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一流の脇役 『超二流』(野村克也)

野村克也さんの本は何冊も読んでいるので、聞いたことのあるエピソードばかりですが、切り口を変えて書かれています。今回は「超二流」。副題は「天才に勝つ一芸の究め方」です。

第一章は、超二流論の解説です。「超」と「二流」相反する言葉ですが、「超二流の脇役」の重要性を説きます。

映画でもドラマでも主役級を揃えただけでは成立しません。それぞれの役割とバランスが重要です。

やはり、いぶし銀の脇役も欠かせません。換言すれば、一流の脇役こそ、超二流ということです。

第二章は、「自主的に考える力」です。「甘い自己評価に酔って不満を溜めるのではなく、どんな時も腐らずに真摯に取り組むことが大切なのだ」「腐ったら負け」「見ている人は必ずいる」

何事も謙虚に愚直にということですね。

結果を求めるためには、主体的を持ち、素直な心が不可欠です。名脇役として活躍した土橋さんを例に出していました。

第三章は、「より成長するために」です。チームプレーを引き合いに、役割や責任感、そして組織には中心となる存在が大事だといいます。

「努力に即効性はない」けれど、基礎固めが重要だと説きます。基礎、基本、応用。まずは基礎が欠かせません。

第四章の「物事の本質を考える」では、著者の意外な一面に出会いました。
「結果至上主義が好きではない」プロの世界は結果が全てとも言われます。しかし、「結果は自信をつけるもの」これが真理だと言い切ります。

第五章では、集団の統率についてです。カープの黒田博樹さんと新井貴浩さんは、V9の王、長嶋と評価していました。皮肉にも二人が去ったカープは、今年四位に終わっています。

プロ野球の監督の仕事は準備とも語っています。

第六章は才能についてです。そこでは、「性格」による「向き不向き」を侮るなかれ、とあります。

最終となる第七章は、人間教育についてです。ここでは、「謙虚」に「自信」を持つことで、成長につながると締めています。

一流ではなく、超二流を目指す、これはこれで難しい。ただ、みんなが160キロのボールを投げたり、俊足だったり、ボールを遠くに飛ばせる訳ではありません。努力で乗り越えられることを磨くことこそが超二流になるための道です。

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