無縁でした。戦略的な意思決定をする際に、後方支援の立場で重要な役割を担っていました。

鞄のなかには、いつも、英語の辞書と筆箱が入っていました。筆箱には、事務用品一式が詰め込まれています。アナログのユビキタスみたいなもので、いつでもどこでも仕事を始められます。和文英訳で話が合うのは、大学時代の先輩を除いては現在までこの方だけです。そして、インサイダー情報や守秘義務にきっちりと対応していました。

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